まいたけ

ひとみしりだけど人が好き。歩くの大好き。短歌や、写真や、日常や、思い出したことなど。

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マガジン

  • たんか

    忘れないように、忘れてもいいように

  • さんぽの写真館

    さんぽの時に撮った写真など

  • ジョーシとわたし

    はたらいていたころのジョーシとの思い出。 ときどきパートのマダムたち。

  • いろんな窓

    夜さんぽ中に出会ったいろんな窓のイラストです。

最近の記事

短歌(起床というからには床が起きるべきだ)

ゆううつな起床時間に床が起き僕のかわりに会社へ行った 鏡見てワックスつけて艶めいていってきますと玄関を出る 会社には着いただろうかあの廊下どうやって通り抜けたのだろうか 天井と向かい合ってる 天井は目も口もなく背中で語る 天井はでっかい背中、ぼくは床 アイコンタクトの壁打ち続く 寝ていれば背中がかゆい 人だから背中があって背中をかいた 本当は愉快なやつも床として横たわるときだれしも静か ただいまと帰宅時間にドアが開き自宅が帰ってきたよ おかえり 垂直に過ごす世

    • 短歌(スワンと春)

      二人乗りスワンボートを全力で漕ぐ者だけに訪れぬ春 二人乗りスワンボートを全力で漕ぐ者だけに訪れる春 ********************************* 大学生の頃。友達数人で集まってスワンボートに乗りに行った。思いのほか楽しかったので、季節を変え場所を変えてその後も何度かスワンに乗った。そして気づいたら私以外はほとんどカップルになっていた。全力でペダルを漕いでいたのは私だけだったようだ。 桜の季節、落ち葉の季節、木の幹だけが輝く季節、もう一度桜の季節。

      • 妹に似たまま生きてきたんだと知るパスポート写真の青さ

        私はまあまあな大人だけど、今年、生まれて初めて海外に行くことが決まり、パスポート用の証明写真を撮りに行った。 「輪郭がしっかり見えるように、メガネを外して、顔にかかっている髪の毛を耳にかけてください」 私は視力が0.1しかないので基本的にはずっとメガネをかけている。さらに、私はなかなかの人見知りであり、黒縁メガネと両サイドの髪の毛の陰に常に隠れることで人と関わる緊張を紛らわしている節がある。だからメガネも髪の毛も、顔を守るものが何もない状態の自分になるのはそれなりに気が引

        • 短歌

          スマホのカメラロールを繰りながら走馬灯の予告編をみてる むすんでひらいて帝王撃ってむすんでまたひらいてその手を上に この空が見えているのは僕だけとひとりぼっちの王様わらう

        短歌(起床というからには床が起きるべきだ)

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        記事

          短歌(パリピの祖母)

          メモリアルホールで知った 我々がパリピの祖母の孫だったとは 天国で待っててくれよまあ俺は地獄に行くかもしれないけれど きっとうちら祖母と孫とじゃなかったら一生出会わなかったね!運命。 星影のワルツを踊れ 死ぬほどに好きだったのはどちらだろうか 永遠に閉じた瞳の真上飛ぶマグヌスコップを見守っててね 白すぎる祭壇が来てばあちゃんがいない分より狭いリビング

          短歌(パリピの祖母)

          11/4の日記(正直者のブックカバー)

          ひねくれ者の自覚がある私は、書店に平積みされている本に目を引かれた。 一風変わったブックカバーがかかっていて、大きな字でこう書かれていたのだ。 「性格が悪いあなたへ!この本をひっくり返してみてください」 ちょっぴりひねくれ者だからつい立ち止まってしまったけど、そのままひっくり返したりはしないよ。だってちょっぴりひねくれ者だからね。 このブックカバーを作った人は、そしてこのブックカバーを読んで「私のことだ!」とひっくり返す人は、きっと素直な人なのだろう。

          11/4の日記(正直者のブックカバー)

          9/23の日記(夢とおもちゃ箱)

          はちゃめちゃな夢しか見ないので夢診断を諦めている。 自分が見る夢について考えるとき、いつも幼いころの「おもちゃ箱」を思い出す。大きい白いかごが一つだけ用意されていて、どんなおもちゃもそこにしまっていた。 ゴムボール、お人形、積み木、ボタンを押すと曲が流れるマイクのおもちゃ、プラスチックのタンバリン。 最近できた新しい家、コンビニで買ったシュークリーム、書類の束、冷蔵庫の上のドアのへこみ、やたら青い歯医者の看板、まぶしい、眠たい、なんか納得いかない、ラッキー、信じられない

