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筋肉量不足

概要 


筋肉量不足とは、生活を行うのに必要とされる筋肉量が備わっていない状態のことを指します。

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筋肉とは、関節や骨格などを保護し、活動に必要な物質を貯蔵したり、と生命活動を正常に行うために非常に重要な働きをしています。
つまり、筋肉量が不足するという事は関節や骨格を損傷しやすくなり、生命活動が困難になるなどのリスクが非常に高まる、という事になります。

なぜ、筋肉量が不足するのか?というのは個々様々な要因があり複雑ですが、
筋肉量不足の種類を大きく分けると4項目に分かれます。
① 加齢や内臓機能低下などによるサルコペニアによる不足
② 活動量に対し、栄養摂取や休養面のアンバランスでの不足
③ 生活習慣や業務など、特定の動作における不足
④ 血管や内臓機能などの働きの為に必要な量の不足

などとなります。

例えば、サルコペニアとは、加齢や疾患により、筋肉量が減少することで、握力や下肢筋・体幹筋など全身の筋力低下が起こり、歩くスピードが遅くなったり、杖や手すりが必要になるなど、「身体機能の低下が起こること」を指します。
加齢が原因で起こる筋衰弱 加齢以外にも、日常生活動作や疾患、栄養状態によっても起こるため、筋力低下から結果として筋肉量が不足することが多いです。

また、スポーツ選手やトレーニング愛好家、肉体労働を行う方などハードに肉体を酷使される方でも、意外に筋肉量不足の症状がみられます。
例えば、本来持ち上げられないような重量物を持ち、筋肉などの限界値を超えて骨格などに負担をかけてしまう、といった例です。
また、充分に休んだり栄養摂取を摂らないことで、筋肉の分解を生じさせて不足したりします。

デスクワークでうつむいてパソコンを操作していたら、首が痛くなった。
これも筋肉量や筋力の不足が関係します。

このように、筋肉量不足も様々な種類があり、自分自身に合った改善法を行わないとなかなか解決しないのが難しい所です。
当社記事では基本的な知識面からボディビル競技に至るまで、実践的な部分を深く広く掘り下げていきます。
どのくらい栄養を摂取し、どのように心がけるか、トレーニング法からケアまで、すぐに実践可能です。
それにより皆様の疑問やお悩みが解決すればうれしく思います。

理想の身体や、不安のない老後、機能の良い内臓など手に入れるため、いま頑張っていきましょう!
さあ、それでは本編をスタートしていきましょう!

筋肉量不足の解消~初めに~

近年、「健康寿命」や「QOL(Quality Of Life:生活の質)」といったワードをよく耳にします。
この二つは人が生涯、健常であり続ける能力なのですが、これらに一番関係が深いのが「筋肉」とされています。
例えば、立ったり歩いたり姿勢を維持したりといった日常動作の基盤となる筋肉が、QOLに強い影響を与えると言われ、これらの筋肉を鍛えるトレーニングを継続的に行うこと、また日常から活動的な生活を送ることが大切です。
また、筋肉はマッチョな男性の表面上に浮き出しているもの、な印象を持たれますが、実際は内臓の表面にも筋肉が存在し、筋肉量不足は臓器の不調などにも直結します

筋肉の種類を簡単に説明

筋肉は大きく分けて骨格筋と平滑筋の2種類があります。
骨格筋は、骨や皮膚、他の骨格筋に付着して、関節や脊柱などの骨格を動かす働きをしており、重力に抗して姿勢を保ち、筋収縮を行うことによってエネルギーをつくりだすことや内臓を保護することなどの働きをしています。
これに対し、平滑筋は内臓や血管の壁に存在し、緊張を保つことや収縮によって内臓や血管の働きの維持を行っています。

骨格筋のうち、重力に抗して姿勢を保つために働く筋肉は「抗重力筋」とも呼ばれていまして、運動不足や低栄養または加齢による筋力低下や筋量不足は、字のごとく重力に逆らう事ができずに歩行能力や立位機能が保てず、転倒や関節障害のリスクを引き上げ、側弯や異常な前弯などの骨格の異常を生じさせます。

