312.出会う前には戻れない
2024.1.27 sat
10:47
先日、ずっと私がお世話になっているダンスカンパニーのダンサーの方のワークショップを受ける。
その方のワークショップは初めて受けた。
声を聞いた瞬間に崩れ落ちるような感覚がする。
彼女の話す内容、言葉選び。その厳しいメッセージはすごく親切に感じられるものだった。同じ言葉を私は同じ説得力で話すことはできない。厳しく在り続けた人だけが成せることだと思う。
自分がかつて心を震わせた時の事を、今の自分の環境に染まって、その鋭い感覚を忘れかけていた気がして、自分の生き方や考え方を恥じた。かと言って、元々そんなに自分に厳しく在る事ができる人間ではないのだけれど。
培った経験は無かったことにできないし、それをないものとして生きる事は自分に嘘をついているような気がする。それは病気でも、仕事でも、人との出会いでも。
過食という経験を経た後に、その前の自分に戻ることはできない。そして戻ろうとしてはいけないと思う。
自分が出会った「この」ダンス。自分はこれをやりたいと強く感じた意志。そのカンパニーを離れた後も、出会う前のダンスに戻ることはできない。
自分が震わされた世界。それ経験がその後社会的に認められなかったとしても、その感覚はは味としてその人に残り、滲み出ていくのではないかと思う。
その後全く違う世界に行ったとしても、その経験を味として自分が味わえられればいいなと思う。
何らかの事情で自分が生きてきた世界を離れなければならなかったとしても、その人にそこで培った味は残り続けると思う。例え多くの人に理解されないように感じていても。だから、何度も自分が培った味を、自分自身で思い出して、自分自身を震わせたい。
よろしければ、サポートをしていただけるとうれしいです!サポート費用は今後の創作活動に使わせていただきます。たくさんの人に届きますように。