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時間が止まる場所

家庭環境や仕事の多忙さから
私を救ってくれた場所がある。

沖縄県の南部にある瀬長島だ。


初めて訪れた3年前、
こんなに穏やかで
空気の柔らかな場所があるのだと知った。

この年は年末年始働き詰めで、
ようやく1月8日と9日にお休みを取得。
家族の雰囲気もあまり良い時期ではなかったので
思い切って瀬長島で過ごすことを決めたのだった。

はじめにチェックインをして
荷物をおく。
日頃のストレスからか、
1人で宿泊するのにもかかわらず
温泉付きの大きな部屋を選んでしまった。


もともと大浴場などが苦手なので
人目を気にせず温泉に浸かれるのは幸せだ。

それにしても天気が悪い。
今にも降り出しそうだ。
その前にウミカジテラスを散策しなければ。

1月も8日を過ぎると静かです。
コーンまで白。


なぜだか心が落ち着いてしまうのは
白色のせいなのか。

階段を登ると雲の上に浮かんでいるような
ふわふわした感覚に包まれる。
私は現実と離れた場所にきてしまったのか。

天界に来てしまったのか。



そうだ、雨が降る前に
お昼ごはんを食べて、ついでに夜すこし食べられるものを買っておかないと。
と思いつつも寄り道をして、
真冬に夏っぽいものを買ったりしていた。

そしてやっと出逢えたランチは
『親父のまぐろ』というお店の
まぐろ丼とまぐろのうどん。

刺身はとても新鮮で、
うどんの中にもまぐろの身が入っていた。
初体験のわさび油も良かった。

生き物にはパワーがあると思う。
そのパワーを頂くことで、私が元気になる。
そこにうどんの温かいダシのような、
人の手が加わる事によって優しい気持ちになれる。


心が満たされ、
次はお夜食探しだ。
ここで雨が降ってくる。
迷って購入したのは
『エイトマンズシーバーグ』

何を購入したのかは後ほど。

びしょ濡れになってしまったが
とりあえずやりたいことはすべて出来た。
そして温泉!

いい感じである。

もしかしたらこの時が、
初めての温泉だったかもしれない。

時間を気にせず、気がすむまで浸かる。
人生とはこんなに優しいものだったのか。
あんなに毎日働いて、家にも居場所がなかったのに
あれは夢だったのかと
思ってしまうほど、温泉は優しかった。

私は乾燥肌で、
風呂上がり10分以内に
ボディクリームを塗りたくらなければ
干からびてしまう。

しかしこの時は癒し効果に圧倒されて
温泉を出てすぐに服を着てしばらくボーッとしていた。

だんだんと意識が戻り、
ボディクリームを塗っていないことに気づくが
肌は潤っていた。

温泉は気持ちの面でも優しさを与えて
物質的にも優しさのバリアを張ってくれていたのだ。
温泉が皆に愛される理由がやっとわかった。

そして夜食にありつく。

店名『シーバーグ』の名に恥じぬ
ボリューム満点のフィッシュバーガーと
沖縄らしい魚天ぷら、
なかなか珍しい紅芋のポテトフライなどを
ひとりで、気がすむまで食べた。

日々の喧騒を忘れて、過ごした一日は
普段後ろから足を掴まれそうになる『時間』が
まるで路線バスを待つように、
ゆっくりとやって来るような

不思議で、
でもどこかで忘れていたような気持ちを
思い出すような感覚だった。


つらいときには逃げてもいい、
休んでもいい。

少しずつ、自分を取り戻していけばいい。

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