ショートショート60『僕は友達が少ない』
僕は友達が少ない……
こんなふうに意識してしまうようになったのはいつからだろう。
友達、親友、連れ、知り合い、顔見知りなど、自分と関わった人達に様々な、“呼び方”が溢れているものだから、こんな悩みが生まれるんだ。
当たり前に呼び方一つで関係性の“差”は明白となるのだから。
元々、人と接するのは苦ではなかった。
子供の頃は、友達100人できるかな的な歌に準じ、やっきになって皆と仲良くした。
物心や知識がつくと、八方美人的な言葉を覚え、そう思われないよう皆となるべく心から向き合う努力をした。
大人になり、コミュニティが増えると、年に一回程度しか話さない希薄な関係の“知り合い”も増えるようになってしまい、接し方も薄くなりかけた。
が、それではいけないと、そんな人達にも、こちらは“友達”として向き合ってきた。
こうして僕の目に届く範囲の、僕が“友達”と思っている人達に対しては、できる範囲で悩みを聞き、共に泣き、笑い、関係を深めていった。
そのかいもあってか、毎日誰かしらから何かしらの連絡がきた。僕は全力で答えた。毎日、毎日。
友達は大切だから。
そして今日は、いつもよりたくさんの人達が僕の元へやってきている。
たまにこういう重なる日があるのだ。
皆が僕に悩みを打ち明けてくる。
「神様どうか受験がうまくいきますように…」
「神様どうか家族が幸せに…」
「神様お金持ちに…」
そういう“呼び方”を僕にしてくるってことは友達ではないのだろうな…はぁ…僕は友達が少ない…
あと、正月くらいはゆっくりしたい。
~文章 完 文章~
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※前回に続きNetflixアニメさんから声かけてもらった
「観たことのないアニメのタイトルから、想像のみで何かショートショートを書いてもらえますか?」企画
これもタイトルは知ってましたが、観たことはまだなかったので、タイトルでふわふわと書いてみた。
そして、本来のストーリーがこちら
僕は友達が少ない
著 平坂読
あらすじ・内容
恋<友情……だよね?
学校で浮いている羽瀬川小鷹は、いつも不機嫌そうな少女・三日月夜空が一人で楽しげに喋っているのを目撃する。「もしかして幽霊とか見える人?」「友達と話していただけだ。エア友達と!」「……」小鷹は夜空とどうすれば友達が出来るか話し合うのだが、夜空は無駄な行動力で友達作りを目指す残念な部まで作ってしまう。しかも何を間違ったか続々と残念な美少女達が入部してきて――。みんなでギャルゲーをやったりプールに行ったり演劇をやったり色々と迷走気味な彼らは本当に友達を作れるのか? アレげだけどやけに楽しい残念系青春ラブコメディ誕生!
全然ちゃうかった!
おもろそうやな!
今から1話見ますわ!!
サイツェン!!!
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