仕事フェーズの思考段階を図解してみた
コーチングやコンサル等やってる活動柄、
「何かしら自分の力で新たな仕事や活動を始めてみたいけど、何からしていいか分からない」
といった話を伺う機会がとても多い。
おそらく200〜300人以上からそういった話を聞いてきた中で、勿論一人一人の状況は違うものの、全体としてなんとなく共通する課題のようなものも見えてきた。
ビジネスでも音楽でも、自分で何かを作って何かを売る、といった事をしていきたい時、新たな思考や行動をしていくにしても、その一人一人のそれまでに体感値や経験によって、必要とされる考え方や発想は異なってくる。
これらの違いを理解せずに、悪戯にやれ自己啓発、やれマーケティング、やれスキルアップに勤しんだとしても、望んでいる成果はなかなか得辛い。
小学生に微積分を教えても意味が薄いのと同じかもしれない。
学んでみたらそれはそれで、概念の理解等はなんとか出来るかもしれないけど、直近の現実で迎えるテストで出題されるわけではない。
今回はそれらの課題に紐づく思考の階層について、見えてきた全体像をザッと解説してみた。
まず大きくは3段階。
下から順に
①誰かが作ったものを売る 従業員階層
②自分で作ったものを自分で売る 事業者階層
③自分が描く世界をチームで創る 経営者階層
と分けており、更にその中を大まかに3〜4レベルで分けており、それぞれ詳細要素について説明する。
①誰かが作ったものを売る 従業員階層
文字通り、従業員などに当たるポジションにおける思考。
基本的にプロダクトやコンテンツについては完成していて変更が効かない。
あるいはそれらの主導権は自分以外が持っていて、それらの価値をどう訴求したり効率的に流通させるか、といった部分に注力する階層イメージ。
それらを更に細分化すると、下記の通り。
レベル0 ビジネス経験ゼロ・新卒・学生
ここは何もした事がなく、ゼロの状態。
なので、まずはこの段階であればアルバイトなりUberEatsなり何でもいいので、ひとまず何らかの価値提供に対してお金が発生する、という循環を体験してみる事が何よりの第一ステップ。
レベル1 事務・バックオフィス業務の経験(ヒト・モノ・カネの循環システムの体感経験)
直接価値を提供する前線には立たないものの、既存の仕組み・システムの中での報酬として、お金を受け取る段階。
主に全体の既存システムの中でのmustを埋める事が主体業務となるような、企業のバックオフィス、公務員、銀行員、教師などのイメージ。
社会システム全体の中では必ず必要な役割だが、それ故、新しい価値の創出などへの思考段階にはやはり距離があるポジション。
レベル2 既存の有形商品・サービスの販売・値付け経験(オークション・フリマ・せどり・自分以外の所から企画が降りてくる商品設計など)
商品・サービスの中でも、形があり原価計算しやすい物を販売したり、値付けをし、それらがお客さんに届くかどうかが感じられる段階。
そのプロダクト自体に手を加える主導権は小さいが、売り方や場所を変えることで付加価値を生み出す事もできるポジション。(富士山の上や砂漠で水を売る、など)
あとバックオフィスの中でも、製造業やメーカーにおいて、経営陣が開発に対する投資意思決定したプロジェクトを如何に売れる形へと付加価値を付けるか、という思考も実はこのレベルではなかろうか。
レベル3 既存の無形商品・サービスの販売・値付け経験(サービス提案・イベント主催・仲介業など)
レベル2との境目として、有形と無形、と言う視点で分けた。
無形の方が基本的に原価の計算根拠が抽象的になり、難易度が高まる為である。
具体的な形が無いため、それらのサービスによって得られるメリットや体験価値などに対する訴求がより高いレベルで要求され始める。
またコーチングなどにおいても、セッションにおいて自分だからこそのオリジナリティを出さず、スクールで学んだストラクチャー等の既存プロトコルのみに依存している場合、それは既存の無形サービスをそのまま売っている人、と見なされるので、このレベルになる。
②自分で作ったものを自分で売る 事業者階層
単なるせどりや仲介業などでも事業者として成り立たせる事は十分可能。
ただ思考抽象度という意味合いでは、より自分らしさであったり、既存のシステムよりも最適化された新たな価値を生み出す、という部分での思考比重が大きくなってくる階層として、事業者階層と定義した。
