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【写真】it's a flash,#slowlight

#slowlight

(前回のつづき)
 座席と座席が離れていない、講堂での授業だった。机の下では、その女の子に引き寄せられるまま、手を握られてしまっていた。指が絡んだり、両手で握られたり、くんずほぐれず感さえあった。

 ドキドキしていた。断る理由もなかった。
 少しずつ、距離は縮む。絡められていた指は解け、腕そのものをがっしりと捉えられてしまう。巻きつくように体を寄せられ、二の腕や、肘に、その子の胸の感触が、体の温度が、吐息が伝わってきた。僕はまだ、不慣れには不慣れだった。そして、正直に言うなら、やっぱり嬉しかった。

 3クラスが集う、講堂の最後列では、そんな恋の駆け引き(←?)が、繰り広げられていた。
 二日目の講義が終わるころになると、僕は、西村良太やヒロアキコマツとすっかり打ち解けて、親友と呼べるほどになっていたが(いまでも親友だと思っている)、その、先述の、とても積極的な女の子もぴったりとくっついて来ていて、クラスや同級生たちから「ファーストカップル」だと囁かれてさえいたらしい。
 その女の子は、人前であることなんて無関係に、頬にまでキスをして、驚いてかたまる僕の唇にもキスをした。そして、「私たち恋人やねん」と、クラスメイトに宣誓した。
「あかん?」
 甘えた声だった。
「あかんことないです」
 どうにかそう答えるだけだった。
 されるがままの、波乱の学生生活の幕開けでした。ありがとう、Sちゃん。


「人は高きに集まり、水は低きに集まる。天かす好きははなまるうどんに集まり、ネギ好きは丸亀製麺に集まる」
 という、名言。
 以前、勤めていた会社の、社長の発言。
 実際のところ、人も低いところに集まっていると思う。老いも若きも。
 楽しみたいと、楽をしたいというのは、別のこと。誰にでもできることや、簡単にできそうなことって、感動しない。その技術に憧れられない。
 僕はよく料理をするんですけど、誰にでもできるような、簡単なことしかしない。だから、こっそりと自分のためにやっている。


 ある、有名なお寺の住職の法話に。
「インターネット、SNSの時代もそろそろ終わり。必死に、汗をかいて働く人が生きるほうが良いのだと、人々は気づき始めています」
 という話があった。よくわかる。
 人は自由を享受するには、まだまだ未熟なのかもしれない。まだまだ、自由を獲得するには、幼いように思う。年齢を重ねた、中高年世代のほうが幼く感じるのは、滑稽で、悲しい。この国の縮図かもしれない。


 久しぶりに髪を短くした。
 前髪を作って、パーマをかけた。金髪のボウズ頭もいいかなって思ったけれど、長髪からそこまで変化してしまうと、認知されない気がして。短いって楽ですね。


 noteと並行して、昨年から執筆していた、「さよなら夏の日」という、約八万字の中編小説がようやく完成します。あと、3000字ほど、ラストを書くだけ。
 腹話術師の父、ハル。すでに他界した母、はな。その二人の娘で小学六年生の、いなほ。前半を母が、後半を娘が語る、ひと夏の出会いと別れ。春の花から、夏に生まれた、いなほ。少し生意気で、とてもすてきな女の子だと、書いている本人が思います。
 それからそれから。
 新しい長編小説の着想があります。徹底したコメディにしようと思っています。それもやはり、主人公は女性。「超獣ギガ(仮)」も、「香南学園女子タイムトラベル部(仮)」も、どれもこれも女性ですね(笑)。



 前向きで明るい、強い女性がいればいい。多くの太陽神が女性であるように、この世界を照らすのは女性なんだから。
 太陽のような女性?
 本田翼さんがいるじゃろう(笑)。



 ミラノコレクションを見るのが楽しい。シャネルのミューズに小松菜奈さん。めちゃくちゃかっこよかった。WWDとか、頻繁にチェックしてしまう。
 服って楽しい。僕の目標はファッショニスタなんです(笑)。
 男?
 あるじゃないか、野球が。世界一を取ろう。日本代表ならやれるさ。
 日本人の誇りを取り戻す、いい機会よね、なんて、セイジさん(友人)と話していたところ。
 それでは、また。ビリーでした。

photograph and words by billy.


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