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料理と世界と地方

2回目の投稿にして少し大きい話なのですが、料理と世界の国々と日本の地方について考えて見たいと思います。普段あまり食事や外食するときにそのような事を考えながら食べている方の少ないし自分には関係ないところの話しと思うかもしれませんが決して関係ないとは言い切れないのです

まず料理人の仕事というのは基本的には裏かたの地味な仕事です。現場は奥まっていて何をしているかよくわからないけど、厨房から料理が運ばれホールスタッフが運んでいきます。時間も長時間労働の現場が多いですね。日本では特に感謝されることもない仕事です。各国に首脳クラスの立食パーティーで日本人だけが現地のシェフに感謝の意を示さなかったそうですね。私的には食文化や歴史の違いなので特に気にもしなかったのですがかつての同僚はお怒りのようでした。ですがたとえ感謝されなくてもやりがいのある仕事だと私は思います。料理人のみんなは人を喜ばしたいという思いで料理をしているのだからおいしいって言ってもらえるだけで長時間労働も報われるというものです。

さて、今日料理した、食べた食材はどこからどのようにして食卓にのぼっていますか?

最近では地産地消が推奨されスーパーでも地元産野菜のコーナーも増えましたし、産地の明記もはっきりとしています。昔は輸入の食材も多く季節感もごちゃごちゃ。ひと昔前の料理本を読み返すと思うのですが、白菜のトマト煮だとか白ネギと鮎の料理だとか今思うと夏の食材と冬の食材が一つの皿に乗っている。それを違和感なく料理し、提供し、食べる人も疑問なく食す。そんな時代があったように思います。自分も当時は産地や国の事を考えることなんてあまりなかったと思います

しかし今では地方に移住し近くでとれたての野菜がすぐに手に入る環境になり季節をありのままに痛感し、野菜の栽培方法でも味が変わるものかと新しい発見の毎日です。近くの産直市ではトレーサビリティーシステムが導入され、生産履歴(いつ種をまいたとか、いつどれくらい肥料を入れたとか)が見れるようになりました。今まで以上に食材の事がよくわかる環境になったのですがその反面知らないと信用のない食材を手にするかもしれない。そんな時代にもなったかなと思います。

現在特に世界中のあらゆる国々から色々な食材が日本に入ってきています。食料自給率40%ほどのこの日本では国と国との摩擦で食材の値段が乱高下したり輸入が止まったりだとかみさなんの食卓にすぐに影響が出てくるのです。コロナの影響でも野菜の値段が高騰していた時期がありましたね。4月頃でしょうか、白菜が高騰のニュースが流れてきたのですがコロナと絡めて報道してあたかもコロナのせいで白菜が高騰しているのだと言っておりましたが4月には白菜も花を咲かせ種を残す時期だろうと思いニュースを見ておりました。都会では季節の感覚が薄れているのだなと昔の自分もそうだったと思い出しました。

日本ではトイレットペーパーやティッシュの買い占めが起こりましたが、アメリカでは種の買い占めが起こったそうですね。この話を聞いたとき種を買っても食べれるようになるまで半年も管理しなければならないのに、と思いましたが半年先の輸入が止まった状況を想定してでの行動だとしたら、とても感心しました。日本は目先のペーパーをデマ情報を信じて買っている頃にアメリカでは種を買い半年先まで見据えていた。そう考えると改めて日本は物に溢れていて平和を信じてやまない国なのだと改めて実感しました。

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今後私たちはの食卓はどのように変わっていくのでしょうか?TPPのついてはいろいろなところで議論され尽くされていると思うので省略します。もしもう一度コロナ以上の疫病が流行ったり、戦争が起こったりして輸入が止まり食材が入ってこなくなった場合、自給率40%の日本で生きる為の『食』を考えなければいけないのかもしれません。料理人としても、日本人としても

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