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【断捨離】私のくるみの木の本棚、1段だけ見てみよう

本の断捨離をしなければならない。
2~3年に一度は、100冊くらいは古本屋へ送るのだが、この数年間それを一度もやっていない。2つの本棚はとっくにいっぱいで、あふれた分は床に直接積み上げている状態だ。

私の仕事部屋には、学生の時に母が買ってくれた大きな本棚がある。一人暮らしをした時も結婚した時も、ずっと持ってきた。びっくりするほど重いので、引っ越し屋さんを何度も苦しめた。
材質は「くるみの木」だという。「ガラス扉がないとホコリがたまるから」と、母はいつもガラス扉がついているものにこだわった。本棚なのに下段に引き出しもあり、これが思っていた以上に便利で重宝している。

くるみの木の本棚
めっちゃごちゃごちゃしている💦


本当は隙間に横にして本を入れるなんてイヤなのだが、ちょっとでも本を詰め込んでおくためには仕方がない。もうぎゅうぎゅうだ。

とにかくこの本棚は本がたくさん入る。おそらく、写真でパッと見ている以上に入っている。というのは、奥行きがすごくあるので、文庫本だと1段で3列になるのだ。たった1段で80~90冊も入れられる。

この奥にまだ2列あるということ
奥行きがあるのでたくさん入る


2列目はまだしも、3列目になると、自分でも何が入っているのか覚えていない。試しにこの1段を全部出してみた。

上から1列目、2列目、3列目
この一段は85冊入っていた


1列目は大学時代に読んでいた山本有三、川端康成、谷崎潤一郎、太宰治などの近代文学作品が並ぶ。かわいそうなくらいボロボロなのは、ほとんどが古本屋の100円コーナーで買っていたからだ。
お金はないけど本は読みたい。
そんな大学生の私にとって、100円で買える文学は宝物だった。

太宰や川端と比べれば、山本有三はそれほど有名ではないと思うが、『路傍の石』は死ぬまでに絶対読むべき本だと思う。名作中の名作だ。再読したい。
こんなに読んではいるけれど、私は太宰にも谷崎にもそれほど惹かれなかった。やっぱり川端康成がダントツで好きだった。瑞々しく美しい描写、古き良き日本の風情、奥ゆかしいエロス、すべてが私好みだった。

これらの古本は今刷られているものと違って文字が小さいので、ものすごく読みにくい。
1列目の左から4番目にグレーの背表紙の『雪国』があるのは、持っている『雪国』があまりにもボロボロで再読するのも躊躇するほどだったので、数年前に買い直したものだ。8番目にボロボロの『雪国』もあるが、新しいものを買ったからといって捨てる気にはなれない。
こういう名作たちは、いつか新しいものにすべて買いかえたいという夢があるが、結局『雪国』のように古いものも捨てられず、また本が増えるだけだと思うと、それもなかなかできない。悩ましい。

さて、お次は2列目。
久しぶりに見て、思わず「おおーっ!」と声をあげてしまった。
この列は「荻原浩ゾーン」と言ってもいいほど、荻原さんの本が並んでいた。何を読んでも面白くて、一時期かなりハマっていたんだよなぁと思い出す。でも、この先に読み返すことはあるだろうか?「古本屋行き」にするかどうか、悩むところだ。
浅田次郎さんの『蒼穹の昴』はいつか再読したいので残そう。
面白い発見は小川洋子さんの『アンジェリーナ 佐野元春と10の短編』だろう。こんなのあったんだ。自分でも忘れていた。80年代の佐野元春が好きだから、タイトルで思わず買ってしまったんだろうな。

3列目となると、これまた懐かしいものばかり。90年代、群ようこさんが流行っていたんだ。『鞄に本だけつめこんで』は名作エッセイだと思う。書評をこんなポップなエッセイで書けるのかと感動した作品でもある。(一時期、まねをして書評エッセイを書いていた)
中島らもの『明るい悩み相談室』!!面白かったなぁ。中島らもさん、もっと長生きしてほしかった。他の棚に小説もあるはずだ。

そして、山田詠美がずら~っと並ぶ。あの頃、流行ったよなぁ。みんな読んでいた。彼女が文壇に出てきた時、文学界はかなりざわついたんじゃないだろうか。今でも新刊が出ているのを見かけることがあり、まだ書いていらっしゃるんだなぁと思う。『放課後の音符』と『トラッシュ』だけは残しておきたい。

三浦綾子さんの『氷点』は続編も含めてやっぱり捨てられない。一度は読んでおきたい名作だろう。灰谷健次郎さんの『天の瞳』シリーズは大好きで、いますぐにでも読み返したい。
なぜか三浦綾子と水木しげるの間に柳井さん(ユニクロ創業者)の本が挟まっていた。この並びの本棚は世界中探してもないだろうな(笑)。
吉本ばななさんの本もこんなところにあったか!『TUGUMI』なぁ……。今読んだらどう感じるんだろう。ばななさんの本は最近久しぶりに2冊読んだ。『はーばーらいと』と『ミトンとふびん』だったかな。どちらも良かったし、ばなな節に触れるのは懐かしかった。

……と、こんな感じで、たった1段を整理するだけでも時間がかかる。
何を処分し、何を残すのか、さっさと考えないといけないのに、「懐かし~」ってペラペラめくったり、思わず読み耽ったり。「大掃除あるある」で、まったく整理が進まないのだ。ついでにnoteまで書いてしまった。

この本棚の他に、もう1つ小さめの本棚があるし、床に積んでいるのもあるし……。すべての本を整理し終えるまでには、そうとう長い時間がかかりそうだ。

しかし、今回はいつもより思い切って断捨離するつもりだ。おそらく300冊くらいは古本屋行きになるだろう。悲しいけれど。
世の中には「いい本」「手元に置いておきたい本」がありすぎる。

人の本棚って、その人の人生が詰まっているようで興味深い。いろんな人の本棚を見てみたいなぁ。
本好きの人だったら、私の本棚をちらっと覗くのは、案外楽しかったのでは?
これから整理していくなかで、もし面白い本が出てきたら、別の記事でも紹介しようと思う。

(でも、こんなnote書いていたら、永久に断捨離は終わらないよ~!)

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