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ゲーム業界ではあまり知られてないツールが、クリエイター育成&チーム運営に大いに役立った話(後編)


前編では、「ストレングスファインダー(以下、SF)」というツールの概要や、当社の活用方法を紹介しました。今回は、ストレングス・コーチの永安隆史さんにアドバイスをいただきながら、当社のメンバーや、職種ごとにありがちな傾向を探っていきます。

ストレングスファインダー認定コーチとは?
Gallup社が指定するコースを受講し、SF受講者に対して適切なアドバイスができると同社が認める資格を持っている人のこと

今回は、会話形式でお届けしていきます。

読むと参考になる人
・チーム組織の運営を任されているマネージャー
・チームのために役に立ちたいと思っている、思っているが悩んでいるクリエイター

SFによるチームワークの構築は3ステップある

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清水:
今日はよろしくおねがいします。SFを使って当社をコーチングしてもらうとしたら、どんなことから始めればいいですか?

永安:
会社ではチームワークが大事です。全員がSFを受けていると、それが共通言語になりますよね。SFの知識を使ってコミュニケーションできるので、とても有用なツールになりえます。

清水:
はい。前編にも書いたのですが、とても実感しています。

永安:
SFを活用するには、3段階のステップを踏むといいんです。まずは、「1.自分の資質と向き合う」こと。自分の資質に興味を持ち、理解して受け入れ、うまく使いこなすようにします。

つぎは「2.他の人の資質に興味を持つ」。自分との違いを知り、Win-Winの関係になるように考えていきます。

最後に「3.資質を組み合わせてチームを構成する」。それぞれの資質を組み合わせて、道筋を決めていくことが3つ目のステップです。

今回はそれら3つの間を取る形で「チームごとの傾向」を見てみましょう。自分のこと、他の人のこと、チームのことが見えてきますよ。

清水:
よろしくおねがいします。

チームグリッドを用いて集団の資質の傾向を見る


清水:
具体的にどうやってチームにSFを活用するとよいのですか?

永安:
SFのチームグリッドという表を使って見ていくとわかりやすいですよ。


チームグリッドとは?
メンバーのSF強みTOP5の分布を作り、チームとしての強み弱みを視覚化した表のこと。

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清水:
なるほど。こうやって見ると組織として資質の偏りがわかりやすいですね。

永安:
社員全員の表を作っておいて、チームごとに並び替えたり絞り込んだりすると、「この資質が多い」といった傾向が見えてきます。チームごとに目立つ資質を把握し、それを活かすことを考えていきましょう。

また、SFは34の資質を大きく4つの資質群に分け、それぞれ「実行力」「影響力」「人間関係構築力」「戦略的思考力」としています。その偏り具合によっても、チームの傾向がわかります。

清水:
今から職種ごとに分析してもらえたらと思いますが、どの会社でも同じ傾向というわけではなく、会社特有のものとして受け止めようと思います。

プランナー編:「戦略的思考力」=考える仕事?


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永安:
プランナーは考える仕事なので、戦略的思考力の赤色が多く出ています。また、人間関係構築力も目立ちますね。

清水:
プランナーはルールを考えるクリエイティブな仕事と、データをつくっていく細かい仕事の2種類に分かれます。また、企画系の人が全体の統括としてディレクターを担うことが多いですね。

永安:
回復志向が1位にある人が多いですね。壊れたものを直したいという発想で、あるべき姿に対して下回っているものをどうにか直せないかと考えます。これは実行力の資質なので、着実に進めていく力があるといえます。

それから、最上志向も上位に多いですね。

清水:
この資質の人たちは、やりこみが強くゲームのランキングトップに入ることが多いです。

永安:
最上志向は、いろいろなものを最大化したい、よりものを作りたいと思う傾向があります。悪く言うと時間をかけてしまうともいえる。

上を目指していく最上志向と、下回っているものから確実に終わらせていく回復志向は、チームとして補完関係を作りやすいですね。

清水:
なるほど。補完し合うのはいいですね!

