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「お母さん、私ね、『何でもそこそこ出来る』ってことは、何の特技も無いってことなんだよね。」

春から高校2年の長女は迷走中である。

長女はさほど苦労しなくても、何でも器用にこなしてしまうタイプだ。
勉強も運動もそこそこやってのける。
絵が得意で油絵も高校1年の夏まで習っていた。(私が時々noteに挙げる絵は長女の作品です)
書道も作品を出品すると何か賞を頂く程度の腕前だ。
吹奏楽部でパーカッションをやっていて、ドラムなんかも叩いてしまう。
行事の際の○○委員なんかも手を抜かずに頑張るタイプ。動物が好き。

私が、長女の特技と思われることを色々挙げても、
彼女が言うには、

「その事だけしていたら、あとは何もしなくてもいい」と思えるほどのものが、何もないのだそうだ。

それから、2年生になるにあたり、進学する大学を決める準備として、学校で文系理系の適性テストや性格テストを受けたそうだ。

適性テスト・・・文系:理系=5:5
性格テスト・・・まんべんなく3.5くらいのきれいな円形

「だから、私には特技がないのと同じ。これってものが何も無い。」

「今まで、やらなきゃいけないから、やってきただけだし、興味があって、自分でやると決めたことだけは頑張ってやったかな。」

(そうでした・・・。やらなきゃいけないことは嫌でもやる事、やってもやらなくてもいいことは自分で決める事、自分で決めたらやる事。それが我が家のルールでしたね・・・)

「だから、大学で○○を学びたい!ってことが思い浮かばない。」と長女。

次男に引き続き、長女も迷走中。。。

・・・・・

そんな長女とのやり取りもあって、私は普段あまり見ない大学情報検索サイトを覗いてみた。

公立・私立?文系・理系?学科は?学費は?場所は?キャンパスは?資格は?
口コミにはいろいろなことが書いてある。

(ほほー。この学科面白そう。)
(私、この学科に行ってみたかったな)

そのうち、
(娘がこんな大学に行ってくれたらいいな)
(娘がこんな資格を取ってくれたらいいな)
(娘がこんな仕事についてほしいな)

子どもの将来に自分の夢をのせていく。

それはそれで、親としては楽しい。

だが、しかし・・・・・だ。

*****

人は、人生を歩むとき、それぞれ自分の背中のリュックの中に、荷物(その人自身の人生観や価値観、信念、夢、希望)を詰めて歩いていく。

最初は親が入れた荷物かもしれない。

でも、人生を歩みながら、自分自身で見つけたもの、価値観、やってみたいと思う夢を詰め込んでいく。

素晴らしい宝物を見つけるかもしれない。
新しい荷物を入れる為に、今まで持ってきた荷物を引き換えに置いていかねばならない時もある。

重すぎて歩けないときも、
軽すぎて心細くなるときも、
探しても見つからないときも、
勝手に親が入れた荷物を、全部ぶちまけてしまいたい時もあるだろう。

それでも、自分でひとつひとつ見極めて、吟味して、探すしかない。

私が、過去に
選びたかったけど、選ばなかったもの、
欲しかったけど、置いてきたもの、
あきらめて、途中で捨ててしまったもの、
今でも後悔して、欲しいと思っているもの。
そんな、私自身の荷物。

『私自身の荷物を娘のリュックの中に入れてはいけない』

そう思って、私はスマホの画面を閉じた。

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