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ノルウェーでの9週間実習指導体験 ~第8・9週~ 最終実技試験を突破し最終評価を行う週

ノルウェーの理学療法学科では、最終年度に3か月間の実習期間があります。私も現在の職場である回復期リハビリ施設で4〜5人の実習生を担当した経験があります。ここでは、ノルウェーでの理学療法実習指導の体験を数回に分けて紹介します。

前回の記事はこちら →
[第1週: 「はじめまして」の週]
[第2・3週: 患者さんを受け持ち、トライ&エラーを繰り返す週]
[第4・5週:中間実技試験とレポート提出]
[第6・7週: 苦手分野をがっつり指導&担当分野を増やして責任感を実感してもらう週]


最終週は最終実技試験・最終的な評価を学生と共に行う

最終実技試験の内容は中間実技とほぼ同じですが、レポート提出は必要ありません。ひとつ違う点は、学生が当日までどの患者さんを担当するか分からない点です。前回と同様、この実技で全ての評価が決まるわけではなく、ひとつの評価基準として考慮されます。

最終的な評価は大学のカリキュラムに記されている評価項目を基準に行います。評価項目の例は以下のような感じです:

以下は学習成果をよりわかりやすく説明したものです:

1. 勤務先での業務に関する法律や規則を説明する
2. 勤務先の専門的な基盤や事業目標を説明する
3. 患者との対話やその他の調査方法を通じて情報を収集し、患者の生活状況を考慮する
4. 患者の臨床状態や機能レベル、テストの心理的特性に基づいて、調査方法とテストを選択する理由を説明する
5. 患者のケアにおける理学療法の役割を口頭で説明し、治療方針の根拠を示す
6. 研究や経験、患者の視点に基づいたパーソンセンタードな治療法を実践し、様々な治療方法を提供できることを示す
7. 治療の過程を通じて患者の反応を評価し、必要に応じて治療方法を調整する
8. 患者が目標を達成するまで変容プロセスをサポートする
9. 患者に適切な装具や支援具を提供し、環境を調整して機能と参加を促進する
10. 異なる専門職との連携を図りながら、患者のケアを最適化する
11. 明確で安全な治療を提供し、患者に自身の状態を理解しやすく説明する
12. 患者や家族とのコミュニケーションに適応する
13. 患者の記録を適切に管理し、個人情報の保護を確保する
14. 専門分野の最新情報を共有し、議論する
15. 自身の働き方や環境を適切に管理し、必要に応じて問題を報告する
16. 患者や利用者とのやり取りで敬意を示す
17. すべての社会グループに公平なサービスを提供する
18. 倫理的な問題に対処し、自身の行動を反省する
19. 専門職としての責任を果たし、規則を遵守する
20. 患者を必要な専門家に紹介し、指導者と連携する
21. 自身の技術や能力を評価し、学習戦略を立てる

各項目にはさらに詳細な説明が書かれていますが、今回はおおまかな評価項目だけ載せておきます。

バイザーとしての使命

指導者としての日々は、いつも時間に追われています。スーパーバイザーを受け持つことは、やりがいのある挑戦です。学生との関係を築きながらお互いを理解し、成長を見守るプロセスは、医療者として必要なスキルの一部だと思います。患者のリハビリと同様、目標を設定し、モチベーションを保ちながら、失敗も含めて成長していく姿勢が重要です。

そして、将来の医療界の課題に直面する中、私は指導者としての責任を強く感じています。この実習を通じて、学生が医療者としてのやりがいを感じ、社会貢献の大切さを学び、心に留めることが私の目標です。彼らの成長が、未来の医療の礎となることを信じています。

以上、ノルウェーでの9週間実習指導体験記でした!ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。

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