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小石を投げるように

ここ最近、自分の言葉で記すnoteの更新を怠っていた。
その理由には、いくつかあって

1.大きな扉の前にたどり着き、その扉に向かうクライアントさんが相次ぎ、ほとんどのエネルギーをそこに注いでいたこと

2.オブザベーショナルコーチングのリリースの準備に集中していたこと

3.コーチ職やコーチングが日本市場で一般的になるにつれ、認識の幅が広がっていることを感じ(寄せらせる質問の幅も増えました)、公開の場で何を話せばいいかわからなくなってしまったこと

4.3の状況下で”コーチさやか”をどう捉えればいいのか見えなくなったこと
(私はどの周辺の人? それとも生身で話していいのか?)

このあたり。

基本的には、2月から4月にかけて1.2への集中とエネルギー消費の大きさがありました。
キャリアも人生も積んだ40代、50代の方たちが、これまでの癖を手放し、大きく変容する様を伴奏させていただくという、コーチとしてかけがえのないアツい経験をさせていただいきました。それはとても(苦しくて)美しい時間の重なりでした。
1があったからこそ2を迎えられ、皆様との関わりのなかで不思議な大きな流れに乗せてもらった感覚があります。感謝。

一方で、3.4の個人的な感覚については、ORSC(組織コーチング)や、メンタルモデル、NVCなど、学びを進めれば進めるほど、概念の網目の複雑さ、その広がりと深さに身動きの取り方がわからなくなった感じがありました。
「コーチング」という言葉が様々な人に伝える意味が、対話を促進するソリューションやツールなのか、深く無意識までリーチする対話によるパワフルな自己変容の機会なのか。
私は、どこから何を説明すればいいのか、説明できるのか、以前よりもそういったことがわからなくなっていきました。

というわけで、しばらく「言語化×公開」から離れていましたが、自分のなかでエネルギーの流れが落ち着き、整理が終わりつつある今、改めて気軽に書いていけたらな、と思っています。
あるいは、気軽に書けるマインドを改めて取り戻したのだと思います。
責任放棄したいわけではないけれど、3、4の答えは出ていません。浮かんだ3、4の問いに答えるには時間がかかりそうだし、今は自分が横断的な学びの混沌の中にいることと、マーケットも市場形成の時期なので難しい割に暫定的に出す答えにはきっと価値がない。
何か言わなきゃ、からは少し離れようかな、という感覚でいます。

こんなことを考えている間に、あるクライアントさんの言葉からも似たことを聞きました。
コーチをしていて、クライアントさんとの間に起こる「共時性」に驚きます。毎週のようにこれが起こるんだもの。すごいよね。

そして、心にとまったことも、これからはとりとめなく、記していけたら、と思ってます。

この感覚と関連する事で、先日、BTSの2018-2019年のワールドツアー「LOVE YOURSELF」ドキュメンタリー『BREAK THE SILENCE』を見ていたなかで、心にとまったものがありました。

メッセージと言うと岩を動かすような感じですが、SNSやインタビューは壁に小さな石を投げるようなものです」(ツアータイトルLOVE YOURSELFの意味について問われたRMの返答/BTS)
この言葉は、以前あるセミナーで養老孟司先生が教えてくださったことと同じでした。
私が、「どういう気持ちで文章を書いているのか」と質問したら、
養老先生は、少し怪訝な顔をされながら、手で石を放り投げるようなジェスチャーをして、
「石を投げるように書いてる。こう、ね。」と答えてくださった。

こんなにビッグな人たちが石を投げてる感じなんだもん。
私も遠慮なく、小石を投げていこう、砂つぶを積んでいこう、そういう気持ちになりました。

「得た分だけ失うし 失った分だけ得ます」SUGA/BTS
2020年からいろんな変化が私にもありました。
得たと感じる頃には、もう失ってるし、失ったと思っていても何かを得たことはあとで教えられる。
二項対立の間にあるものは鏡、そう感じました。

「世の中にはいろんな人がいます。文化も言語も何もかも違いますが、同じことで楽しめるんだと知りました。幸せな時間には、何の違いもないと思いましたね。僕は今回のツアーを通して幸せを感じることは誰もが同じだと知りました。僕も幸せです。ステージを楽しめるし、ゲームという趣味もあるので...  一緒に釣りに行きませんか?」
 JIN/BTS

(締めに向かって、なんてセンスのいい発言だろう... )

私なりに様々訪れた国々で、いろんな人に出会い、強烈に感じたのは、どこでも口にされる話題は同じ、ということ。
「ビジネス、人間関係、パートナーシップ、安全、家族、お金、健康、幸せ」人は地球上どこでも同じ話をしている。
世界中の縁がある人たちにコーチングを提供したいと私が願うのも、こういった感覚からきています。
コロナという共通の課題に、こんなにUniteが難しいものか、知らされる現実。少し前の映画だったら、人類はあらゆる分断を超えて一つになる展開になったんじゃ・・・と無責任に考えたり。そしてコロナの隣で表出し続ける歴史の上に重なる大きな分断の痛み。
同じであることを受け入れ、違いを尊重しあえる力とは何か(たぶん愛)。

いつになったら向かえるのか、平和。
私はコミュニケーションで尽力する。

〜最後に
BTSのブラジル公演が長く取り上げられていたこと、ブラジルの人々の情熱や暖かさを感じられる展開でとても嬉しかったです。サウダージ、ブラジル。行きたいよ。



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