バイク川崎バイク(BKB)

バイク川崎バイク(BKB)です。ショートショートが好き。バイクは普通。すぐ読めて2回読…

バイク川崎バイク(BKB)

バイク川崎バイク(BKB)です。ショートショートが好き。バイクは普通。すぐ読めて2回読みたくなる話が好き。2023年4月また素敵な本を出せました→https://amzn.asia/d/7S1YqOx

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固定された記事

ショートショート27 『電話をしてるふり』

『電話をしてるふり』 まただ。 もう。 しつこいってば。 「ああ、もしもしごめんパパ。もうすぐ帰るよ。うんうん。そうだねうん。迎え?あ、どうしようかな。来てもらお…

短編小説『ネオシーダーを吸ってたのは誰だ?』

※今回はいつものショートショート小説ではなく、この物語はノンフィクションです。実在の人物・団体・事件と、すべて関係してます。 2023年10月9日に芸人の楽屋で起こった…

ショートショート72『死神のジレンマ』

❮ジレンマ❯ 相反する選択肢によって、板挟みになり、しかしどれかを選ばなければならず、かつそのどれを選んでも不利益を被りかねない状態のこと。 * 自身を“死神”…

ショートショート71『その赤いソファー』

男が散歩がてら、散策もかねて、普段あまり通ったことのない道で帰っていたときのこと。 ふと、粗大ゴミ置き場を発見した。 そこには“ゴミ”と呼ぶには似つかわしくない…

ショートショート70『とある若手漫才師が解散する理由』

とある若手漫才師が、公園で壁に向かいあいながら、ネタ合わせをしていた。 ●「どうも~エメラルズです~」 ■「拍手すごー!ああ痛いでしょ、手がね、もういいですよ…

ショートショート69『あなたに捧ぐショートショ○ト』

突然のお手紙、失礼いたします。 お元気ですか?僕は元気です。 毎日、早起きもしてます。 卵好きなので朝食には、たま○焼きや、○玉焼き、スクラ○ブルエッグを食べたり…

ショートショート68『My Life Book』

例えば自分のこれまでの一生が、 例えば自分の歩んできた人生が、 一冊の本になるとしたら。 例えばそれを死んでから読めるとしたら。 この出来事は一体、どんな物語と…

ショートショート67『だれかがだれかを』

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ショートショート66『専売特許』

「はい!喜んでぇぇぇ!」 ダメだ。これじゃ店員仲良し居酒屋の掛け声だ。アダ名と趣味を名札に書いたタイプの。 「………」(無言でコクリと小さく頷く。と同時にできれば…

ショートショート65『ラブソングの秘密』

『ラブソングの秘密』 (A) コンパで出会ったとある若い男女。 二人は盛り上がった。 とにかく話が合った。 いや、厳密に言うと、合わせていた。 お互い、顔が好みだったか…

ショートショート64『アラじーちゃん』

混乱している。 今───なにが起こった? 今───なんて言われた? ええと……ちゃんと思いだしてみよう。 まず…大好きな祖父が亡くなりました。 で、 悲しみました。 …

ショートショート63『ひとりごとごと愛してる』

俺はひとりごとを言う。 かなり言う。 らしい。 らしいというのは、その、つまりあれだ。 本来、ひとりごととは無意識に言うもので、 言った瞬間は無自覚で、 たまたま…

ショートショート62『間が悪いやつら』

「……ほんと、間が悪い……」 時刻は深夜2時をまわった頃。 親友のユミから、“ナギサ~!告白してめでたく彼氏できたよ~”っていうLINEと、 わたしの彼氏のリョウ君…

ショートショート61『がんばれがんばれ』

薄暗い照明と小粋に流れるジャズが、店の雰囲気を盛り立てる。 「一人でも飲みに来れる感じのいいバーだね」 初めてきた客は、カウンターに座り一口お酒を嗜むと、大抵こう…

ショートショート60『僕は友達が少ない』

僕は友達が少ない…… こんなふうに意識してしまうようになったのはいつからだろう。 友達、親友、連れ、知り合い、顔見知りなど、自分と関わった人達に様々な、“呼び方…

ショートショート59『五等分の花嫁』+近況報告

『五等分の花嫁』 四人でケーキを食べたいなら四等分。 八人でピザなら八等分。 そうやって人々は昔から“平等”という愛すべき平和なやり方で一つのものを分けてきた。 …

