カップ麺と世界の終わり
西日が傾き始めた街角に一台の白い軽バンが打ち捨てられたかのように停まっていた。フロントガラス越しに見える車内は空のペットボトルや書類、工具などが散乱している。
この白い軽バンは4時間ほど前からこの場所に停まったままだ。周囲を歩く人々は時折この車に視線を向けるがすぐに興味を失い足早に通り過ぎていく。まるで街の風景の一部と化しているようだった。
しかし、この白い軽バンはただそこに停まっているだけではない。車内では探偵Aがハンドルに突っ伏したまま目を閉じている。彼の顔には疲れと焦