バイク川崎バイク(BKB)

バイク川崎バイク(BKB)です。ショートショートが好き。バイクは普通。すぐ読めて2回読みたくなる話が好き。素敵な本を出せました→https://www.amazon.co.jp/dp/484709946X/ref=cm_sw_r_cp_apa_fabc_J6L4FbP4CP4Q7

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    ショートショート27 『電話をしてるふり』

    『電話をしてるふり』 まただ。 もう。 しつこいってば。 「ああ、もしもしごめんパパ。もうすぐ帰るよ。うんうん。そうだねうん。迎え?あ、どうしようかな。来てもらおうかな。ええと、今はね…」 私はよくナンパされる。 特に男受けを狙った格好はしてないつもり。 でもそりゃあ、かわいい服は着たいし、メイクも好きだし、見た目には気をつかっているつもり。 夜一人で歩いていると、繁華街、駅前、最寄り駅から家までの徒歩15分の薄暗い道、ところ構わず声はよくかけられる。 見た目に隙があ

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      • ショートショート68『My Life Book』

        例えば自分のこれまでの一生が、 例えば自分の歩んできた人生が、 一冊の本になるとしたら。 例えばそれを死んでから読めるとしたら。 この出来事は一体、どんな物語となっているのだろう。 それはそれは甘くて、悲しくて、苦くて、酸っぱくて。 読者(私)が、ページを捲るたび引きつけられて仕方がない。 そんな物語になっていることを、切に願う。 * 昇(のぼる)と出会って、私の白黒だった人生は一気に色を帯びた。 カラーテレビが日本に現れたときのことはよく知らないが、きっと

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        • ショートショート67『だれかがだれかを』

          これは、ヤマハ発動機と開催する 「 #エンジンがかかった瞬間」投稿コンテストの参考作品として、主催者から依頼をいただいて書いた、ショートショート小説です。 ショートショート 『だれかがだれかを』 「よしよし!売れる!これで売れる!」 20歳から始めた芸人。 その男の名前は山下一座。 一座、というのはもちろん芸名であり、ファンのみんなもぼくの一座ですよ、というダサめの意味も込めたピン芸人だ。 30歳のときに、初めて出たテレビ番組で爪痕を残した山下は、分かりやすく有頂天に

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          • ショートショート66『専売特許』

            「はい!喜んでぇぇぇ!」 ダメだ。これじゃ店員仲良し居酒屋の掛け声だ。アダ名と趣味を名札に書いたタイプの。 「………」(無言でコクリと小さく頷く。と同時にできれば涙を浮かべる) いやこれもダメ。キャラじゃない。もたない。てか、できれば涙を浮かべるってなんだ。できねー。 「あー、おっけおっけ。よろしくね~」 逆に軽いのがいいって思ってるやつ。ないない。 「う…嬉しい…。わたしで…良ければ」 うーん。悪くはないけどな~。でもなあ。なんかな~。 「はい。幸せに、してよね」

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            • ショートショート65『ラブソングの秘密』

              『ラブソングの秘密』 (A) コンパで出会ったとある若い男女。 二人は盛り上がった。 とにかく話が合った。 いや、厳密に言うと、合わせていた。 お互い、顔が好みだったから。 中身なんて二の次。 顔が好みの相手の言うことは多少、的が外れていても受け入れることができた。 男は冗談交じりに、奇跡という言葉を乱用した。 出会いは奇跡だね。乾杯できるのも奇跡だね。 女は笑った。 少し“奇跡ノリ”がしつこいな、とも思ったが笑うことにより男の尊厳が保たれるのが分かっていたから。 男は強く

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              • ショートショート64『アラじーちゃん』

                混乱している。 今なにが起こった? 今なんて言われた? ええと…ちゃんと思いだしてみよう。 まず…大好きな祖父が亡くなりました。 で、 悲しみにくれました。 で、 ひと通り思い出などを反芻しました。 で、 ひと通り悲しみにくれました。 で、 ふと祖父の部屋に行きました。 で、 祖父の写真を見つけました。 で、 わたしと一緒に笑顔で写ってました。 また悲しみにくれました。 またひと通り思い出などを反芻しました。 またひと通り悲しみにくれました。 で、 手紙見つけました。 わた

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                • ショートショート63『ひとりごとごと愛してる』

                  俺はひとりごとを言う。 かなり言う。 らしい。 らしいというのは、その、つまりあれだ。 本来、ひとりごととは無意識に言うもので、 言った瞬間は無自覚で、 たまたま聞かされた相手は無関心で。 けれど、そのひとりごとの内容次第では、聞かされた相手もおよそ無関心ではいられなくなる。 そうなると、ひとりごとを言ってしまったことに初めて気づかされる。 ーーーこの前のひとりごとは恥ずかしかった。 ショッピングモールのエレベーターに乗っていたときだ。 もうここで勘のいい人な

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                  • ショートショート62『間が悪いやつら』

                    「……ほんと、間が悪い……」 時刻は深夜2時をまわった頃。 親友のユミから、“ナギサ~!告白してめでたく彼氏できたよ~”っていうLINEと、 わたしの彼氏のリョウ君から、“ナギサごめん。疲れた別れよう”っていうLINEが、 同時にきた。 間が悪い。 脳の処理能力が追いつかない。 別にユミは悪くない。ずっと相談にものってたし。めでたい。 リョウ君は……少し悪いかな。LINEで言ってくるなよ。会って言え。気持ちは分かるけどさ。せめて電話してこい。 何にしても“間が