レベル4 オリジナル商品・サービスの構想設計・実現経験(コンテンツ制作・作品制作・ビジネスアイデアハッカソンなど)
世の中の既存商品やサービスを一通り知った上で、それら市場の中で発生している課題や、まだ手が行き届いていない層などに対しての解決案を自らが企画・考案し、それらを実現させたかどうかの階層。
それらは少なくとも既存の焼き直しや丸パクりでは無く、今まで無かった新しい商品・サービスである、と一定層からの回答がもらえる段階。
音楽作品などでも、何かしらの影響やジャンル的な区分けは感じられつつも、受け手に対して”新しい”と印象付けられるならば、このレベルに相当。
レベル5 オリジナル商品・サービスの値付け・販売経験(コンテンツ販売・作品販売・クラウドファンディングなど)
レベル4との差が少ないが、作った新しい物に対して自ら値付けをしたり、価値を訴求して金銭との交換取引をした事があるか、というレベル。
特にクラウドファンディングは、先にプロダクトや作品自体が存在せずとも、それらがもたらす価値の訴求だけで資金を集められる仕組みのため、それらが回せるのもこの辺りのレベル感ぐらいからであろう。
レベル6 顧客からの直接フィードバック・改善運用の経験
実際に商品や作品、サービスについてのリアルな反響を得たり、更にそこからのブラッシュアップを体感しているかどうかも、思考抽象度を高める上で重要な要素。
何かしらを作ってリリースし、それきりになっている、という事例は思いの外多い。(特に大きな組織ほど)
購入者や体験者の声が、こちら側の発信が想定の効果性を発揮したかどうかに対する重要な評価指標である事は間違いない。
これらの改善感覚を肌感覚で体験したかどうか、というのも実は大きな要素ではなかろうか。
レベル7 本質の追求・断捨離の経験(コンセプト化・VMV構築)
実際に新しいモノを作り、リリース、検証し、その中でブラッシュアップする中で、最も重要で本質となる部分はどこで、不要な部分はどこなのか。
提供側の妄想でなく市場のファクトや社会課題とも合わせ込んで、明確化するレベル。
顧客の単純な要望だけでなく、より潜在的に望まれている事は何なのか、それらと自身が提供する価値の抽象度を高め、未来志向も働かせてビジョン・ミッション・バリューへの落とし込みが出来始める段階。
③自分が描く世界をチームで創る 経営者階層
レベル8 本質的なコンセプトと連携した仕組み化・ブランド構築の経験
レベル7を超え、VMVを綺麗事には終わらせない為の具体的な施策を走らせ始める段階。
この抽象度レベルに対して本気で時間や労力のリソースを割くには、些末な課題に対応するコストを仕組みによって最小化する、あるいは完全に辞めるか、といった事を進める必要が出てくる。
そしてそうやって研ぎ澄まされていくコンセプトが、いわゆるブランドと呼ばれるような物へ構築されていくフェーズ。
レベル9 本質価値の提供体制構築・チーム組織化・運営の経験
ここまで進んでいれば、対外的に自身の推し進めたい事の価値が明確に説明できるようになっているはずの為、その価値に共感する仲間集めも出来るようになる。
自身が価値を信じている事なのだから、より早く実現や拡大に向けて進める必要がある、といったある種使命感も帯びるようなレベルのため、自分一人で進めるデメリットも浮き彫りになり始める。
そうして集めたメンバーと役割を分担し、自身が注力する事しない事の区別をしていく段階。
レベル10 本質価値の訴求・スケール拡大に向けた事業投資経験
チームも揃い、より大きな力でモノ作りやサービス提供が出来るようになり、与えられる価値も謳いやすくなっているならば、あとは訴求し広げるのみ。
価値を伝える為には、お金をかけてでもプロモーションコンテンツを作ったり、色んな人へ情報拡散依頼をしたり、広告を打つといった事に対する違和感も障壁もなく、価値提供を大きくする事に対してレバレッジを効かせる施策へ投資が行える状態。
踏まえて、必要な事
まず必要な事は、これらでイメージされるような段階がある事を把握する事。
そして更に実は、段階ごとに必要となる思考プロセス・目標設定方法はまるで異なる、という事。
レベルや階層を越え跨ぐような段階では、よりイノベーティブ寄りな思考。
レベルの中で成果コミットする段階では、よりマネジメント寄りな思考。
それぞれの思考はどちらも必要であり、時と場合によって使い分ける必要がある。
ではそれらの思考は何なのか、、、
長くなった為、続きはまた次回の更新にて!
