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【映画感想#3】カリガリ博士 原題:Das Cabinet des Doktor Caligari【アマプラ】

本日観た映画の紹介です。ドイツの白黒サイレント映画で、ジャンルはサスペンスやホラーになります。怖くないですが。
ネタバレを含みますので、ご注意ください。
アマプラで観られます。

はじめに

1920年ドイツ ロベルト・ヴィーネ監督 『カリガリ博士』
ドイツ表現主義映画において、多大な影響力のある作品です。


ドイツ表現主義とは、
『ドイツにおいて第一次世界大戦前に始まり1920年代に最盛となった芸術運動で、客観的表現を排して内面の主観的な表現に主眼をおくことを特徴とした。建築、舞踊、絵画、彫刻、映画、音楽など各分野で流行し、「黄金の20年代」と呼ばれたベルリンを中心に花開いた。日本を含む世界各地の前衛芸術に影響を与え、現代芸術の先駆となった。』(Wikipediaより引用)

とにかく、芸術面において素晴らしいです。セットや音楽が何ともアーティスティックで、見ごたえありました。

ところで、1920年のドイツといえば、1918年頃に第一次世界大戦で敗戦国となり、とても貧しくなった時代。
その中で、あのアドルフ・ヒトラーがメキメキと力をつけている頃です。

あらすじ

青年がドイツのある村で起こった出来事について老人に語り掛ける場面からはじまります。
そこからほぼその話の内容の回想シーンです。
青年の出身村に見世物小屋がやってきます。
支配人の名をが「カリガリ博士」。
見世物はチェザーレという男です。
チェザーレは23年間、箱の中で眠り続けているとのこと。
目覚めたときに予言をすることができるという。
青年は友人とともにその見世物小屋へ見物に行く。
友人はチェザーレに向かって「私はいつまで生きられるか」と問い掛ける…

といったところです。

見世物小屋って

見世物小屋は英語では「Freaks show」と言います。
およそ1800年代中頃~1900年代中頃にヨーロッパで栄えた興行だと言われています。歴史をたどるともっと古いです。宗教が絡んでなくなったり、また流行ったりとかなかなか複雑です。

『怪奇!蜘蛛女』『恐怖!首無し女』みたいなトリックを用いたものもあれば、

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低身長症や結合双生など、身障者を見世物にしていたものもあります。『フリークス』というこれまた白黒映画に多くの方が出演していてよくわかるかと思います。内容も非常に面白いです。アマプラで観られます。

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今では考えられないですね。仕事場として雇用の機会を与えるという側面があったそうですが。
『フリークス』を観てご自身でジャッジしていただければと思います。暗い映画ではないです。むしろ明るい感じ。筋は本当に面白い、よくできた映画だと思います。

日本でも江戸~明治頃にかけて見世物小屋は数多く存在しました。
象やラクダなど、珍しい生き物や、曲芸を見世物にしていることが多かったものの、西洋と同じく身障者を見世物にすることもあったそうで、徐々に少なくなっていきました。
かたちを変えて今でも残っているとかいないとか。ほとんどが曲芸や演芸、手品だと思いますけどね。


こんな人におすすめ

ホラーやサスペンスのジャンルが好きな方。後のホラーやサスペンスに多大な影響を与えたと言われている本作ですので。

芸術的な側面を感じながら映画を観たい方。セットがいちいちかっこいいです。これ、ただの部屋と役所ですよ。すごいですよね。

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英語を勉強中の方。基本的にはサイレントですが、解説が必要な場面において、英語による字幕画面が時々うつります。ドイツ映画なので。ゆっくりかつ易しい文章が多いので楽しいです。

さいごに

ドイツ映画らしい、仄暗く、ダウナーな雰囲気がいい感じです。
白黒サイレントでも時間が短くテンポ良いのでサラッと観られます。結末は何ともゾクリとします。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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