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選択と集中では「選択」が圧倒的に大事

ホテルがコロナ禍で大変だった時、「価格を10,000円から3,700円に下げたらロクでもない客ばかりが増えた」とツイッターで話題になったことがありました。安いモノを買いたがるお客というのは得てしてロクな客ではない。売上が上がることもないまま、苦労だけが増えたとのこと。いまでは価格を10,000円に戻しているそうです。その結果、10,000円に相応しいお客が戻ってきているらしい。まあコロナ禍で本当に大変な時だったわけですから、致し方ない部分はあります。ただ、これなどは結果として、「3,700円なら払えるというお客」を選択したことになります。それを「10,000円でも払えるお客」に選択しなおして状況が良くなったわけです。

選択と集中。これはジャック・ウェルチ氏がGEの再建で徹底した方針で、以来、企業では比較的よく使われるフレーズになりました。選択と集中のどちらが大事かと言うと、先程のホテルの話では、明らかに「選択」が重要だと言えそうです。成功の80%は選択(選択力)によると言っても過言ではない。特に「お客さんを選ぶ」は何にもまして重要なひとつでしょう。もっと言うなら「客である以前に人を選ぶ」が大事です。これは恋愛でも言える。「男や女である以前に、人としてどうか」。ここの目が曇っていると、短期的には良くても中長期的にはうまく行かない。

さて選択と集中ですが、事業戦略をうまくやる上でマネージャーの「選択力」は、経営者がそのマネージャー自身の力量を判断する大きなポイントだと考えています。単純に「伸びていく市場に参入する」とか「収益性の高い事業に集中する」というレベルならあまり難しくない。そんなことは当たり前というか、前提条件くらいの意味しかない。僕が言う「選択力」とはそのような「客観的に判断できる」ものではなくて、情報が少ない中で「嗅ぎ取らなければならないもの」です。例えば、世の中には「雑プロジェクト」とでも言うべき「おそらくモノにならない空想的事業計画」がたくさんある。よくよくその案件の本質を見極めたほうが良い。そのようなプロジェクトにかかわると一向に成果が出ないばかりか、貴重な人生を無駄に費やすことになります。これは真面目な人たちが一生懸命取り組む新規事業でも見られる。なぜそうなるかというと、それを認めたマネージャーや経営者の目利き・選択力が弱かったからです。

逆に選択力があれば「勝ち馬に乗れる」。あまり説明はいらないでしょう。目の前に現れるプロジェクトを選ぶ。雑プロジェクトを見抜くチカラがあればそれを避けられる(ビジネスも人生も新規プロジェクトで溢れています)。人を選ぶ。成功するマネージャーや人材を選べば、会社や事業も成功する。要するに「昇りのエスカレータ」に乗れば、苦労せずに上へ行けるが、下りのエスカレータに乗れば、逆走しても無駄だという話ですね。選択力とは習字の始筆に似て、最初の段階でその後を決める才能と言えそうです。