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1minute七十二候 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)

啓蟄<末候>
3月15日から3月19日頃

「菜虫化蝶」—これは、厳しい冬を耐え抜いたさなぎが羽化し、美しい蝶へと生まれ変わる瞬間。3月15日から19日頃にかけて、春の柔らかな光を浴びながら、蝶々たちは新しい生を謳歌します。

中国の荘子が蝶になった夢を見たという故事(胡蝶の夢)からとって、昔の人々は蝶を「夢見鳥」「夢虫」とも呼んでいました。確かに、蝶々の舞う姿は、儚なく美しく、私たちに夢と現実の境界を問いかけるようです。
そんな蝶々の幼虫である「菜虫」は、かつては畑を荒らす害虫として忌み嫌われていた事も。しかし、厳しい冬の時期を乗り越え美しく羽ばたく蝶の姿は、困難を乗り越えた後の成長と変化を象徴しているようで、自然界の奇跡のように思えます。

また 2024年は、3月17日が彼岸入りでもあります。 春のお彼岸では、ご先祖様に「ぼた餅」をお供えします。同じものであっても、春に咲く牡丹にちなみ 春はぼた餅、秋は萩にちなみおはぎと呼びます。
「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通り、この頃からようやく冬の寒さもやわらぎ、過ごしやすい時季がやってきます。お彼岸は、故人に思いを馳せるだけでなく、季節の移り変わりを教てくれるものとして根付いているんですね。

この季節がもたらす変化を前にして、私たちも自身の内面を見つめ直し、様々な変化を受け入れ、新しい季節に向けて羽ばたき始めましょう!

七十二候ってなに?
日本には一年を24に分けた二十四節気(にじゅうしせっき)と、さらにその二十四節気を3つずつ合計72に分けた七十二候(しちじゅうにこう)という季節があります。
七十二候は鳥や虫、植物、天候などの様子で季節を表現しており、細やかな自然の移ろいを感じることができます。 骨董・アンティークバイヤーとして活躍する傍ら「古き良きものの美しさや、ものを大切に使うことの楽しみ」もご紹介中。 ここでは ゆとりある心づくりのヒントとして、季節の話題を記しています。

What is 72 micro seasons?
In Japan, nature's rhythmic seasons are deeply cherished, inspiring a fascination with the mesmerizing 72 micro seasons. Unlike traditional divisions of four or six seasons, these micro seasons paint a vivid picture of nature's transitions with astonishing precision. Imagine the thrill of witnessing the delicate blooming of specific flowers, the graceful arrival of migratory birds, the tantalizing ripening of certain fruits, or even the intriguing behaviors of animals. This admiration cultivates heightened awareness of the surrounding world, immersing individuals in the mesmerizing beauty and rhythmic harmony of nature's ever-changing tapestry.


written by Yuuki Usami-Nakamoto © antique blue Parrot Co.,Ltd.


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