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ユーザーに優しく、開発者にはどこまでも面白い。システム連携プロダクトが描く未来

SaaS・DB・RPAなどをプログラミングの知識不要で簡単に接続し、連携フローの作成ができるアプリケーション連携プラットフォーム「BizteX Connect(以下、Connect)」を開発しました。今回はBizteXのプロダクトマネージャー(PdM)である大坪さんに、Connectの開発経緯や今後の展望について話を伺います。

新しいワークスタイルにおける課題を解決するために

川端「今日はよろしくお願いします!Connectは当社のミッション『オートメーションテクノロジーで新しいワークスタイルを実現する』に紐づくプロダクトですよね。改めてどのようなプロダクトなのか教えていただけますか?」

大坪「Connectは様々なサービスをWeb上で容易に連携し、業務の自動化・効率化を実現するiPaaS(Integration Platform as a Service)です。複数のシステム間を跨ぐような定型業務をプログラミング不要で自動化する、いわばシステム連携のプラットフォームですね。

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私たちは今後のワークスタイルの動向として、業務システムの分散クラウド化が進んでいくだろうと考えています。リモートワーク前提の働き方が増えていることもあり、今後どんどん省力化・デジタル化が進むでしょう。こうした新しいワークスタイルにおける課題は『分散・クラウド化によるユーザー負荷が大きくなる』ことです。

分散・クラウド化が進むということは、噛み砕いて言えばそれぞれの業務や機能ごとに特化したクラウドが増え、社内で10~20のシステムを使う状況になるということです。複数システムの操作方法を覚えるのが大変だったり、各システムに分散したデータを集める際に一苦労したり、各システム間でデータを同期するための転記作業が増えるなど、ユーザーにとっては負担が増えることになります。この課題に対して有効な打ち手が『システム連携』です。」

川端「なるほど。『分散・クラウド化によるユーザー負荷が大きくなる』課題への打ち手として生まれたのが、Connectのようなシステム連携プラットフォームということですね。」

大坪「そうですね。開発や保守、運用、管理といったところで、システム連携には様々な課題が生じます。こういった課題を解決するのがシステム連携プラットフォーム、いわゆるiPaaS(Integration Platform as a Service)です。」

川端「iPaaSとはどのような製品を指すのですか?」

大坪「複数のシステム間をまたぐような定型業務をプログラミング不要で自動化する、システム連携のプラットフォームを指します。このiPaaSには大きく4つの特徴があります。」

【iPaaSの4大特徴】
(1)様々なシステムを簡単に連携
GUI操作でAPIを用いたシステム間連携を簡単に設定ができ、エンジニア不在でも利用可能
(2)連携シナリオを一元管理
作成した連携シナリオの稼働状況の管理が容易、保守運用フェーズも対応
(3)安価に手早く実現可能
シナリオの開発・実行環境はクラウド。PC・サーバー設置不要のためシステム連携開発の工数・費用の削減
(4)随時アップデート
連携できるサービスの追加やAPIの仕様変更に対応、将来の拡張性を担保

大坪「私たちはクラウドRPA『BizteX cobit(以下、cobit)』も提供しています。RPAとiPaaSは定型業務の自動化という面では似ていますが、RPAの課題領域は提携処理の自動化、iPaaSの課題領域はシステム連携や統合管理であり、異なる部分を対象とした製品となります。得意なこと・苦手なことがまさしく凸凹なんですよね。API搭載システムはiPaaSで連携、そうでないシステムはRPAを用いて自動化すると、お互いの苦手領域をカバーできるようになるんです。これらを組み合わせることで効果を最大限発揮できるのではないかということで、iPaaS製品を開発することになりました。」

RPAとiPaaSの違い

仮説検証に時間を掛けて掴んだニーズ

川端「Connectのサービス立ち上げまでに大変だったこと、苦労したことを教えてください。」

大坪「そうですね……既存他社製品との差別化に苦労しました。
既存他社製品は小粒かつ単発のタスクを解決するものが多いんですが、私たちが開発したいiPaaSはもっと広範囲の自動化を可能にするものでした。広くユーザー獲得をできる製品、もしくはコアな業務フローの自動化ができる製品を目指して、まずは『キーとなる業務』を見付けようとしたんです。これがなかなかうまくいきませんでした。

というのも、『キーとなる業務』に目星を付けて様々な方にヒアリングしたところ、『課題はあるけどiPaaSで解決するのは困難』という状況が目立ったんです。各システム間で渡すデータが揃っていなかったり、業務フローを深堀ると『担当者の判断』で成立している業務があったり、iPaaS導入前に解決すべき問題がありました。また、『キーとなる業務の自動化には、iPaaSの基本機能以外にも多くの機能が必要になる』という実態も見えてきて、ファーストリリースのスコープには適さない、と判断しました。

