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常識とは何ぞや?を考えさせられたウォーカーの見事な番狂わせ/気になるヤファイのラフ攻撃【ボクシング】


☆8月19日(日本時間20日)/イギリス・ウェストミッドランド州バーミンガム/ユーティリタ・アリーナ
Matchroom Boxing
WBAインターナショナル・ウェルター級タイトルマッチ10回戦
○コナー・ウォーカー(28歳=イギリス)
●サイラス・パティンソン(29歳=イギリス)チャンピオン
TKO8回終了
※使用グローブ10オンス(ともにGRANT黒・赤白)

 3月に大熱戦を制し、王座を獲得。WBAランクで15位に入ったパティンソンは、身長、おそらくリーチもウォーカーを上回るサウスポー。リングに並ぶ両者を見れば、その差は明白だったが、立ち上がりから的確な距離を築いたのはウォーカーだった。

 左足の置き場所がいい。常にパティンソンの前足(右足)の内側に入れ、それを伸ばすようにして後ろ重心気味のスタンスを取りながら、パティンソンを引き寄せる。
「身長、リーチが劣る選手は、中に入っていかなければ話にならない」と呪文のように説かれるが、それも時と場合、そして相手による。
 パティンソンは、半身から長いジャブ、左ストレートを打つタイプではない。長身サウスポーという利点を生かすのでなく、ミドルレンジから左右を上下に散らす連打を得意とする。ウォーカーはそれを逆利用した。

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