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科学的エビデンスに基づく教育効果とは

ブルーツ・リーです。

お子さんをもつ家庭のみなさんは、
子どもの教育に関して以下のような認識がありませんか?

●  ご褒美で釣っては「いけない」 
●  ほめて育てるほうが「よい」 
●  ゲームをすると「暴力的になる」

実はこれはすべて真逆で、専門家の意見が間違っているという
典型的な事例のようです。

正解はこちら。

→ ○ ご褒美で釣っても「よい」
→ ○ ほめて育てるのは「いけない」
→ ○ ゲームをしても「暴力的にはならない」

この事例が紹介されていたのが『「学力」の経済学 』という本。

今まで、教育学者、学校の先生、塾の先生、子どもを有名大学に進学させた親の経験談、などで語られてきた「教育学」。

「個人的な経験」や「思いこみ」で語られてきたこれまでの教育に関して、「統計学的手法」を用いて調査・分析した結果をもとに「エビデンス」として読み解くのが本書です。

著書では、たとえ専門家の意見でも「エビデンス」に基づかないものは、信用してはいけないとい主張しています。

そして「エビデンス」のなかで最も信頼されるものが「ランダム化比較試験」に基づくものだそうです。

本書ではこの「ランダム化比較試験」という実験を使うことで、信頼に足りるエビデンスを基に教育効果の因果関係の有無を展開していきます。

どういう教育が成功する子供を育てるか」を科学的に明らかにしていく試みで、お子さんを持つ家族は「ぜひ読むべき」本書。

本書にその理由が詳しく書かれていますが、その中からポイントを絞って紹介します!

ポイント①:ご褒美の効力

『ご褒美で釣っても「よい」』というのは、心理学的な知見に基づく手法で、人間は遠い将来に貰える大きな褒美よりもすぐに貰える小さな褒美の方に目がくらんでしまう性質を利用しています。

具体的には、「テストでよい点を取ればご褒美」と「本を読んだらご褒美」とで比較した場合、「本を読んだらご褒美」の方が学力テストの結果が良くなるようです。

つまり、成績を上げる・テストで良い点をとるなど「アウトプット」へのご褒美ではなく、読書や宿題をやるなどインプットの段階でご褒美をあげるほうが顕著に学力が向上することが分かりました。

そして、ご褒美で子どもを釣っても、「勉強することが楽しい」という子どもの「やる気」はそがれなかったといいます。

ほかにも、
● 小学生までは、お金よりトロフィーなどのような「精神的なご褒美」の方が効果的
● 中学生以降は、お金の方が効果的
● お金を与える際、金融教育を一緒に施すと、お金を大切に扱うようになる
● ご褒美は「〇〇点とったら」のような結果に対して与えるより、
〇〇時間勉強したら」のように、勉強する過程に対して与えた方が効果的であり、具体で分かりやすく動けて習慣がつきやすい。

ポイント②:褒めて伸ばすのは効果的ではない

『ほめ育てはしては「いけない」』というのは「むやみやたらに褒めると実力が伴わないナルシストになる」ということです。

また、子どもの自尊心を高めるため、たとえ悪い成績を取った子どもに対しても「きみはやればできる」というのは、子どもが学力の低さを自覚するチャンスを奪うのため逆効果であるようです。

自尊心が高いから学力が高いという因果関係はなく、むしろその逆で、
学力が高いから自尊心が高い傾向にあるようです。

そして「アナタは頭が良い」と子どもの能力を褒めるより、「アナタはよく頑張った」と子供の努力を誉める方が効果的です。

研究結果から、子供の能力(頭がよいなど)を褒めるよりも、努力や具体的に達成したこと(今日は何時間勉強した)を褒めるほうが、更なる努力を引き出し、困難にもチャレンジできる子に育つという結果がでています。

ポイント③:テレビやゲームは悪影響か?

テレビやゲームは「一日1時間まで」であれば影響はないが、
2時間以上」は学習時間や発達に悪影響を及ぼすことがわかっています。

一日1時間程度までなら悪影響はないので、息抜き程度にほどほどは認めてあげるのが効果的のようです。

ポイント④:子どもの勉強へのかかわり方


「勉強をしなさい」と言う事は全く意味がないどころかむしろ「逆効果」になるのでやめたほうがよいようです。

一緒に勉強をみたりする手間」をかける必要があり、娘なら母親、息子なら父親など同性の方が効果が高いことが実証されています。

親が忙しくて難しい場合は、親戚や家庭教師、先生でも同等程度の効果が見込めるようです。

ポイント⑤:周囲の友人から受ける影響

子どもの友達からの影響は大きい。

特に問題児の存在は学力にマイナスの影響を与えます。(たばこや飲酒などの影響も受けやすい)

そして、優秀な同級生からプラスの影響を受けるのは、元々優秀な生徒のみのようです。

悪友からのマイナス影響に対して親がてきることは、思い切って引っ越しをする、学校をやめて転校させるということが、選択肢の一つとして覚悟しておく必要があるかもしれません。

ポイント⑥:子どもへの投資効果

子どもへの投資は早ければ早いほど投資効果が高く、最も高いのは0~3歳の間です。

なかでも幼児教育は割りの良い投資であり、就学前が一番投資収益率が高く、将来の社会にとってもよい結果になります。
 
ただし子どもへの投資とは、学習塾に通わせるようなものだけでなく、しつけや体力、健康面での支出も含んだものになります。

ポイント⑦:非認知能力を養うことが重要

非認知能力とは、学力(認知能力)以外の「社会性」「忍耐力」「意欲」といった能力。

非認知能率を養う所として「学校」「部活」が有効です。
特に非認知能力の中でも「自制心」と「やり抜く力」が重要であり、
学力を上げるために非認知能力を養う部活をやめてしまうのは避けるべきです。

自制心」は筋トレと同様に反復させることで鍛えられます。
例えば「背筋を伸ばすこと」を何度も言われ続けてそれを忠実に実行した子どもの成績には良い影響を与えているようです。

ポイント⑧:「しつけ」を親に教わると年収が高くなる

しつけ=勉強をする、嘘をつかない、ルールを守る、他人に親切にする

これを親に教わった人は、そうではない子どもよりも年収が高くなるということが実証されています。この理由は「勤勉性を養える」からのようです。

さいごに

いかがでしたでしょうか。

教育は子どもにとっても、社会にとっても非常に大事なものです。
そんな大事な教育だからこそ、しっかりと科学的根拠に基づいた実証効果のある教育を自分の子どもに施したいものです。

ぜひ、お子さんを持つ家族は本書を読んでみてください!


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