見出し画像

『デキる社員』の退職を減らすには、学び直し支援への投資が必要不可欠

コロナが日本列島にも猛威をふるい始めてから、早くも半年が経過しようとしています。それにより、企業での働き方も一変し、出勤が当たり前だった環境からリモートワークになる企業が多くなってきました。

もしも、この先もリモートが当たり前となり、出社という概念がなくなるとするならば、多くの企業はオフィスを移転することでしょう。その筆頭が、パソナの本社移転ではないでしょうか?

東京都千代田区から淡路島への移転。それだけで、パソナがこれまで払っていたオフィス賃料は年間で、どれだけ軽減されることだろうか。

ちなみに、2020年の路線価によると、これだけ差があります。
東京都千代田区:2072万円/坪
兵庫県南あわじ市:11万円/坪

パソナほどの大規模移転はしないにせよ、これまで1000人単位で収容する必要があったオフィスを、300人程度が収容できる規模に移転しても問題ないと判断する企業なども増えてくるでしょう。

もしかしたら、オフィスそのものを手放し、法人住民税の税率が少しでも安い地域へと本社を移転して、節税対策を取る企業も出てくるかもしれません。

そして、オフィスへの出勤が無くなることで、オフィスの維持費用(備品関係、清掃費用etc)であったり、通勤交通費といった移動費用などの付随費用も大幅に削減することが出来ます。

このように、従業員の働く場所がオフィス一択でなくなることで、企業にとってはこれまで必要だった費用を削減できるようになります。

そして、従業員は通勤時間が無くなるのでストレスも軽減されるし、自由な時間を確保できるようになります。

また、地方に住んでおり親の介護などの問題で、どうしても都内に住んで働くことが難しい人たちにとっては、賃金相場が高い都内にある大企業で働けるチャンスも出てくるでしょう。

企業にはお金。
従業員には時間。

これにより、浮いたお金を給料に回すという手段もあるかと思います。一方で、今回のコロナのように想定外の事態により経営が悪化する可能性を想定すると、安易に給料に回すという事よりも内部留保として蓄えておきたいと思う気持ちも十分に分かります。

ただ、内部留保として蓄えておくことは、万が一の防御策としては使えますが、企業の成長という点にはお金が回っていないので、成長機会を逸してしまい、他社に市場を奪われ、結果として規模縮小になってしまう可能性もあります。

そう考えると、やはり内部留保は最低限に留めておき、それ以外のお金を攻撃(=投資)に回す方が有効であると思います。
そして、その投資の最たるものが、個人的には従業員のキャリアアップに向けた教育投資であると思っています。

従業員へのキャリアアップ投資こそ企業成長の鍵である


『自分が学びたい分野の勉強を会社が支援してくれる。』

こうした想いを感じる従業員が増えることで、向上心があり、成長意欲に溢れた、世間で言うところの『デキる社員』と呼ばれる層にいる社員たちは、会社へのロイヤリティが高まっていきます。

彼・彼女たちにとって、会社とは『自己実現の場』『社会に対して良い影響を与えていることを実感できる場』です。

もしも、今所属している会社が、時代の流れに逆らい、過去の遺産にしがみ付くような振る舞いをし、ここにいても変化を味わい、成長する機会を奪われると感じてしまえば、彼・彼女たちは会社を飛び出して行ってしまいます。

逆に、変化に対して常に柔軟に、どんな時でも新しい挑戦を続けていく刺激に溢れた会社であれば、給料が一時的に減ろうが、自分たちの力で業績を回復させて、過去最高の売り上げを作り上げて給料も過去最高にすれば良いと考え、会社に留まります。

なぜならば、
彼・彼女らにとって、働く上でのモチベーションは『お金』よりも『自己実現』『自己成長』『社会にとって良い影響を与えている実感』といった心理的な要素が大部分を占めているからです。


そして、
教育費用に加えて、もう一つ浮いたお金で創設できるならばして欲しい制度があります。
それが、『社内起業制度』です。
(社内起業制度に限らず、学んだことを行動としてアウトプットできる場になれば何でも良いです。)


なぜ、この制度が必要なのか?
それは、

『教育とは、インプット→アウトプット』

この流れが揃って初めて、教育が価値ある実のあるものになるからです。こうすることで、社員の能力は間違いなく飛躍的な向上をします。
それが分かっているから、『デキる社員』は、学んだことを実際の行動で試してみたいと思う欲求を常に抱えています。

「インプット→アウトプット」

この流れを今いる会社で実現できると分かれば、それはデキる社員にとっては、これ以上ない環境だと感じてもらえるようになります。

今、会社で活躍することが出来ている社員の人たちは、恐らく、どこの会社でも活躍することが出来る人たちでしょう。
そして、時代の流れに逆らい、過去の遺産にしがみ付くような振る舞いをし始めると、真っ先に飛び出していく層が、会社を支えている『デキる社員』たちです。

『デキる社員』に今働いている会社で働き続けたいと思ってもらうには、一時的な給料アップよりも、『常に学び体験することができる』環境を用意することが重要です。

最後に

この先、コロナ以上の困難や混乱が待ち受けているかもしれません。また、長期政権となった安倍内閣が終了を迎えたことで、日本に変化が生じるかもしれません。

そんな時、会社を支え、混乱の中でも確実に業績を伸ばしていけるかどうかは社員一人一人の能力次第です。

その能力を伸ばすために必要なのが、「学び」に他なりません。

デキる社員は混乱する時こそ、自分の学んできた知識・体験してきた経験則を活かしてみたいと、うずうずしています。
ぜひ、コロナにより混乱している社会を上手に活用して、デキる社員がワクワクして働けるような組織へと変革してみては、いかがでしょうか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?