探偵と変質者
探偵A:「おい、ありゃなんだ?」顎でしゃくった先には自転車に乗った男がいた。
探偵B:「あれ?確か、この前の張り込みでも見かけたような…」眉間に皺を寄せた。
男はゆっくりと自転車を漕ぎながら、こちらをチラチラと見ている。
探偵A:「まさか、対象者の仲間か?」小声で呟いた。
二人の探偵は対象者の浮気現場を押さえるため、数日間このアパート前で張り込みをしていた。
探偵B:「いや、違うと思う。この前の時も対象者は女性と一緒だったろ?男と一緒だったなんて話は聞いてない」
探偵A:「そうだな。でも、こんな時間にうろついてるなんて怪しいだろ」
男は自転車を降り、アパートの入り口付近で何かを探し始めた。
探偵B:「おい、見てみろ。変なことしてるぞ」デジカメを覗き込んだ。
探偵A:「何だありゃ?ゴミでも漁ってんのか?」
探偵B:「いや、違う。何か書いてるみたいだ」
男は壁に何かを書きつけると、再び自転車に跨りゆっくりと去っていった。
探偵A:「ちょっと見てくる」車から降り、壁に近づいた。
そこには、赤いスプレーで大きく「死」という文字が書かれていた。
探偵A:「おい!警察呼べ!これ、変質者の仕業だ!」と叫んだ。
探偵B:「え?変質者?でも、対象者とは関係ないんじゃ…」戸惑ったように言った。
探偵A:「バカ!こんなことされたら、対象者だって警戒するだろ!それにこんな奴がうろついてたら、俺たちが変質者と間違えられるじゃん!」
数分後、パトカーが到着した。
「あの、通報された方ですか?」
若い警察官が二人に近づいてきた。
探偵A:「はい、私たちです」
「えーっと、変質者が出たと…」警察官がメモを取りながら言った。
探偵A:「はい、赤いスプレーで壁に『死』って書かれたんです」
「え?『死』ですか?」警察官が怪訝そうな顔をした。
探偵A:「はい。ほら、あそこに」と壁を指差した。
しかし、そこには何も書かれていなかった。
「え?何も…」
探偵Aが絶句していると
探偵B:「あの、もしかして私たちが変質者と間違えられたんじゃないですかね?」苦笑しながら言った。
「え?どういうことですか?」警察官が尋ねた。
探偵A:「私たち探偵なんです。浮気調査でここに張り込んでたんですけど…」説明し始めた。
「なるほど。それで、変質者と間違えられたと」警察官は納得したように頷いた。
探偵A:「はい。私たち、知らない間に怪しい行動してたかもしれませんし…」
「いえいえ、お仕事ですから。でも、今回はご協力ありがとうございました。何かあれば、またご連絡ください」警察官は敬礼をして、パトカーに戻っていった。
探偵A:「はぁ、やれやれ」ため息をついた。
探偵B:「まあ、今回は仕方ない。でも、おかげで対象者自体に警戒心を与えずに済んで良かったじゃん」慰めるように言った。
探偵A:「そうだな。よし、もう一踏ん張りだ」気を取り直して、再び車に乗り込んだ。
二人は対象者の部屋の窓を見つめながら、次の作戦を練り始めた。
探偵A:「それにしても、あの男は何だったんだろうな」視線を外さず呟いた。
探偵B:「さあ、消えるスプレーってあんのかね?」
二人の視線の先には、再び自転車に乗った男の姿があった。
男はゆっくりと自転車を漕ぎながらこちらをチラチラと見ている。
探偵A:「まさか、まだ何かあるのか?」眉間に皺を寄せた。
探偵B:「さあ、次はどう出る?」不敵な笑みを浮かべた。
張り込みはまだ続く。
そして、謎の男の正体もまだ明かされない。
終わり
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