一般企業から高校教師への転職2
第2回 配属先の生徒たち
配属先は、電車を乗り継いで1時間半ほどの場所にある。
普通に生活をしていれば、行くことはない地域だ。
日頃、あまり意識はしていなかったが、地域によって、大きな特色があることにあとで気づく。
カテゴリーとしては「進路多様校」というらしい。
進路多様校とは、高校卒業後進学する生徒もいれば、就職する生徒もいる高校のことである。
簡単に言ってしまえば、勉強のできない生徒さんが集まる学校である。
家庭も学習には興味がほとんどないので、近場の高校へ行って、就職、もしくは専門学校でも行きないという感じだ。
女子は凄く短いスカートで派手なネイルと化粧をしている。
男子は、ちょんまげでまわり刈り上げ(マンバンというらしい…)やまわり刈り上げで頭頂部パーマ。
共通しているのは、たくさんのピアス。
鼻ピ、口ピアス、へそピもいる。
電車で見かけたら、隣には座りたくない感じの風貌だ。
親がヤンキー全盛世代で、地元の学校に通い続けていれば、彼らの価値観はそのようなものなのだろう。
優秀ではないとはいえ、大学進学をするのが普通だと教え込まれ、素朴に大学受験をして進学をする人生を歩んできた自分からすれば、驚きの世界だ。
そして、そんな先生方はそんな生徒たちに愛情を注いでいる。
とはいえ、生徒はちゃんとあいさつをしてくれる。
正直、怖いがあいさつを返す。
そんな彼らを相手に生活をしていくのである。
つづく
第1回 教師に転職する決意
第2回 配属先の生徒たち
第3回 同僚の先生たち
第4回部活
第5話立番
この話は、自分が見たり聞いたりした教員の仕事(働きかた)についてを基にしたフィクションです。
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