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「既婚であることは隠しますか」 麻雀プロ・瑞原明奈さんの気高き回答|ちゅん

先日、初めてnoteで有料コンテンツを購入しました。
 
記念すべき初購入コンテンツは、某麻雀雑誌で連載中のマンガ作品です。タイトルは「明け凪のメーテル」で、麻雀プロの瑞原明奈さんの人生をコミカライズしたものです。

なんで購入したの?と聞かれれば「ファンだから」という以外の理由はありません。
 
嫌な予感がした方、そうです。この記事はただのファンが推しの麻雀プロについて語るだけのものです。
 
ただそんな、極めて個人的な感情をここで披歴しようと思ったのは、作品を読んで初めて知った瑞原プロのキャリア観に、多々、考えさせられたからです。断じて「推しの布教」ではなく、ましてやプロモーション案件ではありません。

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さて、皆さんは「麻雀」についてどんなイメージがあるでしょうか。
 
「違法賭博」「徹夜」「酒・タバコとセット」「オジサンのするもの」。少なくとも以前は、そうしたイメージも強かったのではないかと思います。
 
では、そんな麻雀をなりわいにする人とはどんな人か?
阿佐田哲也さんの小説「麻雀放浪記」はじめ、さまざまな作品の影響で「さすらいのギャンブラー」のような人を思い浮かべる方もいるかもしれません。
 
若い方にはまた違う印象があるかもしれませんが、20年前に大学生だった私には少なからず、上記のようなステレオタイプなイメージがありました。

瑞原プロの経歴をごくごく簡単にご紹介します。
 
早稲田大学卒。通信系の一般企業に就職後、結婚を機に退職し、専業主婦に。その後麻雀プロとなり、現在2児の母。年齢を公表しており、37歳。

いかがでしょう。麻雀に詳しい方は、最近はいろいろな方がいることをご存じかもしれません。しかしそうでなければ、典型的な麻雀プロのイメージからはかけ離れて感じられるのではないでしょうか。
 
プロになったのは10年前。大手企業がスポンサーにつき、麻雀のイメージを大きく変えつつあるプロリーグ「Mリーグ」が開幕する何年も前のことです。
 
想像に過ぎませんが、麻雀プロになるという決断をした彼女に、奇異の目を向ける人も少なくなかったのではと思います。
 
それでも彼女は、麻雀プロになりました。いまでこそMリーグの年間MVP受賞者となり、押しも押されもせぬトッププロですが、そんな輝かしい未来があることは何も分からないなかでの決断でした。

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プロになった理由は、一言で言ってしまえば「麻雀が好きだから」のようです。瑞原プロは学生時代に米国に留学していました。自由の国アメリカでの経験が、その後「他人の目を気にする必要などない」と思うようになったきっかけと言います。
 
「明け凪のメーテル」の表現によると、プロ入りのきっかけとなる番組出演の面接で、こんなことを聞かれたようです。
 
「既婚であることは隠しますか?」
 
女性愛好者もいるとはいえ、麻雀界は今も、プロもファンも圧倒的に男性が多数派。女性の打ち手はアイドルのように、異性との交際や家庭、年齢などについて情報を制限した方が、人気を得られるという考え方も存在します。
 
瑞原プロの答えは「いいえ」。
Mリーグで「気高き女海賊」の異名をとる彼女の「大好きなものを大好きと、胸を張って答えたい」という信条が、そこにはあったのではないかと思います。 

「好きなことをやりたい」「ありのままの自分でいたい」
 
それは、口で言うほど簡単なことではありません。ほとんどの方は、自身のやりたいことと周囲の環境に折り合いをつけ、希望を飲み込んだり、周囲の期待に合わせて自分を演じたりすることがあるはずです。
 
瑞原プロも、やりたいことだけをやっているわけではないでしょう。ご家族の理解と支援といった、環境に恵まれた面も少なからずあると思います。
 
しかしそうした面があるにしても、「なりたい自分」であるために最も大事なことは、「自分はこれが好き」「こうしたい」とはっきり表明すること。それは時に勇気を必要としますが、望む未来を手に入れるための唯一にして最大の手段ではないでしょうか。
 
叩けよ、さらば開かれん。瑞原プロが牌(はい)を切る姿に、扉がいつもそこにあることを教わるいち視聴者です。
 
ゴリラ、大好き。


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