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ヴィラ=ロボス:「花の組曲」より つり床の中の牧歌

♪お気に入りのピアノ小品を紹介しています。
演奏も自分で弾いて録音しています。あわせてお楽しみください!

 8月のうちに仕上げるつもりでいた曲なのですが、まさかの11月公開です。日々寒さを増してゆく今日このごろですが・・・夏の瑞々しいきらめきを、ぎゅっと閉じ込めた果実のようなこの作品を、ぜひ味わってみてください。

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 お花が好きなので、花をテーマにした曲を探しているときに偶然見つけました。ブラジル出身の作曲家の曲は、初めてですけど…。型にはまらない自由さ、いきいきとしたリズム、新鮮な響き。どうして今まで知らなかったんだろう?この曲、とっても面白いです。

 ブラジル・リオデジャネイロ生まれの作曲家、エイトル・ヴィラ=ロボス(1887-1959)による「花の組曲」の1曲目です。組曲は3年がかりで作曲されているのですが、今回弾いた「ハンモックの牧歌」は1917年、30歳のときに作られました。

 クラリネットやチェロを仲間とともに演奏して楽しんでいた彼の父や、J.S.バッハが好きな叔母の影響を受けて育ったヴィラ=ロボスは、母の反対に遭いながらも大好きな音楽活動に邁進していったそうです。近所の人からギターを教わって仲間たちとアンサンブルをしたり、カフェでチェロを弾くバイトをしたり、独学で作曲を勉強したり…。そうした彼の経験にもとづいて生まれた音楽は、とっても斬新な作風で、初めはなかなか世間に受け入れらなかったようです。

 しかし、ちょうどこの曲が作られた1917年あたりから転機が訪れます。フランス大使の秘書としてやってきた作曲家、ダリウス・ミヨーとの出会いがあり、ドビュッシー以降のフランス音楽や新しいヨーロッパ音楽界の動向を知ることになりました。また、翌1918年には、国際的に活躍していたポーランド人ピアニスト、アルトゥール・ルービンシュタインに見いだされて、彼の音楽は世界に広まっていきました。


 ピアノに限らずいろいろな楽器の組み合わせの曲を書いていて、他の作品も気になるのですが、知識がなさすぎて全然追いつかない…!これからゆっくり時間をかけて、いろいろ聴いていきたいなと思う作曲家です。

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