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ダンス

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326.赤い服の女

326.赤い服の女

2024.8.6 tue 19:58

「私、赤い服が着たい。」

昨年の冬から紫の服を探し続けていた。夏になっても、紫のトップスを探していた。
でも、赤い花に目が行くようになって、ワインレッドの服を来たい、今すぐ着たいとどうしようもない気持ちになるのは、今の私がありのままの姿で居られないからだと思う。もう少し強く激しい鎧を被りたくなる。

素敵なダンス公演を観た時や、良い映画を観た後みたいに、頭

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312.出会う前には戻れない

312.出会う前には戻れない

2024.1.27 sat 
10:47

先日、ずっと私がお世話になっているダンスカンパニーのダンサーの方のワークショップを受ける。
その方のワークショップは初めて受けた。

声を聞いた瞬間に崩れ落ちるような感覚がする。
彼女の話す内容、言葉選び。その厳しいメッセージはすごく親切に感じられるものだった。同じ言葉を私は同じ説得力で話すことはできない。厳しく在り続けた人だけが成せることだと思う。

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307.神戸へ

307.神戸へ

2023.11.20 Mon 12:07

昨日は神戸まで、踊りのパフォーマンスを観に行った。
大学の頃にも好きなダンサーを観に長野まで行ったことがあった。その時も10月の終わりで、過食をしていた時のことだった。上演実習に向けた制作の途中だったが、私は授業を何日も休んで、踊りもせずにいた。
その頃は行く途中の新幹線や、列車を出た時の冷たい空気や雪に動かさられるものがあったけれど、仕事を通して長距離

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303.ストリップができて幸せ

303.ストリップができて幸せ

2023.9.16 0:42
Ifの後半が納得いかなくて、モヤモヤした気持ちで自転車に乗る。
オープン曲で使っている藤井風の「燃えよ」を流しながら湯船に浸かってしばらくすると、だんだん楽しくなって踊り狂いたい私が妄想の中で躍り狂った。
ステージ上で裸になっても踊れて、それを見に来てくれる人がいて、生の声を聞けて、なんて幸せなんだろうと思って踊った。今日はいつもよりちゃんとお客さんを見て踊れた。

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248.寂しさから逃げるために

2022.7.20 21:27

昨日着たバイト着を急いで洗濯機に入れる
寂しさを感じないように
お店の名前の入ったポーチを見ないようにする
思い出さないように
急いで移動する
大音量で音楽を流す
激しく踊る妄想をする
現実に起きた寂しさを感じないように

242. 1日目の過食のあと

2022.7.6 wed 17:33

糸が切れたあとの初日の過食の後は、酔って浮かれたような気分になる 寂しさとか恋しさとかそんなものどうでも良くなって、男前な私になる 胃もたれはあるけど体力と気力があって、次の日は儚い踊りというよりは、見られていると言うことをありありと見せた力強い気分になる 踊りもそうなっていると思う 寂しさを埋めるためのもの 私は私のやり方でやる というよりは、どうやったら

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240.雨の音

2022.7.1 Fri 17:09

オフの後

雨の音を聞いて、ようやく自分の内面が見えて来る。雨の音を聞いて、いつまでも横になっていたいと思う。舞台上で

231.自分にとっての結婚、ステータス

2022.6.20 Mon 15:22

「結婚したばかりということもあるだろう。女としての自信が肌にも仕草にも滴るほどに滲み出ていた。」と小説の中にあった。
自分にとって結婚はどうなのかと考えてみた。私にとって結婚は、女としての自信に繋がるのだろうか。

好きな人に結婚しようと言われるところを想像してみた。その想像だけで、それまで次々に思い出される恨みが晴れて、穏やかになった。次の回の公演は多幸

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230.踊りながら思い出す人

2022.6.19 sun 23:52

今出している演目の「転生」というタイトルをつけた演目は、自分が勅使川原さんやKARASの先生たちに習ってきたダンスが沢山埋められている。

2曲目の途中の、盛り上がりを見せるところで盆の上に走って行き、時間が止まったように、宙に浮いているように動くシーンがあるけれど、そこでよく思い出す人がいて、それは利穂子さんなのだ。
勅使川原さんに、踊りながら声を上げて

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227.染まる

2022.6.17 thu 15:28

2年前に一緒に関わっていた舞台の友達とラインして、その頃の私はもういないよと言いたいような、身を隠したいような気持ちになった。

ふと、表舞台で精力的に活動をする友達を思い出す。容姿が整っていて、自由で素直なことが羨ましいと思ってしまうような友達。彼女は気分の変化を隠さない。むしろそれを伝えようとする。
彼女もあった頃から1年くらいは毎日アイラインをびっし

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223. バイトのラスト

2022.6.11 sat 23:41

アルバイトをやめようと思っていた。やめるべきだと今も思う。そう思っていたけれど、いやそうしようとしていたからこそ、私はとある社員さんとお話ししたいと思っていた。9日の、大阪に来る前のラストの出勤の日に彼と話して、辞めようと決めていた心があっけなく取り払われた。彼ではなく、彼によって。

彼はあっさりしていて人に深入りしない。恐らくどんな人に対しても。少なく

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218.お姐さん

2022.6.5 sun 2:35

5結の渋谷で、私は、お姐さんと仲良くなった。相手も私に興味を持ってくれてたようで、お互いの話をし合った。お互い、質問されるのは苦手だと共感しあったその後も自分の話をたくさんしてくれた。うまく言葉にはできないけど、最終日の挨拶の時、私は泣きそうになったのは覚えている。

次会った時はまた、お互いに、最初に会った時みたいに緊張して距離が開いてしまっているかもしれな

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215.妄想

2022.5.27 Fri 16:29

頭のなかで妄想だと割り切りながら
妄想の力が強いことを知っている私は
妄想に耽る時間を作る

213.フリ

2022.5.23 Mon 21:23
取り繕うのはあり
達観してるフリ、何もわかってないようなフリ、悩んでるフリ、丁寧なフリ