エンジニア編:「人間関係構築力」が強い

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永安:
エンジニアで絞り込んだ表を見ると、ここでも回復志向が多いですね。回復志向が強いエンジニアは、デバッグが得意なのではないですか。

清水:
デバッグが得意、という実感を感じることはありませんが、プランナーが気づいていない問題をエンジニア目線で指摘したり、先回って解決しておいてくれる人が多いですね。

永安:
ほかに気づくのは、「影響力」の資質群が少ないこと。「影響力」は、1対多のブロードキャスト的なコミュニケーションスタイルを表すことが多いから、少ないということは、エンジニアには求められていない資質と言えるかも。

一方で、「人間関係構築力」が多く、1対1くらいから、5~6人の小規模のチームで仕事をするのが向いていると思います。

清水:
1チームは3人くらいから、20人くらいになることもあります。

永安:
20人のチームになるときには、「影響力」の資質を持つ人が力を発揮するケースが多いのではないかと思います。

清水:
エンジニアを束ねるリードやディレクションの人は、影響力資質を持つ人ですね。

永安:
あと、戦略性を上位に持つ人も何名かいますね。これは、ゴールにたどり着くための選択肢をいくつも思いつく資質です。何パターンか思いついて、「どれにしようかな」と考えます。

清水:
確かに。デザイナーやプランナーがやりたいことを伝えた時に「だとしたら、こういうやり方や、あんなツールが……」といった提案をしてくれることがあり、助かっています。

デザイナー編:「個別化」=制作を丁寧に対応?

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清水:
デザイナーは、個別化が多いですね。

永安:
個別化は、ひとつひとつに対してやり方を変えたいタイプ。ひとつひとつのシーンやキャラクターに対して個別に対応したいと思う傾向があります。

清水:
確かに、キャラクターやアニメーション一つ一つに自分のこだわりを持って作っていきたいという人は多いと思います。

デザイナーでマネージャー職にする場合、どういう資質の人が候補になりえますか?

永安:
「影響力」の資質群は、1対多のコミュニケーションを取りやすいので、向いているかもしれません。ただ、SFの順位は不変ではなく変化します。リーダーになると「影響力」の資質が上がってくる場合もあるんですよ。ただ、そもそも得意じゃない人は苦しむこともあり得ます。

清水:
なるほど。新しいポジションに就くことで、SFが変わってくるということもあるんですね。

永安:
ちょっと高度になりますが、それでも別の資質で補うようなケースもあります。例えば、「最上志向」が上位にあると基準を超えていこうとするのですが、これが下位であっても「学習欲」「運命思考」の組み合わせにより、似たような力を発揮しようとするものです。

少し話が脱線しましたが、デザイナチームで言うなら、今の段階では「最上志向」や「運命思考」の資質を持つ人がチーム運営に向いているのではないでしょうか。

マネージャー編:「調和性」が高い人が多い

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清水:
マネージャーには、どういう傾向がみられますか?

永安:
「戦略的思考力」の資質群が高いので、皆さん考えるのが得意で好きなんでしょうね。「未来志向」の清水さんは未来を考え、「原点思考」を持つ人は過去を振り返ります。考える時制が違うんです。

4人のうち、2人の「着想」が強いので、アイデアを出すときにはその2人が活躍しそうです。また、エンジニアの2人は「実行力」の資質群があるので、実行して進めていくのはその2人に頼れますね。

清水:
調和性の高い人が多いんですよね。自分の1位が「自我」なので、自分に合わせてくれる「調和性」を自然と求めていたのかなと……。

永安:
補完し合える人を、無意識に選んでいたんですね。

2021年度新卒編:「実行力」の資質群が多数

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永安:
新卒の人たちも「回復志向」が多いですね。こんなに集まるのは珍しい。あと、上位5位の資質がすべて「実行力」の人がいますね! これも珍しいです。

清水:
どういうタイプなんですか?

永安:
しっかり進めて着実に終わらせていくタイプですね。

清水:
なるほどです。対談ありがとうございました。

最後に:SFで個人やチームの力を最大化していく

いかがでしたでしょうか?

ストレングス・コーチと一緒にSFチームグリッドの表を見ていったことで、会社の傾向や、チームごとの傾向が見て取れました。

職種ごとに共通の特徴が見られましたし、当社だけの傾向もたくさんあったことでしょう。

プロジェクトチーム単位のグリッドで分析やコーチングができると、プロジェクトごとの強みを確認しながら、「誰を入れるか」といった追加人員の検討もできそうですね。

これからも、個人の強みを知って伸ばしていきながら、チームの力も最大化するために、SFを活用していきたいと考えています。

ブラストエッジゲームズの理念に共感していただき、話を聞いてみたい、共に働くことを検討してみたいという方は、コンタクトもしくは、リクルートページにお問い合わせくださいませ。お待ちしております。

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