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安直に自分の好きな寿司屋を買収しちゃって大赤字になった話

すごく大好きなお店があったんです。
そのお店は亀有にあったのですが、当時の僕のオフィスは船橋にあって、自宅は千葉県の佐倉市にあったので、アクセスはめちゃくちゃわるかったのです。
それでも月に最低4回以上は通っていました。

価格も飲んで食べても1万円台のおまかせコースで、大将の人柄も良くて使い勝手がすごくよかったんです。
そしてとってもおいしかった

出会ったのは確か20代後半の頃だったんですよ。だからまぁ僕もちょっといきがって行きつけの寿司屋みたいなのを作りたい時期でもあったんです。

そもそも大将との出会いはさらにそこから数年前、神楽坂にあった和食のお店です。
接待で先輩経営者に連れてってもらったお店なのですが、すごく気に入ってしまって和食のお店にしばらく通っていました。

そう、佐倉から神楽坂まで足繁く通ってたわけです。
といっても、3ヶ月に2回くらいのペースで通うくらいでしょうか。

雇われだった大将が神楽坂の他の系列店に移ってしまい、なんとなく足は遠のきました。

そこから1年だか2年後、突然メッセージが来て「自分でお店を出しました。」と、いうからお祝いも兼ねて伺ってからどハマりしたんですよね。

それから足繁く亀有まで通うになってから数年後、大将から話があると言われ、まぁ簡単いうと「お金を貸して欲しい」という話だったんです。
僕はすでにそのお店でダントツで1番の常連になっていたみたいで、50万円だったか100万円だったかを貸したのを覚えています。
それから数ヶ月後、「やっぱりお店の経営が厳しい」と。

その時すでに飲食店も経営していたのもあって、「僕が経営しましょうか?」と提案し、あっという間に話がトントンと進み、僕もそのために子会社を作ったりしてお気に入りだったお店の寿司屋のオーナーになったわけです。

まぁなんというかとっても美味しい寿司屋のオーナーになれたという自己満足的な要素があったことも事実としてありました。
寿司屋のオーナーってなんか響きがいいじゃないですか。たぶんそういう見栄とかも当時はあったんだと思います。

両親を連れて行ったら喜んでくれたのは、僕にとってもいい思い出なんです。

その時はまだ飲食経験も浅かったので、美味しい寿司さえあれば集客はなんとかできると考えていました。

ホームページを作ったり、グルメサイトに登録をしたり、近隣の人に認知してもらうために、30分100円食べ放題という無茶な企画をして(みんなここぞとばかりノドグロばっかり食べるんですよね)お店の前に行列を作る実験をしてみたり。
もちろん経営者の友人知人も沢山来ていただきました。
すごくアクセスが悪かったのに、あの時来てくれた皆んなには今でも本当に感謝しています。

で、亀有でそのまま経営してみた結果1年で余裕で1000万円以上の大赤字です(笑)

これには本当にこたえました。

今から飲食店をやろうとしている方達や、安易に儲かっていなかったお店を買収しようとしている人達に本当に言いたい。

「マジでやめたほうがいいっすよ。」

めちゃくちゃ慎重に収益の計算とかをしっかり行って、採算がとれる見込みがでるのであればやってみてもいいと思います。
後は超資金に余裕があって趣味と割り切れる人以外は僕みたいに見栄とかノリで飲食店経営をするのはリスクしかないです。
飲食店経営は舐めたらいけません。

ただ美味しいだけでは本当に儲からないです。

その寿司屋はもう一度マーケティングを見直して船橋に移転し、結果的に坪単価50万円以上売り上げる繁盛店になるのですが、それはまた別の話でご紹介させてもらいます。

→続編を書かせてもらいました。

宣伝 → 飲食店のインバウンド集客に関して超詳しく解説しています。

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赤沼和哉 - 飲食業界と経営の話
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