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Jリーガーの発信力。

今の時代、誰でも自由に発信ができる。

個人の行動や考えを世の中に簡単に発信できる機会が増え、複数のSNSを使いこなして情報発信をするプロ選手も増えています。

そこで、アスリートの発信について(ボリューム、スキル、必要性と効果も含めて)頭の中にあることをつらつらとアウトプット。

スターの生まれ方

マスメディアが生んだスター

Jリーグ創設の1993年、サッカーは新しい時代の象徴として連日TVで報じられ、試合は地上波でのTV中継、サッカー選手はTV番組やCMにも起用され、芸能人と肩を並べる有名人として憧れの的になっていました。

水曜の夜と土日はTVで試合の中継がありサッカー番組も複数放送されていて、元々観ようと思っていなくてもお茶の間で自然と流れていたのがJリーグだったという時期もありました。

この時代はスポーツに限らず、歌番組などでスターに押し上げられた安室奈美恵さんや華原朋美さん、浜崎あゆみさん、番組のオーディションから生まれたモーニング娘。など、当時のインフルエンサーはマスメディアの力によって人々の前に露出されスターとなっていた時代といえます。

インターネットメディアが生んだスター

インターネットが全盛を迎えてGoogleやYahooで情報を検索する時代になり有名ブロガーが生まれ、さらにSNSが普及しTwitter、Instagram、TikTokで各SNSを使いこなすインフルエンサーが生まれるようになりました。

マスの力ではなく、共通の趣味やあるコミュニティ内での評判を獲得し話題となり、人を介してスターが生まれる時代になってきたといえます。

例えば、秋葉原の劇場公演からスタートしてファンの力によってTVに露出するまでの存在になったAKB48や、TikTokで若者の支持を得てTVに露出するようになったYOASOBIなど今のインフルエンサーはSNSで人を介して人々の前に露出されスターに育て上げられました。

こう考えると、今の時代に自ら発信しなくても世に認知されるのはマスメディア時代にTVで露出され有名になったスターの特権であり、その他の大多数の著名人は、組織や個人の発信ツールを持ちそこで露出することで自らのことを知ってもらい、伝えたいことを届けるというアクションが必要といえると思います。

さらに、マスメディアでスターとなった人物はメディアで繰り返し露出され長く人々の記憶に残りますが、今のスターは以前と比べて移り変わりのサイクルが短い印象です。

Jリーガーの立ち位置

Jリーガーも、知名度はTVに出ているタレントと比べると落ちますし、かつてのスターのような扱いは稀です。

Jリーグは地上波では放送されず、DAZNに登録をしている既に興味のある人が目的を持って視聴するようになっていますし、更に日本代表の試合もインターネットメディアでの配信が中心となり、興味のない人がたまたまTVを付けたらやっていたというライトな入り口が無いのが現状です。

しかし、知名度という点で以前より落ちたとしても、個人が人々に与える影響力という点ではむしろ高まっているのでは、とも考えられます。

なぜなら、芸能人のように会った時に「本当に実在してたんだ」と感動するスターでなくとも(自分はミスチルの桜井さんを初めて見たときにそう思いました笑)、より身近に感じられ選手個人に対しての熱量と信頼を寄せるファンが多いので、発した言葉が伝わりやすい特徴があります。

大切なことは、日本中に影響を与えるスターでなくとも今いる地域・コミュニティでその振る舞いや言葉が良くも悪くも強い影響力を持つということを認識すること。

子どもたちに夢を与え、プレーだけでなく振る舞いもロールモデルとなり地域の人から応援される存在になる。今のJリーガーは憧れと身近さのバランスも大切で、コミュニティの中で強い影響力を持つインフルエンサーになり得る存在といえます。

そのため自身のことを支持してくれるファンがどれだけいるかということは一つの指標になり、現役のうちにできる限り伝えられる範囲(フォロワー)を広げておくことは必要なことだと言えます。

発信の力

今シーズン、集客といった点でクラブも苦戦をしていますが、SNSを持つ選手たちが協力してくれていてSNS等での反応から一定の効果が見えます。

Instagram storiesとTwitterで個別の発信
Instagram storiesとTwitterで個別の発信

自分の好きな選手、応援するクラブの選手から「試合に来てね、応援してね」という露出に触れられる機会は決して多くは無い現状ですし、発信する選手自身も毎回「告知」をストレートに言語化するのは余計なストレスになりかねません。

しかし、実際にプレーする選手の情報発信は質・量ともにクラブ公式アカウントの発信では実現できない良質な情報の届け方であることは間違いないので、こうした発信が年間を通して続くことで”単純な告知”だった発信が、”クラブの認知を高める”質の高い発信となると思います。

実際に開幕から露出した結果、クラブ公式のInstagramとTwitterでは1試合あたり合計約95,000リーチでENG率(いいねやRT数)は0.2~0.3%程ですが、選手の発信においては8人から多い時で15選手が発信し、約150,000リーチを獲得、ENG率は3%~5%とクラブの公式の約15倍の反応があり、個別のコメントも発生します。
(※フェリペヴィゼウ選手はInstagramで100万人フォロワーがいるので彼が参加するとMAX140万リーチの時もあります。)

もちろん、自身のパフォーマンスやコンディション、その時の状況でこうした発信が選手個人の負担になる時もあるので無理なく、そして多くを考えずにパッと出せるもの。その中でもその選手が発信する意味のあるものを提供することも大切かなと思います。

こうした発信を継続することで、単発の試合告知ではなく、クラブを知ってもらうことと興味関心を高めるきっかけになるのでできる限り続けていきたいアクションです。

普段から発信している選手は、試合の前後にもSNSで自身の感情を冷静に伝えられますし、試合以外でもサッカーだけに限らず自身の想いを形にして世の中に発信できます。

ポジネガ両方の側面はあるのがSNSですが、過度に意識しすぎず特徴とニーズを理解してうまく付き合っていくと良いのではと思います。

よろしくお願いします🙇‍♂️