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自社のマーケティングのクセを知る

製品が売れるかどうかは必ずしも製品自体の良し悪しが理由ではありません。もちろん製品は良いほうがいい。しかし仮に製品が普通でも売れることもあれば売れないこともあります。つまりそれ以外にも売上要因になるものは複数あって、それらが複合的に絡まって結果に結び付くわけです。ビーエムウィンのコンサルティングでは必要に応じてそれらをゼロベースで検証しています。おおまかに言うと「環境」「戦略」「戦術」「オペレーション」の4つに含まれるいくつかの要因を仮説ベースで「当たり」をつけた後、個別の問題点を詳しく検証します。

おおかまに言うと、例えば良くないビジネス環境で売ろうとしていれば、どんなに製品が良くても売れません。まるで北極圏で店を出すようなもので成功の見込みは極めて薄い。温暖な気候で、人出の多い街でビジネスを始めるほうが良いのはいうまでもないこと。同様に戦略が悪ければ製品は立ち上がらないし、戦力の投入量が少なければ、やはり製品は短命に終わります。収益性が低ければビジネスそのものがガス欠で持続しない。逆に上手くいく製品は「勝ち癖」に乗っている。小さい企業であれば注意深く市場を選んでいる。大きい会社であれば戦力の投入量やオペレーションの強さで売上を叩き出していることが多いものです。つまり自社のマーケティングのクセを知っていて、それを活かしているわけです。(大きい会社であればそれを組織システムにしている)

先日、ある支援先企業であらためてこのスタディをしました。「良い製品を出しているのに何故かんばしくないのか」が問題意識でした。そこで上記の話です。あらためて「自社の勝ちパターンと負けパターンを知る」というテーマで、過去の9製品を取り上げて検証しました。これらは上手くいったもの、そうでなかったものもあります。なぜそうなるのか。ここが謎でした。もちろん個別のレビューは行っているのですが、それらの問題は「個別の話」に終始することです。今回はもう少し俯瞰的な学びが欲しかったわけです。そこでマーケティングチームと開発チームの人たちを交えたセッションを行いました。「まるで穴の開いたバケツに水を入れているようだ」。喩えるならこのような状況でした。ここではあまり詳しくは書けませんが、実に多くのクセや落とし穴が見える結果となりました。同時にそこからの学び(今後、それを意識して新製品を出していく)も得ることが出来ました。なによりも「自社のことは言語化できていない」ことが多く、マーケター個人の暗黙知に存在していることをあらためて認識できたことが大きかったと思います。

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