合宿合宿

(全社合宿の様子)

そのため、まずはcobitを導入してくださっている既存顧客の方々から頂いた『この動作をトリガーとしてロボットを動かしたい』という要望を実現するiPaaSの開発をすることにしたんです。実際にニーズがあるところから物を作り、徐々に業務フローの事例や連携するアプリケーションを増やしていく。この進め方に辿り着くまでが非常に大変でしたね。

新規・既存問わず様々なクライアントにβ版を試用いただいたところ、内60%が有償契約に合意してくださいました。開発チーム内でも『役に立つ・面白いものを作れた』という自覚はありましたが、顧客のニーズを満たす製品だと裏付ける数字が出て、一安心したのを覚えています。」

強みは「ユーザーに優しい設計」と「パートナーと進化する面白さ」

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(プロダクト開発のMTG)

川端「他社製品と比べて、Connectの強みはどういったところにありますか?」

大坪「一言で言うと、簡単・便利に利用できる国産iPaaSというところですね。特徴は大きく3つあります。

1つ目は、簡単操作でアプリ連携の実現が出来ること。cobitは『プログラミング知識の無いユーザーでもロボットを作成できる』ことをコンセプトに、ノーコード開発ツールとしてのUXにこだわって開発をしていました。Connectもそこで培った経験を活かし、自動化フローを簡単に組めるシナリオ作成画面になっています。

2つ目は、cobitと標準連携していること。RPAと標準連携しているiPaaSはほとんど存在しません。cobitとConnectの両方を開発している当社の場合、勿論RPA側のAPI開発もしているので、よりシームレスに、ユーザーが利用したいユースケースに沿った形での機能開発を実現できます。

3つ目は、独自のシステム連携テンプレート機能を用意していること。自動化の業務フローを組んだ経験の無い場合、どのように連携すれば良いのか分かりづらいですよね。その点Connectでは事例を基にしたシナリオテンプレートの用意をしているため、非常に簡単な設定だけでシナリオが作れるようになっています。今後もRPAとiPaaSの二刀流で、業務自動化支援の中で得たノウハウをテンプレートとして公開していく予定です。」

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川端「なるほど、誰でも簡単に理想的なシステム連携を組めるんですね!」

大坪「はい。BizteXでは様々なパートナー企業様との事業連携を進めており、Connectも他社プロダクトと連携しながら進化させていく予定です。それこそ、まだAPIが無いサービスとも取り組みを進めていて、ユーザー・パートナー・BizteXの3社間でAPI開発含めソリューションを作ったりもしています。そこは大変でもありますがConnectというプロダクトの強みであり面白いところでありますよね。」

あらゆるサービスと繋がっていく業務自動化プラットフォームへ

川端「Connectの導入事例を教えてください。」

大坪「株式会社ベアーズ様、株式会社デジタルガレージ マーケティングテクノロジーカンパニー様に導入いただいている他、BizteX社内でも日常的に活用しています。Salesforceダッシュボードのスクリーンショットを毎日Slackに流したり、経理業務を自動化したり。業界業種問わずどの企業様でもご利用いただけるiPaaSだと自負しています。」

▼株式会社ベアーズ様

▼株式会社デジタルガレージ マーケティングテクノロジーカンパニー様

川端「確かに社内でも広く活用していますよね。皆『どうすれば自動化できるのか』を考えながらcobitやConnectと向き合っているように感じます! それでは最後に、今後のConnectの展開や展望について教えてください。」

大坪「当社はオートメーションテックなので、iPaaSやクラウドRPAに留まることなく、業務自動化という文脈でサービスやプロダクトを展開していきます。そのためConnectは、今後生まれるサービスとも連携出来るプラットフォームにしたいと考えています。

Connect上で自動化サービスを作れたり、プロダクト同士を連携させたり、それこそ当社だけでなくSaaSを提供する事業者にも公開してもらい繋げたり。BizteXのサービスだけでなく他社も巻き込みながら、社内の業務自動化を推進するプラットフォームにしていきたいです。

様々な企業と事業提携をしながらプロダクトを進化させたい、やがてはマーケットプレイス的存在にしていきたい。この構想を実現するためには、解決しなければいけないテクニカルな課題が沢山あります。そのためにもぜひ優秀なエンジニアにジョインしていただきたいですね。一緒にConnectを育ててみたい方、ご連絡お待ちしています!」


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