ショートショート27 『電話をしてるふり』

ショートショート27 『電話をしてるふり』

『電話をしてるふり』

まただ。
もう。
しつこいってば。

「ああ、もしもしごめんパパ。もうすぐ帰るよ。うんうん。そうだねうん。迎え?あ、どうしようかな。来てもらおうかな。ええと、今はね…」

私はよくナンパされる。
特に男受けを狙った格好はしてないつもり。
でもそりゃあ、かわいい服は着たいし、メイクも好きだし、見た目には気をつかっているつもり。
夜一人で歩いていると、繁華街、駅前、最寄り駅から

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短編小説『ネオシーダーを吸ってたのは誰だ?』

短編小説『ネオシーダーを吸ってたのは誰だ?』

※今回はいつものショートショート小説ではなく、この物語はノンフィクションです。実在の人物・団体・事件と、すべて関係してます。
2023年10月9日に芸人の楽屋で起こった事件、事実を元に、ほぼそのまま小説にしてます。全部で三章あります。お楽しみください。ヒィア。

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『ネオシーダーを吸ってたのは誰だ?』

【第一章〜気になりだしたら止まらない〜】

これず

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ショートショート72『死神のジレンマ』

ショートショート72『死神のジレンマ』

❮ジレンマ❯
相反する選択肢によって、板挟みになり、しかしどれかを選ばなければならず、かつそのどれを選んでも不利益を被りかねない状態のこと。



自身を“死神”と名乗るその主は、見た目には普通の人間に映った。
黒装束を身にまとっているわけでもなく、大きなカマを振りかざしているわけでもない。ごく普通のスーツ姿。顔立ちは、鼻筋がよく通っており切れ長の瞳がとても中性的で、男とも女ともとれた。

俊介

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ショートショート71『その赤いソファー』

ショートショート71『その赤いソファー』

男が散歩がてら、散策もかねて、普段あまり通ったことのない道で帰っていたときのこと。

ふと、粗大ゴミ置き場を発見した。
そこには“ゴミ”と呼ぶには似つかわしくない、まだまだ綺麗で使えそうな、高級感のある赤いソファーが捨てられていた。
一人用だがゆったりと座れるサイズ感。