          9/23の日記(夢とおもちゃ箱)

          9/19の日記(青いバナナ)

          今日職場の人から聞いた話。 ある人が庭でバナナの樹を育て始めた。 でも去年の冬は寒すぎて実が熟さなかったので、硬いままのバナナをたくあんにしたそうだ。 興味本位でバナナを育ててみたけど上手くいかなかった、というくらいならありそうな話だ。でも、バナナをたくあんに・・・というのは全く予想できなかった。漬ければちゃんと漬物になるんだ。一体どんな味なのか。熟してないバナナということはきっと元は緑なんだろう。それがどれくらいの黄色っぽい仕上がりになるのか。そもそも、漬けられてシワシ

          9/19の日記(青いバナナ)

          9/12の日記

          「しまむらで1週間コーディネート」(※ただし上手くコーデに取り入れられなかった服は順次腐っていく)みたいな自炊生活を送っています。 ちょっと前にほどほどのやる気で始めた自炊にも慣れてきて、「今日買った豚肉には・・・昨日半分だけ使ったナスを組み合わせれば良い感じかな」「いつもと同じカレーだけど、たまには気分を変えてチーズをのっけちゃおうか」なんて考えるとき、世の中のおしゃれな人も、もしかしたらこういう楽しさを感じてるのかもと思ったりする。毎日工夫してナイスな組み合わせを見つけ

          9/10の日記

          車の運転が好きだという人に理由を聞いたら「目的地に早くついて嬉しいから」と返ってきた。歩きや自転車だと何時間もかかるような場所にすぐ到着して、その分の時間で遊んだり観光したりできるのが良いらしい。電車もいいけど駅まで行って改札を通って乗り込んで乗り換えて…というのが面倒なんだって。 でも早く着きたいから何時間でも運転できると言うのは少し不思議な気がする。

          短歌(反省してます?)

          どう見ても流されてるよあんたらは「流れるプール」と言い張るけれど ああいやだ身体が勝手にだらけちゃう私は何もしていないのに ねえ見てて、零時過ぎるとこの紙がやらなかったことリストになるよ! 起こりうる今日を数えて消えた今日 スノードームの空の静けさ 人間は等速直線運動を続けてたまに寿命を過ぎる

          短歌(反省してます?)

          短歌(毎日)

          眠ってる人には聞こえないように朝を知らせるやさしいチャイム 月の場所教えてくれた人として今日から通る第二公園 アパートの屋根に沈んでいく月と明日もイオンの屋上で会う

          短歌(毎日)

          短歌(ゆうれいと散歩)

          幽霊になり出歩けばコンビニの前にいちゃつくカップルの霊 幽霊かそうじゃないかは結局は触ってみなきゃわかりませんが 触れない以上は確かめようもなく霊かもしれない同士で会釈 浮世絵の僕に似ているゆうれいの手に握られたスマホの光 *** 夜の散歩が好きです。 未来の同じ場所を歩いている自分の影が、昔の人には幽霊に見えていたのかもしれません。

          短歌(ゆうれいと散歩)

          短歌(妹)

          妹よ作文好きな姉だけど卒論指導までは無理だよ 段ボール積み重なってクマちゃんらだけが並べられている新居 アマチュアの寂しがり屋だ天井の白さに何も覚えないのは 長女ってよく言われると末っ子は最後の一個食べながら言う

          短歌(妹)

          短歌(うまくいかない その2)

          人間をやめたいひとが人間でなりたい人は人間じゃない 君の歯を形見にしたいと思うほど愛せているか自信がないや さよならの文字をめがけて落ちてくれなんて思っちゃだめだ、涙

          短歌(うまくいかない その2)

          短歌(にんぎょひめ)

          人間に恋焦がれてたというよりは人魚王子が好きじゃなくって 脚をやる代わりに声をいただくよ ヒトを惑わす人魚の声を 人魚姫→泡→海→雲→雨→土→ブドウ→ワイン→グラス→体内(王子の)

          短歌(にんぎょひめ)