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河原藍(Kawahara Ai)
2020年8月19日 12:35
夏目漱石の『道草』を読んだ。漱石の自伝的作品といわれている。私は、自伝または私小説とされていない作品に関しても、作家その人の見解や人柄は、創出されるすべての作品の随所に存在していると考えている。それをふまえて読んだ『道草』で特徴的だったのは、決して感情的、一方的ではなく、自他の内面の瑕疵を淡々と客観的に綴っているという点。(比較対象とするなら、太宰治や芥川龍之介、三島由紀夫などがきわめて主観的