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ロジカルシンキングとテクニカルライティングを学ぶコツは入門書を手に取ること

論理的に考えたり、論理的な文章を書いたりするにはどうすればいいんだろうか。

そんな悩みを現場で感じた。

教えるとなると経験則となるが、体系的に学ぶには書籍だなとなった。そこで、マネジメント視点で読書会を計画したのだが、選書に悩んだので職場近くの本屋へ。この手のスキルはどんな本が適切かと本棚を探していたのだが、やっぱりこれ。

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則。ロジカルシンキングといえばこれ、なところがある。著者のバーバラ・ミント(Barbara Minto)はMECEの創始者ときけば納得の選書だろう。

しかし、やや読みづらい。私は2015に本書を手に取ったが、同時にこちらの入門書も購入して攻略した。

入門書から入る

こちらは、さきほど紹介した本の入門書。入門 考える技術・書く技術――日本人のロジカルシンキング実践法。タイトルのとおり日本人向けに書かれているのが特徴で、前書の読みづらさのギャップを埋めてくれる作り。

日本語の性質を見極めた論理的な接続詞の紹介は目からうろこで、やはり読み直してもわかりやすいとなった。ロジカル接続詞の考えは今でも十分通用する。

演繹法や帰納法の使い方が他の書籍と比べても説明がわかりやすい。文書の根拠及び推論で語るには、この考え方が大事。よく、結論を先にとなるのは結局書き手のためではなくて、読み手のギャップを埋めるために書くことだとわかる。

そのギャップの差分をまず明確に結論とし、その根拠や推論を補完する(読み手が既知なことは書かない)文章を構造化することが大事。

読書会にはこちらの本がやさしいので、読み切るならこちらだなとなった。読書会は最近主催したばかりなので、結果、どうなるか楽しみである。

まんがでわかる入門書

理科系の作文技術も有名な古典だ。

こちらは2008年に手に取ったのがAmazonの購入記録よりわかった。仕事の初期に手に取ったことで幾分か助けられたのだと気付けた。思い出すと、当時、会社内で提言する際の書類づくりの際にお世話になった。

こちらもオススメ。なのだが、これすらも読むのが大変という考え方もある。

なんせ、ロジカルにテクニカルに考えたり書くということになれてないということは、読むということも大変ということになる。そこで、まんがの登場だ。まんがでわかる 理科系の作文技術。

こちらは2018年に手にとったが、新ためて今読み直してみた。すると、めちゃくちゃわかりやすく、これ一冊でいいのでは?と思えるほど秀逸な内容だった。

こちらも、日本語の構造を理解してない人には最適な書。この文章量ですら読めない読み飛ばす可能を考えると十分にコンパクトな構成に見える。これだけの内容で格段に文章の書き方が変わるだろう。事実と意見の分け方に注目だ。

(※ なお、「〜であろう」とか「〜と思われる」は避けたほうがよいと本書内では指摘。ここでは多様しているが、まあ、ゆるしてほしい。)

日本語がそもそもSVOな書き方になりづらい。パラグラフ(段落)がとにかく重要で短文でと考えると論文のように主題が大事になる。相手に伝わる文章の考え方が見えてきて、ベースが名著なんだなと改めて感じた。

これが入門書の力でここから他の書籍に手を出せばよい。ただ、今回は読書会となるとまんがは結果的には選べなかった。まずはここからと思う人はこの書籍が一番オススメだ。

論理的な文章を書くことは相手にこちらの意図を端的に伝えるのに有効だ。そして、書くことは考えることだ。結局、たくさん書くしかない。

ロジカルシンキングは思考法の一つにすぎない

ロジカルシンキングと聞くと難しく聞こえるし、学術的なのか?と問われるとビジネスよりでコンサルティングよりの考えかもしれない。

私がこの手の本を手にしたのは手元にある2006年購入のこの本の影響(毎年、年末年始に読み直すぐらい影響を受けている。新版あり。)で、MBAのシンプルまとめを参考にすると、ロジカルシンキングは以下ぐらいに思っておけばよいだろう。

①ロジカルシンキング(論理的思考法)
一言で言うと、因数分解
二言目は、因果関係
三言目は、仮説検証法

引用:30歳からの成長戦略 「ほんとうの仕事術」を学ぼう P.160

なお、最後にロジカルシンキングの注意点を三つ。

1つめ。論理は初めを間違えると全部間違えるし、計算ミスのように答えが間違えることもある。ただ、式展開のように途中計算式を残しておけば思考プロセスが追えるので間違いにも気付きやすい。問いに戻れる点がメリットとも言える。

2つめ。論理的に考えるというのは思考法の一つにすぎない。帰納法と演繹法に加えて、できればアブダクションの考えも身につけたいところだ。論理の飛躍だって必要で、思考法は他にもたくさんある。

3つめ。今回紹介した本にもあるが、とにかくおもしろくない答えが出てくる。問いが同じなら、誰がやっても似たような答えに辿り着く。おもしろくないと思うのは感情で、論理と感情の掛け算が必要になってくる。

このように、一度はまるとロジカルシンキングは強力な武器になるが、武器の一つにすぎないので他のいろんな思考法でもって、正しい問いを見つけて、仮説をたてたり、問題解決に当たりたいものだ。

武器や道具が目的ではなく、それを使って解決したい問いがあるのだから。

問いといえばとなると、話がまた広がるので有名なのを一冊だけ貼って終わりとする。

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