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#掌編小説

美活黒子生活

朝起きたらテーブルの上に書き置きがあった。

『俺を捨てるなんて冗談じゃない。
悪いけど、しばらく旅に出る。
探すなよ。 泣きぼくろ』

それは、まるで小学生低学年あたりの男児のような下手くそな文字で。
な…泣きぼくろ?!はあ?!

ええええええ!!!!!

鏡を覗き込んだら、私の右目のそばにあった泣きぼくろがないっ!!
どっ、どうしてええええ!!!
たしかにとろうとは思ったわよ?
小さい頃か

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片腕(左腕より前)

あたしは今、男の左腕と暮らしている。
どうやらあたしだけに見えて、他の誰にも見えないらしい。
太く無骨ではあるけど、若く男らしい腕だ。
剥き出しの男の腕は、恋しさ愛しさを募らせる厄介な部位ではあるが、まだまだ朝晩の冷え込みは厳しい。あたしは叔父の形見の、叔父が好んで袖をとおした嵐絞りの浴衣をほどき、袖付けの部分を縫い合わせ袋状にし、男の腕を袖口にとおしてみた。
腕もおさまりがよいのか、静か

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左腕

嵐が過ぎ去った翌日、庭に男の腕が落ちていた。左腕だ。
実を言うと、男の腕を拾うのはこれで二人目。どうやら変な能力が私にはあるらしい。
最初、芝の上に落ちてる腕をみつけた時は死んでるのかと思ったが、傷だらけの二の腕をさすると、男はびっくりしたのか飛びついて、私の二の腕をギュッと掴んだ。
私は、傷だらけの腕の力に小さく悲鳴をあげ「大丈夫よ、痛いから離して。」そう腕に声かけた。腕は自分がただの左腕

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