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グリーフ哲学

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大切な方を亡くした方に
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2022年4月の記事一覧

グリーフ哲学をー間(あいだ)にあるといふのは

グリーフ哲学をー間(あいだ)にあるといふのは

親と子、妻と夫、あなたとわたし・・・・、この二つのものを結ぶのは、「と」という間(あいだ)です。間があるからこそ、この二つのものが存在するといってもよいでしょう。

「愛は私にあるのではなく、相手にあるのでもなく、いわばその間にある。間にあるといふのは、二人のいづれよりもまたその関係よりも根源的なものであるといふことである。」(三木清著『人生論ノート』、新潮社)

愛は間に在って異なる二つのものを

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グリーフ哲学をー闇があるからこそ

グリーフ哲学をー闇があるからこそ

カントの『実践理性批判』の終わりに、こういう有名な文章があります。

くりかえし、じっと反省すればするほど常に新たにそして高まりくる感嘆と崇敬の念をもって心をみたすものが二つある。わがうえなる星の輝く空とわが内なる道徳律とである。この二つのものをわたくしは暗黒におおわれたものとしてまた超絶的なものとしてわたくしの視界の外に求めたり、憶測したりしてはならない。わたくしはそれを目の当たり見て、直接わた

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グリーフ哲学をー自責の念

グリーフ哲学をー自責の念

夫は、ある日、自らこの世を去ってしまいました。あまりにも突然のことで、青天の霹靂とはまさにこのことでした。

気づかなかった自分を責め、そして自責の念は自分の在り様にまで及び、当時の私は完全に打ちのめされてしまいました。

ああしておけば、今はこうだったかもしれない、そうしたら、こうなっていたかもしれない。わたしの現在は「今はこうだったかもしれない」という思いとのギャップでしか感じられない空しいも

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