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心の中に芽生えたもの


今回の入院で1番イヤだったことは理解してもらえなかったこと。

 私は腕と足を骨折して入院。足は保存療法だったが腕は手術が必要だった。手術も話を聞く限り難しくなさそうだったので全然怖くなかった。麻酔が切れた後の吐き気が嫌だなぁと思ってた位だ。

 手術が終わって目覚めた時「握ってみて」と先生に言われたが、術後の痛みに加えて腕から手まで酷く痺れていて出来なかった。何しろ初めてのことでそういうものなのか!?と思ったが看護師さんの「まだ痺れてるの?」の一言で「ん?」となる。

 痺れている上に動かない腕と手。その後、複数の先生方による診断の結果は「手術時の体勢のせいで神経が5本とも麻痺してしまった」ということだった。そして神経が治るのには数週間から数ヶ月かかりはっきり判らないと。特効薬はなくB12の投与のみ。わぉ!

 そこからのリハビリ生活。きつかったけど早く治したいという思いがあったので、理学療法士さんと二人三脚で頑張った。彼には本当に感謝してる。痛みで叫ぶことも多かったけど(笑) なぜなら痛くないところまでだけだと現状維持でそれ以上の回復は望めないから。

 そして少しずつ手が動くように。指先しか動かなかったのに「グー・パーと何でやねん」が出来るように!とても嬉しかったけど、ここからがモヤモヤの始まりとなった。

 まぁ人間、フツーに考えたら指が動いたら腕も動くと思っちゃうよね。そう、私の腕は動かないのに動くと勘違いする看護師さんや看護補助の人が出始めた。三角巾をすると手の痺れが酷くなるのでベッドの上では外してたのも拍車はかけたのだろうが。(もちろん担当医の許可済み)

例えば弾性ソックスは自分では履けないとか、お手拭きの袋は自分で開けられないとか等、その度に説明してたけど、段々うんざりな気持ちに。特に看護師さんなんて申し送り見てるよね!って思った。説明してもホントに?的な雰囲気が漂うのにもイヤになって師長さんに報告。「それはダメだわ。周知します。」とおっしゃって頂いたけど、、同じような事は時々あってヤダなぁと思ってた。

唯一、しっかり判ってくれてたのはリハビリの理学療法士さんだ。何しろ毎日みてるわけだし。しかし、途中で理学療法士さんが変わった時、現在はみてるけど過程はみてない感じがして、あまり理解して貰えてないなぁと思った。
 そんな中、4日程のリハビリ最終日に理学療法士さんが「えりこさんの記録を最初から見ました。大変だったんですね。」と一言。

 その時、私は「あぁ、やっと理解して貰えたんだ。」と何とも言えない嬉しさが込み上げてきた。過程を知った上で発せられた言葉に、共感して貰えたと言って良いのか、寄り添って貰えたと言って良いのか。

そして「理解して貰えるのって、こんなに嬉しいことなんだ」とも思った。

この時から自分を理解して貰う以上に、他人の事ももっと理解出来る人になれるよう、日々過ごしていきたいという思いが心の中に芽生えた。(なかなか難しい課題だけどw)

追伸
そんな最終日でしたが、その後私の腕の状態をよく判ってない看護師さんに「今は動かなくても家に戻って必要に迫られたら動くから」と言われて驚いた。まだ重力の掛かった状態で、ほぼ動かない腕をあげる許可は出ていないし、理学療法士さんにも1人で勝手に重力のある状態で動かしてはいけないと言われてるのに。面倒だったので返事はせずスルーしましたw


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