伝えたい
これは去年に撮った、なつかしの写真
小さな時父親に、無理矢理、魚釣りに連れていかれてたが、その時は車から降りてまでは撮らなかった景色だ。
しかし、大人になった今、自分の意志で車から降りて写真を撮ってみた。
美しい景色だと思った。魚釣りが嫌だったから、ただの景色として子どもの時に覚えていた場所に自分の意志で降り立って撮った景色。
父親が、無理矢理、俺を連れ出していなかったら撮れてない景色だ。
大人になって出来ることがたくさん増えたが、自分の意志で見てきた景色は決して綺麗な景色ばかりではなかった。
今思えば、なぜ父親が俺を魚釣りに無理矢理連れ出していたのかが、なんとなく分かる。
親がなにかと口うるさいのは、自分が失敗した事を子供に同じように経験してほしくないからだ。失敗して初めて気付くことも多いが、失敗したら痛みや苦しみを伴うことが多いから、せめて可愛い子供には同じような苦しみを経験せずに、失敗を避けてほしいからだと思う。
だから、口うるさく注意するのだ。
自分が通って痛い思いをした道だから。
それは良い経験も同じだ。
後になって、やって良かったなと思うことはたくさんある。
だから父親は、自分が経験した良い経験を俺に教えようとしてくれてたんだと思う。
それは、魚釣りだけじゃなく、そこに辿り着くまでの綺麗な景色も含めてだ。
そんな事を思いながら、横でパソコンをいじってた父親を見たら、
「マウスが動かん!!」
と、1人怒ってたが、手に持ってたのはマウスではなくテレビのリモコンであった……
あぁ……父よ、今度は僕がいろいろ教えてあげるよ……
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