アイドルに青春17年ささげた~⑥ドルヲタの宿命~

あれから3日が過ぎた。今日は8月8日。俺は何となくカス高に通い、何となくこの状況を受け入れようとしていた。もう、異世界転生したでいいじゃん?
さとねと仲良しでアイドルと仲良くなる夢はある意味かなって、
あとはテレパシー能力で何とか、万が一にもないと思うけどさとねのピンチを救えばノルマクリアー。それだけ。それだけ?

俺が救うのはアイドル業界じゃなくてアイドル本人なのかな。ふと疑問に思う。

「先輩♪何してんの?考え事?」
「いや、いろいろ悩みもあるんだよ、俺高3じゃん?お年頃なんですよ。」
「先輩にも悩みあるんだ~。私でよかったら聞いてあげてもいいよ。」
「遠慮しときます。」
「えー何で~。」
「高3の悩みは(転生者)、高1にはわかんないよ。(アイドルには)」
「ホント、ガキ扱いするんだからもう!!」
「そういや、夏課外がないお盆とかどうすんの?さと。」
「せっかくの休みだもん、寝る。」
「お前は疲れ果てたサラリーマンか!!!」
「えー女子高生って寝るんだよ?がっつり。」
「じゃなくてこう、夏休みっぽいイベントをだな‥花火、バーベキューだとか夏祭りとか。」
「行きたいけど、先輩もついてきてくれる?」
「えぇ~、行ってもいいけど奢れとかいう気じゃ…」
「あのねあたしアイドル、お金はあるのよ。」
「金あるのはあるでアイドルとしてはなんか違うよな~」
「金はないけど夢はあるみたいなの?」
「夢とか俺にはないけど、さとはあるの?」
「あるよ、ケーキ屋さん、花屋さん、タピオカ屋さんあと…」
「ホントは?」
「・・・女優さん」
「やっぱみんな女優になりたがるよな。」
「いいじゃん別に!!!なりたいもん!!!」
「はいはいがんばってくだせえ。」
「もー絶対なれないと思ってるでしょ。ぷんすか!」

こんなやり取り。アイドルと雑談、会話、テキトーに友達ごっこやって、何となく友達
になれてるのかな、とか思ったり思わなかったり。

そろそろ、ノルマのこと考えるか。俺は思い始めていた。

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