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ある気づき。②

 【ノンセクシャル】
 他者に対して恋愛感情を抱くが性的惹かれを感じない。ロマンティックアセクシャルとも呼ばれる。
 ちなみにアセクシャルは恋愛感情も抱かない。異性愛同性愛両性愛に並ぶ無性愛(非性愛)と呼ばれ全人口の0.8%ほどの比率で存在する。

 衝撃だった。関連書籍を読み漁り、調べれば調べるほどこれは自分のことだと理解できた。性行為に興味を持てないという自分の中の不明瞭だった部分に光があてられるようだった。
 ただ理解は感動を呼んだが次に反省と懺悔も運んできたのだ。

 昔から「男らしい」という言葉がずっと理解できずにいた。
 例えばグループの中の誰かに好意を持ち個別に会うようになり、友人から恋愛というものに意識が変わってくれば、当然会う頻度が増える。そして相手の期待や不安を感じるようになる。
 なかなかその先に進もうとしないのはセックスに興味のない私のセオリーであって、相手からしたら「男らしくない」ということになるんだろう。
 なまじ普通に恋愛を始められるだけに業が深い。そのおかげでたくさんではないが相手を困惑させたり怒らせてしまった。

 トラウマがあって性嫌悪から「性行為に興味がない」こともあるだろう。しかし私は違った。先天的なものだった。 
 学生の頃に告白されて初めて彼女ができた。とても大人しい子で一緒に帰ったり電話で長々と話したりと最初はかわいらしいものだった。
そしてそのうち手をつないだりキスしたり。
 しかしその先は若さからくる好奇心もあったのに なかなか踏み込めずにいた。そしてとうとう覚悟をきめたものの上手くいかず。しかし私は落胆するよりも安心したのだ。
 誰かに聞かれても「こないだ上手くいかなくってさ」でごまかせた。
 結局というか当然卒業後には別れた。どれだけ彼女は不安だったろう。今こうして思い出して書き留めているだけでいたたまれなくなってくる。
 
 しかし私の性的ではない恋愛感情は嘘なんだろうか?
 ノンセクシャルが感じる恋愛感情は幻なんだろうか?
 いや、ちゃんとと言うのもおかしいがどの女性に対してもしっかりと好意はあった。
 性的な恋愛感情が本物でないならば第二次性徴期前の恋愛感情は嘘だということになる。
 淡くても初恋はちゃんとした恋愛感情だと思うのだ。

 私は私の感情はいびつかもしれないが本物だとそう信じたい。

 

 


 
 



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