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#3棚主報23/6/3

棚のテーマを変えました :「哲学してみる」

本日、ブックマンションでは棚の入れ替え会が行われました(ありがとうございます!)。
併せて?、棚のテーマを新しく「哲学してみる」にしました。

前々回のテーマ「考える」で、「水中の哲学者たち」というエッセイを紹介し、簡単な本なら読んでみたいという気持ちが湧き、入門によさそうな哲学の本をメインに選んでみました。
いくつかnoteで紹介していければ。

棚の方向性

前回テーマは「小説を読む」という漠然としたものだったのですが、その漠然性のおかげか、棚の方向性としては「小説」と「知識や情報を扱った本」を、交互に置いていきたいな、と考えています。

ただですね、noteで小説を紹介する文章を書くのは、実用書的な本に比べ10倍以上の難しさを感じます。なぜだろう。。
小説は、純粋な娯楽で、読み手が自由に想像したり、創造したりするもので、記憶や体験とも結びついている、というところが影響している気がするけれど、それが紹介文を書くことをどう難しくしているのか、上手く言葉にできません。
小説はある視点で捉え切れるものではないのに、紹介文はある視点で書かざるを得ないから?これから読まれる本の面白さやストーリーを明かしすぎることに抵抗を感じるから?? 
何かもっとずっと個人的な理由かも。
とにかく、小説の紹介はなんだか難しいと実感しています。
いや本当に、書店のポップというのが、すごい発明なのだなと思います。
簡にして要。
コツを掴むには今しばらくの修行が必要なのでしょうか。

前回テーマ「小説を読む」の間に起きたこと

小説を長い間、ほとんど読めませんでした。
高校1、2年までは、割と真面目に、教科書に出てくるような国内作家は読んでいたように思います。翻訳された外国作家の本も好きでした。その頃、地元から芥川賞を取った作家が出たことがあり、文藝春秋の掲載号を母親が買って来て、一緒に読んだりもしていました。

大学に入って徐々に小説を読まなくなり、20代後半からは現実社会の方に圧倒されていました。
特に長編は、高校の頃好きだったジョン・アーヴィングの新刊ですら、2作品続けて上巻で挫折するありさまでした。
厚さをものともせず、読みこなす筋力のようなものを完全に失っていました。

芥川賞は短編(・中編)なので、記憶の中では、3年に1回位は文藝春秋を買っていたのではないかと思っていましたが、読んだ作品と受賞年を実際に確認してみたら、5年に1回も買っていませんでした。あまりにも不確かな記憶。

それで何が書きたいかというと、
読みしろがたくさんある、ということです。
二十数年分の読みしろ。

「小説を読む」のテーマは隔回で続け、現代の国内作家をほとんど読んだことがない状態から、徐々に筋力をつけ、まだ読んでいない小説を読み進めることができたらと思っています。

昨日は、初めての伊坂幸太郎を読み終えました。仙台の人なんだ。
村上春樹は、ずっとその厚さと、ネット上の文章のパロディに慄いてしまって、挑戦する勇気が持てなかったのですが、noteを書いていると、色々な感想の記事が目に入るようになります。
中でも、村上春樹が苦手だった女性が、audibleの高橋一生が朗読する「騎士団長殺し」を聴き始め、彼の才能と魅力にはまり、次が出るのが楽しみになるまでを綴った記事は、劇的なビフォーアフターのストーリーで、ものすごい説得力でした。

聴くだけでいいなら。

間を置かずaudibleを申し込み、「騎士団長殺し」を聴き始めました※。皆さんが「街と、その不確かな壁」を読んでいるというのに。

「騎士団長殺し」は4巻のうち、3巻まで朗読されていて、6月16日に4巻が出ます。おそらく全体で40時間近くの朗読作品になると思います(NHKの大河ドラマ一年分並みです)。
高橋一生は、女性の声も騎士団長の声も華麗に読み分けます。本当にすごい才能です。最初の頃はこの声をずっと聴いていたいと思うほどで、実際長い時間聴いていたのですが、一生の幻聴が聴こえそうで、今は少しずつにしています。
高橋一生の声の魅力を伝えようと、人前で再生したら、性描写になってしまったのは、たいへんに気まずかった思い出です。。
円周率を朗読したら、毎月課金する人がいるはずです。
本人は0から9までの数字を朗読してくれるだけでよく、あとはAIが音声を自動編集すれば、無限のサブスクリプションの完成なのだけれど。

壁を正面から超えるのは無理でも、すり抜ける方法は多分いくつかはあり、本に関していうと、audibleは朗読者が良ければとてもいい方法だという話です。


※棚主には、「騎士団長殺し」は、脳の機能としての無意識を観察、感受して、無意識の世界に潜んでいるものを意識的に描こうとする(肖像画家の姿を描こうとする)作品のように見えます。まだ途中だけど。 
性描写については、正直十分に理解ができていないのですが、無意識の衝動のプログラムが稼働していることを描いているのかもしれない、とか、直接の感情描写が少ないので、性描写を挟むことによって、読み手の快/不快の感情を定期的に呼び起こす効果があるのかもと思ったりしました。音楽のドラムとかベースとか、そういうような。
刊行当時に読んでも、上記のような感想にはならなかったと思うので、今で良かったのかなと思います。3巻の後半を聞いていますので、最後まで聴き終わったらまた違った感想になるかもしれません。








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