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                    • ショートショート61『がんばれがんばれ』

                      薄暗い照明と小粋に流れるジャズが、店の雰囲気を盛り立てる。 「一人でも飲みに来れる感じのいいバーだね」 初めてきた客は、カウンターに座り一口お酒を嗜むと、大抵こう呟いている。うん。ワタシもそう思う。 初対面で仕事の愚痴を語る者。 失恋したと嘆く者。 様々なお酒をとにかく味わう者。 出逢いを欲っしている者。 ワタシはそんな多種多様な客の、夜の音を聞いていた。 すると、いささか緊張したマスターの声。 「あちらの…お客様からです」 言いながらカウンターの端で静かに飲んでいた女

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                      • ショートショート60『僕は友達が少ない』

                        僕は友達が少ない…… こんなふうに意識してしまうようになったのはいつからだろう。 友達、親友、連れ、知り合い、顔見知りなど、自分と関わった人達に様々な、“呼び方”が溢れているものだから、こんな悩みが生まれるんだ。 当たり前に呼び方一つで関係性の“差”は明白となるのだから。 元々、人と接するのは苦ではなかった。 子供の頃は、友達100人できるかな的な歌に準じ、やっきになって皆と仲良くした。 物心や知識がつくと、八方美人的な言葉を覚え、そう思われないよう皆となるべく

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                        • ショートショート59『五等分の花嫁』+近況報告

                          『五等分の花嫁』 四人でケーキを食べたいなら四等分。 八人でピザなら八等分。 そうやって人々は昔から“平等”という愛すべき平和なやり方で一つのものを分けてきた。 では 『愛する一人の女を五人の男が欲した場合は?』 答えは簡単。 女を五等分にすればいい。 一応、先に言っておくが、ケーキと同じように文字通り“五等分に女を切り裂く”みたいなシリアルキラーなそれではない。 男全員が女を花嫁にして、女も幸せになる方法を探ろう、ということだ。 女は「みんながそれで幸せなら」と

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                          • 書籍化!『BKBショートショート小説集 電話をしてるふり』今から予約販売開始!バリ感謝ブック!BKB!です!

                            ということで突然ですが、ただいま正午12時をもちまして、念願の書籍、予約販売開始となりました! BKBショートショート小説集 電話をしてるふり Amazon予約はこちら これもひとえにBKBのnoteを読んで頂いてた皆様、noteという文章を表現しやすい媒体、そして自粛中毎日書き続けたバイク、のおかげです。 本当に本当にありがとうございます。 もちろん当初書き出した頃は、こんなことになってくれるとはつゆほども思わず、ただ書いてたものですから、書籍化が決まったときは(3社

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                            • ショートショート58 『いつものナポリタン』

                              「ご注文はお決まりですか?」 「はい……えと、ナポリタンで食後に…」 「アイスコーヒーですね?」 「あ、はい。はは」 「ふふ。いつもありがとうございます」 よしよし。覚えてもらってる。 第一段階クリアだ。 僕は恋をしている。 半年ほど前、職場の最寄り駅近くで偶然見つけた喫茶店。 アンティークな店構えだが、決して敷居は高くはなく、客層は幅広く、今どき珍しいコーヒーお代わりし放題。 食事のメニューもランチの定食、パスタ、カレー、オムライス、サンドイッチと、シンプルだが

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                              • BIGMAMA 川崎 BIGMAMA

                                レツゴ。ブンブン。 BKBす。 今日はいつものショートショートではなく、ミュージシャン友達兼、卓球友達のBIGMAMA(ビッグママ)のボーカル金井政人さんのnote企画レツゴ。 最近は行けてないけど、金井さんとは一時は週一で卓球をする仲。(BKBが卓球得意なので卓球ハマりだした金井さんに教えてあげてた。師匠って呼んできてたその時は。ほんでお礼にって、飯奢ってもらってた笑) 数年前のBKB単独ライブでもBIGMAMAさんの曲をネタの出囃子(でばやし)に使わせてもらったこ

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                                • ショートショート57 『催眠術なんて』

                                  「おうおうおう。催眠術だぁ?嘘くせぇ。いっちょやってもらおうじゃねえか」 パーティー会場で、ガラの悪い男が、一人の催眠術師にすごんでいる。 「俺はよぉ、お前みたいなインチキ臭い仕事してるやつが一番キライなんだわ」 「いや、そうは言われましても私も真剣にやっておりまして…その」 「ギャーギャーうるせんだよ!じゃあ、ほれ!俺にかけてみろよ」 空気は最悪。 この日はたくさんの男女が集まるお見合いパーティーの真っ最中。各々が任意で特技をアピールするという、フリータイム中の出

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                                  • ショートショート56 『何でもスラスラと話せる時代』

                                    便利な時代がきたものだ。 今からはるか先の未来。 AIが発達し、人々にICチップが埋め込まれるようになり、“言葉”という概念の進歩はとまらなくなった。 簡単に言うと、人間の発する言葉が脳内で全てデータ化されるようになり、インプットした言葉は一言一句たがわず発することができるようになった。 もう少し簡単に言うと、言いまちがう、であったり、言うことを忘れる、ということがなくなったのだ。データとして、脳内に組み込んだ言葉を、容量の許す限りインプット、アウトプットできるようになっ

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