見出し画像

東京都内で美容外科医をしてます、酒井形成外科の酒井倫明(さかいみちあき)と申します。
 「四半世紀以上の間、美容クリニックの院長をしているのだから、美容医療情報を積極的に発信して行った方が良いですよ」と知人にアドバイスを頂いたので、少しずつ自身の経験・知見をこの場で発信していこうと思います。

更新は不定期ですが、商業的な要素は一切抜きにした純粋な医療知識・見解の発信の場としてお付き合いください☺️

 美容医療が医療として認知されるまでのハードル

私が大学病院の形成外科医として医者の道を歩み始めてはや30年以上経ちました。その間に医療の技術や制度は目まぐるしく変化しました。そのおかげで今では「人生100年時代」が唱えられています。内閣府の発表によると日本人の平均寿命は2000年から2020年の間で男性は3.21歳、女性は3.05歳も長生きできるようになりました。

 変化が激しいのは美容医療の世界も同様です。いや、ある意味では美容医療は保険診療の医療以上に社会的変化を起こしたといえるでしょう。 30年前、まだ美容医療は怖い・痛い・怪しいというイメージが先行しており、私もそのイメージを払拭するのに随分と苦労したものです。災害や事故で傷ついたお顔を修正している時は周囲から医療として認知・感謝・尊敬されるにも関わらず、健常な方への美容医療となると一気にイメージダウンしてしまう、不思議な論理がまかり通っていました。 

 しかし、時代は多様性を認めるようになり、美容医療の地位をあげようとする先人たちの努力と美容に関する医薬品や医療機器の進化に伴い、美容医療はすっかり市民権を得ました。ダウンタイム(施術後の回復期間)の少ない施術も物凄く増えましたし、「美容皮膚科」という診療科目も一般的になりました。リクルートライフスタイルの発表によりますと、若い女性世代(10~30代)に関しては何らかの美容医療を受けている方がマジョリティになっています。医療脱毛に至っては男女関係なく施すことが当たり前ですし、スキンケアに関しても男性が急増中で、このままいくと男女比が均等になる時代も近いのではと思うほどです。

なぜ美容医療はここまで普及したのか? 

 美容医療がここまで求められるようになったのは社会的背景が非常に大きいでしょう。髪は1本でも多く、ウエストは1センチでも細く、目は1ミリでも大きく、それを公然と競い合うような世の中になってきています。

韓国にあげられる受験戦争、就職活動においてビュジュアルが優れている方が有利という通説もあながち否定できるものではありません。残念ながらどこの国、いつの時代においても外見で周囲から差別されることは少なくないのです。先天的・後天的に関わらず、自身の外見に関して真摯に悩まれている方が沢山います。

 このような社会背景の中で、外見を自身の理想に近づけるということは、コンプレックスを取り除き、自信を取り戻し、未来に希望がもてると言っても過言ではありません。化粧が普及していったように今まさに美容医療は装いを新たにする一つのツールとして普及しているのです。 

正しい美容医療の知識を取捨選択するために

 普及が進んでいく一方で患者側も正しい美容医療の情報を集めることが大事です。どのような施術を、どのような医療機関を、どのような医者を選べばいいのか、患者様自身が正しい情報をもち、選択をしていくということは医療においては極めて重要です。

ただ、この情報過多な時代で正しい知識のみを拾い上げるということは生半可なことではありません。 私自身、誤情報に惑わされないように情報を手広く集め、そして吟味するように心がけています。

このコラムでは、少し専門的な内容も出てくるかもしれませんが、できる限り噛み砕いた言葉で美容医療の情報を発信していきたいと思いますので、皆様方の正しい美容医療の知識・理解の醸成になれば幸いです。 

 「身も心も美しい人生で」 

 引き続きよろしくお願いいたします。


酒井倫明(さかいみちあき)

酒井形成外科:https://www.sakai-keisei.gr.jp/

スクリーンショット 2021-07-12 14.05.50

 参考サイト・資料 

「令和元年版高齢社会白書」/内閣府 https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2019/html/zenbun/s1_1_1.html https://www8.cao.go.jp/kourei/kou-kei/24forum/pdf/tokyo-s3-2.pdf 

 「美容センサス2019年下期」/株式会社リクルートライフスタイル https://www.recruit.co.jp/newsroom/recruit-lifestyle/uploads/2019/11/RecruitLifestyle_HBA_20191120_001.pdf 



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?