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まだ書けるやん、私。当たり前が当たり前じゃなくなってもね。

今、布団の中。
夫が布団乾燥機でホカホカにしておいてくれたので、布団にもぐっているだけで幸せな気持ちになる。あったかーい。

いつも思うのだ。
人はあったかくてお腹がいっぱいだったら、争わないんじゃないかなって。
寒くてひもじいから、争い、奪うのだ。
世界中の人が、あったかい場所で、満たされたお腹で眠れますように。
そんなことを祈りながら眠りにつく。

何日も何日も長時間パソコンに向かえない日が続いていた。
仕事の原稿が進まなくて、お腹の痛みに耐えながら、悔しくてソファの上で泣いていた。
だんだん絶望感しかなくなって、もう仕事は無理だと、今年で終わりだと、そんな覚悟までしていた。

でも今日、久しぶりに朝から晩まで原稿を書き続けることができた。
睡眠導入剤でしっかり睡眠をとって、痛み止めを多めに躊躇せずに飲んで。
そうしたら、なんとか前のように長時間パソコンに向かえた。

午前中は、1000文字くらいの原稿をマッハの速度で2本書いて、また痛み止めを追加。
そして、午後から少し昼寝したあと、夜までに3500文字の酒蔵の原稿を一気に書き上げた。
一晩寝かせて、明日の朝、推敲する。

こんなに長時間仕事をしたのは、何ヶ月ぶりだろうか。
もう無理だとあきらめていた。そういう体になったんだと。
でも、できた。
薬をぶっ込んでやれば、まだまだ動けるじゃないか。副作用で眠いけど、それすら吹っ飛ぶほど集中した。

私はもともと集中力しかない人間で。
その代わり、人がまわりにいたら何もできなくなるが、1人なら完全に自分の世界に入り込めるタイプだ。一度入ると抜け出せなくなるくらい集中する。(電車で本を読んだりメールしたりしていると、よく乗り過ごす)

組織では働けない社会不適合者。
でも、職人仕事はできる。

この感覚を久しぶりに味わった。
まだできるやん!
楽しい、楽しい、仕事が楽しい。
書くことが楽しくて仕方がない。
文章が頭の中から溢れて止まらない。
拾い集めるみたいにして書く。その時間が何より幸せだということを、久しぶりに思い出した。

まだ余韻が抜けず、頭が書くモードだから、布団の中で今もこんなことをスマホで書いている。
眠いのに、言葉があふれるよ。
こんな幸せなことが、痛みだらけの人生にまだ残っていたなんて。

明日が今年最後の仕事の山場。
乗り越えられるか不安だったけど、今は大丈夫だと思える。明日もやれるはず。
良いものを書き上げるのだ。

生きる意味は、まだあった。
自分の感性と知識で自由に人間ドラマを書ける仕事があることに感謝。

「あなたはドラマが書ける人だから」
これまでに仕事のことで褒められた一番嬉しかった言葉だ。
聞いたこと、見たことを書いただけのレポート記事にならないように、ドラマを作り上げる。
それが楽しいし、とても幸せな時間。

今日はまだちゃんと書けた。絶望せずに、泣かずに仕事ができた。
そんな、人にとっては当たり前のことが、もう当たり前じゃないから、いちいち感動するし、なんか幸せなんだ。

そう、やっぱり私は書いていれば、幸せなんだ。
もうそれだけでいいや。

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