そこは郊外で、ひとけもない場所だった。
とはいえ、しっかりとあたりに誰もいないことを確認する男。そして、何の気なしに腰をかけて

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ショートショート70『とある若手漫才師が解散する理由』

ショートショート70『とある若手漫才師が解散する理由』

とある若手漫才師が、公園で壁に向かいあいながら、ネタ合わせをしていた。

●「どうも~エメラルズです~」

■「拍手すごー!ああ痛いでしょ、手がね、もういいですよ~そんなそんな~」

●「誰も拍手してへんがな」

■「いや、アイツだけしてる!」

●「やめやめ。お客さんに指さすな。ま、突然やけどね、我々もええ歳やんか」

■「ああ今ちょうど33歳でね」

●「ちょうどてなんや。中途半端やろ」

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ショートショート69『あなたに捧ぐショートショ○ト』

ショートショート69『あなたに捧ぐショートショ○ト』

突然のお手紙、失礼いたします。

お元気ですか?僕は元気です。
毎日、早起きもしてます。
卵好きなので朝食には、たま○焼きや、○玉焼き、スクラ○ブルエッグを食べたりします。

さて、僭越ながら、上記の穴埋めの言葉が読めましたら、手紙の続きを読み進めてほしいです。

ーーー読めましたか?
きっと読めましたよね。
人間の脳というのは、ある程度の文字列を面でとらえて、勝手に補正して埋めてくれるようにでき

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ショートショート68『My Life Book』

ショートショート68『My Life Book』

例えば自分のこれまでの一生が、

例えば自分の歩んできた人生が、

一冊の本になるとしたら。

例えばそれを死んでから読めるとしたら。

この出来事は一体、どんな物語となっているのだろう。

それはそれは甘くて、悲しくて、苦くて、酸っぱくて。

読者(私)が、ページを捲るたび引きつけられて仕方がない。

そんな物語になっていることを、切に願う。



昇(のぼる)と出会って、私の白黒だった人生は

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ショートショート67『だれかがだれかを』

ショートショート67『だれかがだれかを』

ショートショート
『だれかがだれかを』

「よしよし!売れる!これで売れる!」

20歳から始めた芸人。
その男の名前は山下一座。
一座、というのはもちろん芸名であり、ファンのみんなもぼくの一座ですよ、というダサめの意味も込めたピン芸人だ。

30歳のときに、初めて出たテレビ番組で爪痕を残した山下は、分かりやすく有頂天になっていた。

お笑い芸人、ピン芸人として、初めて掴んだ分かりやすいチャンス。

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ショートショート66『専売特許』

ショートショート66『専売特許』

「はい!喜んでぇぇぇ!」
ダメだ。これじゃ店員仲良し居酒屋の掛け声だ。アダ名と趣味を名札に書いたタイプの。

「………」(無言でコクリと小さく頷く。と同時にできれば涙を浮かべる)
いやこれもダメ。キャラじゃない。もたない。てか、できれば涙を浮かべるってなんだ。できねー。

「あー、おっけおっけ。よろしくね~」
逆に軽いのがいいって思ってるやつ。ないない。

「う…嬉しい…。わたしで…良ければ」

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ショートショート65『ラブソングの秘密』

ショートショート65『ラブソングの秘密』

『ラブソングの秘密』

(A)
コンパで出会ったとある若い男女。
二人は盛り上がった。
とにかく話が合った。
いや、厳密に言うと、合わせていた。
お互い、顔が好みだったから。
中身なんて二の次。
顔が好みの相手の言うことは多少、的が外れていても受け入れることができた。
男は冗談交じりに、奇跡という言葉を乱用した。
出会いは奇跡だね。乾杯できるのも奇跡だね。
女は笑った。
少し“奇跡ノリ”がしつこい

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ショートショート64『アラじーちゃん』

ショートショート64『アラじーちゃん』

混乱している。
今───なにが起こった?
今───なんて言われた?
ええと……ちゃんと思いだしてみよう。

まず…大好きな祖父が亡くなりました。
で、
悲しみました。
で、
思い出などを反芻しました。
で、
ひと通り悲しみにくれました。
で、
ふと祖父の部屋に行きました。
で、
祖父の写真を見つけました。
で、
わたしと一緒に笑顔で写ってました。
で、
で、
また悲しみました。
また思い出などを

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ショートショート63『ひとりごとごと愛してる』

俺はひとりごとを言う。

かなり言う。

らしい。

らしいというのは、その、つまりあれだ。
本来、ひとりごととは無意識に言うもので、
言った瞬間は無自覚で、
たまたま聞かされた相手は無関心で。

けれど、そのひとりごとの内容次第では、聞かされた相手もおよそ無関心ではいられなくなる。

そうなると、ひとりごとを言ってしまったことに初めて気づかされる。

ーーーこの前のひとりごとは恥ずかしかった。

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ショートショート62『間が悪いやつら』

ショートショート62『間が悪いやつら』

「……ほんと、間が悪い……」

時刻は深夜2時をまわった頃。

親友のユミから、“ナギサ~!告白してめでたく彼氏できたよ~”っていうLINEと、

わたしの彼氏のリョウ君から、“ナギサごめん。疲れた別れよう”っていうLINEが、

同時にきた。

間が悪い。

脳の処理能力が追いつかない。

別にユミは悪くない。ずっと相談にものってたし。めでたい。
リョウ君は……少し悪いかな。LINEで言ってくる

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ショートショート61『がんばれがんばれ』

ショートショート61『がんばれがんばれ』

薄暗い照明と小粋に流れるジャズが、店の雰囲気を盛り立てる。
「一人でも飲みに来れる感じのいいバーだね」
初めてきた客は、カウンターに座り一口お酒を嗜むと、大抵こう呟いている。うん。ワタシもそう思う。

初対面で仕事の愚痴を語る者。
失恋したと嘆く者。
様々なお酒をとにかく味わう者。
出逢いを欲っしている者。
ワタシはそんな多種多様な客の、夜の音を聞いていた。

すると、いささか緊張したマスターの声

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ショートショート60『僕は友達が少ない』

ショートショート60『僕は友達が少ない』

僕は友達が少ない……

こんなふうに意識してしまうようになったのはいつからだろう。

友達、親友、連れ、知り合い、顔見知りなど、自分と関わった人達に様々な、“呼び方”が溢れているものだから、こんな悩みが生まれるんだ。

当たり前に呼び方一つで関係性の“差”は明白となるのだから。

元々、人と接するのは苦ではなかった。

子供の頃は、友達100人できるかな的な歌に準じ、やっきになって皆と仲良くした

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ショートショート59『五等分の花嫁』+近況報告

ショートショート59『五等分の花嫁』+近況報告

『五等分の花嫁』

四人でケーキを食べたいなら四等分。
八人でピザなら八等分。
そうやって人々は昔から“平等”という愛すべき平和なやり方で一つのものを分けてきた。

では

『愛する一人の女を五人の男が欲した場合は?』

答えは簡単。
女を五等分にすればいい。

一応、先に言っておくが、ケーキと同じように文字通り“五等分に女を切り裂く”みたいなシリアルキラーなそれではない。

男全員が女を花嫁にし

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