おまけ
ぼぶ自身は深さは異なるものの、それぞれのレベルを人生のどこかで体感していた為、コーチング事業の構築も比較的早めに出来た、とも言えるかもしれないです。
レベル0 ビジネス経験ゼロ・新卒・学生
→大学生〜大学院まで居酒屋アルバイト5年、会社員4年半など
レベル1 事務・バックオフィス業務の経験(ヒト・モノ・カネの循環システムの体感経験)
→上記会社員生活+Webデザイン業も2年半
レベル2 既存の有形商品・サービスの販売・値付け経験(オークション・フリマ・せどり・自分以外の所から企画が降りてくる商品設計など)
→小学生の時にリアルのフリーマーケットで遊戯王カード1枚1000円、2000円などで直接販売した経験あり。笑
(値段交渉なども直対応。この時の感覚は意外と根強い。)
レベル3 既存の無形商品・サービスの販売・値付け経験(サービス提案・イベント主催・仲介業など)
→バンドでのイベント主催、特殊条件に合わせた特別チケット(¥13,000/1人)などの販売経験あり。
レベル4 オリジナル商品・サービスの構想設計・実現経験(コンテンツ制作・作品制作・ビジネスアイデアハッカソンなど)
→バンドでの楽曲やグッズデザイン制作。会社員時代には社内起業PJにも頻繁に出入り。
レベル5 オリジナル商品・サービスの値付け・販売経験(コンテンツ販売・作品販売・クラウドファンディングなど)
→バンドでの楽曲販売やオリジナルグッズ販売。またクラウドファンディングも2度実施。(ぼぶと一緒に公園で1時間遊ぶ権利、¥20,000など)
レベル6 顧客からの直接フィードバック・改善運用の経験
→バンドでのお客さんの直接コンタクト・リアクション、会社員時代の商品開発フェーズにおける海外市場調査経験など
レベル7 本質の追求・断捨離の経験(コンセプト化・VMV構築)
→バンドにおけるコンセプト&VMVの構築
レベル8 本質的なコンセプトと連携した仕組み化・ブランド構築の経験
→バンドコンセプトを基準にした各種活動、パフォーマンス、イメージ作りなど
レベル9 本質価値の提供体制構築・チーム組織化・運営の経験
→バンドでのチーム運営。
活動初期は根拠なきVMVを掲げ、デモ曲すら無しでメンバー集め。
レベル10 本質価値の訴求・スケール拡大に向けた事業投資経験
→各種制作にあたる外部協力投資、少額ながらも有料での広告運用など。
最近も行っていることから、かなり昔の小さなことも含まれてますが、何よりも体感値が重要。
自分で新たなことをしていく際に、些細でもいいのでこれらに近しい感覚が参照できれば、活動を進める上で役に立てられるかも。
何かしら気づく事があれば、ぜひメッセージにて教えてください!
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