また、身体を動かす際、その動きを行うために主に働く筋肉は「主動筋」と呼ばれ、主動筋と反対の動きをする筋肉は「拮抗筋」と呼ばれますが、これらのどちらの筋力低下や筋量が不足してもバランスが崩れて運動の機能低下をもたらすので、長時間のデスクワークや運転作業、偏った運動などが原因で、正常な動作が行えず、ギックリ腰や四十肩などの症状が引き起こされることもあります。

これらQOLに直結した、日常の身体活動を支える筋肉ほど加齢や、悪いとされる生活習慣の影響などで衰えやすいと言われ、例として、立ち上がる動作で主要な働きをする太腿前の筋肉量の80歳代の平均値は、20~30歳代の平均値の半分程度であるという報告があるくらいです。(石井直方氏の著書参照)
つまりは20~30歳代のときに片足で立ちあがる筋力や筋量を有していなければ、80歳代になった時に自力で立ち上がることが困難であり、寝たきりになる可能性が高いということになりますので、筋肉や筋力の維持は、「健康寿命」や「QOL」の対して最重要課題である、と言い切れます。

このような加齢性の筋力や筋肉量低下を「サルコペニア」と呼び、それによる虚弱や弱体化を「フレイル」と呼びまして、これらは近年、非常に問題視されています。
実際に著者の実母も、便秘が原因で食が細くなり、それにより運動量も低下、結果早くからフレイルを引き起こしました。
虚弱は実はかなり大変なものでして、うつ症状やアルツハイマー型認知症のような症状に陥り、更なる虚弱に、というふうにどんどん悪化し、半年以上を入院に費やしました。

改善、予防は可能か?

しかし、筋肉は鍛えることで何歳になってからでも強く大きく発達させることができるため、サルコペニアを防ぐことは可能です。
全米スポーツ医師会などの資料では、外に積極的に出るなり日常を活動的に生活し、ウォーキング・ジョギングを30分以上行う、などの運動の時間を週に2回ほど確保、それだけでも全然違うと言われています。
さらに強度を上げて、標的の筋肉を直接鍛えるレジスタンス運動(いわゆる筋トレ)を行うことサルコペニアによる筋肉の委縮の程度をおおむね1/3程度に抑えることができると報告されていたりします。

また、スポーツなどで身体に直接的に負荷をかける場合は、平均的な筋肉量や筋力を保有している事は当然としながら、そのスポーツの特性に合わせて極端に発達させておく事が必要となります。

様々な例


また筆者である私の例になりますが、
15歳から大相撲の世界に入りまして、20歳になるころは178cm130kgくらいになり、一般的には十分な筋肉量を持っていたと思います。
トレーニングもバンバン行い、手でも足でも200kg以上の重量物なら問題なく挙上できるくらいの筋力は持っておりましたが、対戦相手がかけてくる負荷はそんなものではなく、ある日の取組で膝の靭帯をほとんど断裂してしまいました。

また、以前指導していた大学バドミントンの選手などは、関西制覇するほどのポテンシャルの身体でしたが、日々の練習のダメージの蓄積から、普通に練習していただけで重度の肉離れになり、大事な大会を欠場したりしていました。

また、知人のボディビルダーは、充分な筋肉量を持っていますが、コンテスト前に低栄養状態にしすぎるために、保有している筋肉の力が思うように発揮できず、いつも扱うダンベルなどを支えきれずに肉離れなどを起こしたりします。

まとめ

このように、競技特性による強烈な負荷に耐えれなかったり、練習による疲労で限界を迎える、栄養状態の悪さによる機能低下というのも、色々な意見はありますが筋量や筋力不足となります。

その他にも、体温の維持やリンパの流れなど様々なところで筋肉は重要になりますので、筋肉を鍛えることを嫌と思わず、栄養摂取とともに行ってみてください。

次回からは、具体的な筋肉量の維持に関して説明していきます。

続き↓


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