D2C「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略についてデータサイエンティストが解説!
どーも、消費財メーカーでデータサイエンティストをやっているウマたん(https://twitter.com/statistics1012)です。
個人活動として、スタビジというサイトやYoutubeチャンネルでデータサイエンスについての発信をしています。
消費財メーカーにいる立場としてD2Cの動向は非常に気になります。
そんなD2Cに関して詳しく解説した書籍「D2C「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略」を読んだので、データサイエンティスト的観点を加えながら解説していきます。
海外の事例を中心にD2Cのトレンドやこれからの未来について語られている非常に面白い本でした。
なかなか変革の進まないオールドエコノミーの一角である小売・メーカーをテクノロジーでどのように変えていくのか、その真髄がこの書籍には詰まっています。
メーカー・小売りはモノづくりのイメージが非常に強いですが、このようなD2C業態の躍進の裏にはデータサイエンティストの存在があるんです。
D2C「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略について3つのパートに分けて解説していきます。
1.旧来型メーカー・小売りとD2Cの違い
2.D2Cにおけるブランディング
3.D2Cにおけるデータサイエンス
Youtubeでも解説しています。
1.旧来型メーカー・小売りとD2Cの違い
まずは、D2Cの変遷と今後について!
D2CとはDirect to Consumerの略であり直接消費者に商品を届ける業態のこと。
従来のメーカーは卸や小売店を通して間接的にエンドユーザーに商品を届けていました。
しかし、そのような形態はもう古い!
今では、直接顧客に商品を届ける形態が一般的になりつつあります。
この書籍の話をざっくりまとめると、
旧来型のメーカー・小売りの在り方は現在は通用しなくなってきているよ
D2Cの業態にあっという間に飲み込まれるよ
ということ。
従来のメーカーとD2Cでは、
顧客との関係、ものづくりのプロセス、ブランディング、プロダクトの売り方が根本的に違うんです。
従来のメーカーとD2Cのこれらの違いにおいて、この書籍では2つのテーマが大きなトピックになっています。
それは、「ブランディング」と「テクノロジー」
旧来型のメーカー・小売りは間違ったブランディングと付け焼刃のテクノロジーで大きく出遅れているのです。
続いてはそれらのブランディングとテクノロジーの2つの側面からD2Cを見ていきましょう!
2.D2Cにおけるブランディング
ブランディングは簡潔に言うと、
どんな価値をどのように消費者に届けどれくらい消費者の頭の中に伝えたい価値・意味を蓄積することができるか。
旧来のメーカー・小売りは、マスターゲットに対して広い範囲でプロダクト単位の訴求をおこなっていました。
まだ現在のようにSNSやインターネットが発達していない時代では、プロダクト起点でのマス広告もおおいにブランディングに有用でした。
しかし今では様々な環境の変化によりブランディングの在り方が大きく変わってきています。
まず、プロダクトの考え方
D2Cブランドはプロダクトではなくライフスタイルを売っているのです。
この本で取り上げられているキャスパーというマットレスのD2Cはマットレスだけを売っているわけではありません。
彼らはマットレスそのものではなく、消費者に上質な睡眠を届けているのです。
だからこそ睡眠の質を向上させる雑誌や、昼寝専用スペースなども展開しています。
そしてそのような顧客に届けるライフスタイルから醸成された世界観が強いブランディングの基となっています。
また消費者に対する価値の伝え方も大きく変わってきています。
SNSの発展により個々人の発信力が高まってきたことにより、D2Cの価値を伝えてくれるアンバサダー的な消費者を作っていくかが大事と言います。
このムーブメントを起こすためには、徹底した世界観の作り込み・思わず語りたくなるストーリー設計が大事だと言います。
また、ブランドは顧客を作って売るというタテの関係で捉えるのではなく、顧客をヨコの関係で捉えることが大事なのです。
顧客は今や製品についてPRし、その商品のよさをコミュニケーションしていくマーケターであり、そのフィードバックをくれる製品開発者なのです。
3.D2Cにおけるデータサイエンス
さて、最後にD2Cにおけるデータサイエンスについて見ていきましょう!
ここまでの議論ではデータサイエンスとD2Cの関わりが見えずらかったのですが、実は大きく関わっているんですよ!
著者の佐々木さんは言います。
DtoCブランドと伝統ブランドの差異を如実に表しているのがデータサイエンティストの存在だろうと。
既存業界を震撼させているD2Cブランドは多くのデータサイエンティストを抱え、データの力で様々な価値を生みだしています。
一定以上成長したD2Cスタートアップにはデータサイエンティストが数十人はいます。社員の10~20%にあたる規模です。
一方で旧来型のメーカーにはデータサイエンティストがほとんどおらず、データドリブンとは言い難い状況になっています。
D2Cブランドであれば消費者に対して直接商品を届けそのフィードバックを得ることができるので、高度なパーソナライゼーションが可能になります。
消費者の情報をデータとして蓄積し、それを基にパーソナライズしたライフスタイルを提供することが可能になるのです。
もちろん消費者の行動から最適なチャネルで最適なコミュニケーションを行うこともできるようになります。
届ける価値(What)をどのように届けるか(How)、どちらもデータサイエンスの力が欠かせないのです。
さらには、需要予測と店舗展開の最適化もデータサイエンスの力でおこなっています。
メガネのD2C「Warby Parker」は、検索流入が多い地域から順に独自の業績予測モデルに基づいて戦略的に店舗を展開しています。
様々なデータを基に、データサイエンティストが独自の業績予測モデルを作り、どこに店舗を作るべきなのか、そのテンポの1年目の売上はどれくらいなのかの数字を弾き出します。
店舗単位だけではなく、ブランドラインナップの商品予測もできるので、生産過多や不足に陥ることもありません。
このように消費者起点でのパーソナライズされたサービス・プロダクト、そしてそれを伝えるコミュニケーション、さらには需給の調整
これらを一気通貫で下支えしているのがデータサイエンスなのです。
旧来のメーカー・小売りでは、このようなアクションを取るに足るデータの蓄積や組織体制が出来ていません。
デジタル起点で顧客とつながることで、顧客の行動が分断されずに蓄積されているD2Cだからこそ成せることなんです。
ここまで、D2C「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略に見てきましたが、D2Cやデータサイエンス、そしてこれからのブランディングについて興味のある方は是非読んでみてください!
著者の佐々木さんは、D2Cブランドを人格になぞらえると高度なデータ分析を行うと同時に世界観を語るストーリーテラーだと言います。
D2Cは、
データサイエンスをエンジンに搭載しながら表面は完璧な世界観から形作られるブランディングでコーティングされた業態だということが理解できました!
データサイエンス×ブランディングで世の中を変えていきましょう!
それでは、本日の覚えて帰って欲しいキーワード!!
・旧来のメーカー・小売りとD2Cの違いは、ブランディングとデータサイエンスにあり!
・徹底した世界観の作り込み・思わず語りたくなるストーリー設計が大事
・パーソナライズ、コミュニケーション、需給をデータサイエンスで予測・最適化!
以上、データサイエンティストのウマたん(https://twitter.com/statistics1012)でした!
スタビジというサイトやYoutubeチャンネルでデータサイエンスについての発信をしていますので、こちらもよろしくお願いします!
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