自分に自信が持てない”インポスター症候群”かも?

女性向け(こういう表現もいずれ無くなってくるんでしょうけど、あえて)ファッション誌の記事に、”インポスター症候群”というフレーズがあり、ちょっと気になって記事を読んでみました。

あの偉人も!? ビッグな彼らがインポスター症候群を克服するまで。(VOGUE JAPAN)

すごく乱暴に言ってしまえば、「自分に自信が持てない」ということですね。ちょっとエピソードをお話すると、昨年9月に社内異動をしました。新しいチームのメンバーに自己紹介をするために、自分の趣味に関する写真をPPTに貼り付けて1枚のコラージュのようなスライドを作りました。DJが趣味で、バンドでギターを弾いていて、音楽フェスによく行って、料理が好きでホームパーティをやったり、薬膳酒を作ってみたり、キャンプに行ったり。あとは、資産運用も色々やっていて、不動産とか太陽光発電とかオフショアとか、ヘッジファンドとか。全部本当のことなんですけど、趣味だけ並べて紹介すると、すごい"リア充"なひとに見えてしまうんです。チームメンバーの反応を見て「ああ、やってしまった…。」と思いました。職場やプライベートでも、若い人から「尊敬しています」とか言われたりします。その度に、「若い人から尊敬されるような人間じゃないのにな。」と心の中で呟いている。素直に喜んだらいいんでしょうけど、できない。過度な謙遜はむしろ嫌味に見えてしまうので、適当に受け入れるリアクションを取っています。

職場ではただの平社員ですし、何か社会にインパクトを与えたような実績もありません。趣味も一見色々やっていて充実しているように見えますが、自分を”非リア”だとは思っても”リア充”だなんて思ったことはほとんどありません。基本的にはメンヘラですから、いつも不安で思い悩んでいます。

でも、周りから見たら大手広告代理店からGAFAMに転職して、プライベートではDJやって、料理もできて、お金にも詳しい。なんか、チャラい感じです。ディスカッションが好きなので、よく発言しますし、大きな声で笑います。リモートで人間関係が疎遠になるので、職場のメンバーとのチャットでは、できるだけコメントやリアクションをするように心がけています。そんなこんなで、ユーモアもあって、周りを明るくしてくれる、みたいなキャラになっています。そんなチャラついた奴が、学生時代の頃にオーバードーズで死のうとしたなんて、誰も信じないと思います。

仕事での失敗が怖いので、チャレンジする勇気がありません。失敗が怖いので、必要以上に準備してしまったり、仕事に時間を割いたりしてしまう。大丈夫じゃなかったことなんてほとんどないし。ヒューマンエラーによる凡ミスは今でもあるけど、マニュアル作業でミスが生じるのは防ぎようがない。マニュアル作業を消す仕組みを作る権限を与えるか、仕事の量減らしてくれ、としか言いようがない。

ヘッドハンターからもしょっちゅうメッセージがくる。今はかなりの売り手市場ではありますが、それでも、それなりのというか、かなりの大手企業からのオファーが来る。

普通に「もう十分なんじゃないの?」って思います。僕のパートナーも、「どうして自分の基準がそんなに高いの?」と呆れられています。仕事にしても料理にしても、DJにしても、バンドにしても、「もっとこうすればよかった。」という考えが必ず生まれる。上手くいった時は、むしろ”何事もなかったこと”への安心感が強く、達成感に乏しい。

インポスター症候群について知ると、「自分にも当てはまるかも」と思う反面、「そもそも大した成果もあげてないんだから、別に普通のことか。」とも思う。

クライアントから感謝されるように頑張って仕事に取り組んで、実際に感謝の言葉をいただくこともありますが、全く響いていない。「大したことは提案していない。普通のことだ。」と思うし、「トラブルの解決は付加価値ではない」とか思ってしまう。トラブルの解決ってそもそもがマイナスからのスタートなので、双方あまり良い気分ではないのですが、付加価値の提供と呼ばれるようなものよりも、即効性が生まれるときがあります。

自分の中の北極星=目標がないので、とりあえず身近な人の役には立ちたいと思ってはいるのですが、それすら、できているのか自信がない。他人の評価など気にせずやりたいようにやればいいのに、心は閉じ込められているような気分。どんな仕事に就いても、この不安は解消されない気もする。自分の心の持ちようだから。転職して、人が変わったようにイキイキと仕事ができたらいいのにとか思いますが、外部に期待するのは自分の価値観と合わないので、どうしても”気の持ちよう”を考えてしまう。

そんな鬱々とした気持ちを抱えているのも、いい加減なんとかしたいので、最近トライしているのは「今に集中すること」。とりあえず、今に集中して、やることをやる。感覚的ですが、不安になったり、あれやこれや考えると、まさに”上の空”という感じで、意識や感覚が上の方に行く。だから、きゅっと力を入れて、じっと下を見て、今に集中しようと試みます。そんな時に、仏教的な考えや、瞑想的なスタンスは役に立ちます。現在に自分をくくりつけてくれるので。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?