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【備忘録】インディゴ地平線。

 さて。
 いよいよ、待ちに待ったゴールデンウィークですね。おそらくは一年で一番、行楽に良い季節。
 皆さんはどんなふうにお過ごしになるのでしょうか。意外と仕事の方も多いかもしれない。

 かくいう僕は。
 えーと。車中泊であちらこちら行ってこようかなって思っています。装備はひと通りあるし、四国の温泉地でも巡って、美味しそうな店を回って、夜になったらビール、ハイボールを飲んで。
 寺社さんを参拝したり、古着屋さんを巡ったり。車中泊は真冬や真夏に辛い種類のレジャーなので、なるべくなら、雨の季節も避けたいので、いまは車中泊に合う季節なんです。
 森のなかで目覚めて、もしくは海辺で波の音に起こされて、迎える朝。
「家なんていらない。キャンピング・カーで、世界中を旅して回りたい」
 そんなふうに思っていた少年は、たいした成長もせず、いまだにそんな生活を目標にしていたりするのです。いまは、この高知県のK市に住んでいるので、四国のあちらこちらを周る旅の暮らしもいいかもしれない。
 どこに旅をしていても、このK市に帰りたくなると思います。だって、K市は美しいし、太平洋があるし、のどかで、暮らしやすい。居酒屋もたくさんある(笑
)

 かつて、僕は、死にたいとばかり思っていた、無気力にもなっていた。
 母が病に伏していたころ、実の父親に、「負け犬」、「くず」、「おまえが病気なら良かったのに」と、ストレスの捌け口にされて、毎日、罵られ、生ゴミとまで言われ続けて、しかも、その当時、僕はある企業で、最年少リーダーとやらに任命されていまして、父親くらいの人たちを部下にして奮闘していたんです。もう、逃げ場なんて、心の拠り所なんて、見つからなかった。
 吐きながら歩いて帰宅し、そこで、また、父にクズ扱いされて、病院には、先行きが不透明な大病の母がいて、そのとき、大切にしていた、一緒に寝起きしていた犬まで、生まれつきだったらしい腎臓の病で、自宅で闘病していました。背中に注射針を刺して、半年ほど、点滴の毎日。やがて、その子は保たなくなって、静かに亡くなりました。賢くて可愛い、良い子だった。
 あのときの僕に言えればいいのに。
「このままじゃ酷いことになる、お前は親を置いて出ていけ」と。
 いまになれば思う。そのとき、付き合っていた人のところに行っても良かった。北海道にいる友達だって呼んでくれた。学生時代の友人たちだって、「東京来いよ」と行ってくれていた。そうすれば良かったのに。
 それができず、追い詰められた僕は、心因性の病気にもなった。自力で立ち上がるのが困難にまでなっていた。行動に制限がつき(体調不安から、好きに行動しにくかった)、回復にずいぶん時間がかかった。そのせいもあって、本当に旅なんてできなかった。
 ずいぶん回復して、いまは本当に元気だけれど、不眠症は残っている。一度、破損した箇所は、完全には回復しないのかもしれない。

 でも、もう、僕は自由だ。
 帰る場所はなくなった。しかし、そんなのいらなかったのだ。
 せめて、この、高知県K市が帰る場所になればいいなって思いながら暮らしている。だって、僕は、この、K市が大好きだから。
 いつか、死んでしまったら、そのときは、このK市の太平洋に散骨してもらいたいと思っている。
 K市に移住してきてから、生きることのよろこびや楽しさに目覚めたんです。恩返しだってしたい。サンキューK市。美しい土地には、美しい人がたくさんいる。
 これからきっと、僕の書く物語は、高知県の、K市の海が舞台になるでしょう。
「もう一度、文章を書こう。小説を書こう」と思ったのは、この、K市や、周辺地域が、物語の舞台に相応しいと思ったから。
「この美しい土地は、物語の舞台になる」
 そんなふうに、僕は、もう一度、物語を描くことにしたんです。

 一年の半分が夏季。初夏、盛夏、晩夏。おそらく、五月から十月まで、夏。四月でさえ、日焼けする陽気。強い陽射し。南へ行けば、エメラルドグリーンに光る海。「おー、すげー」と、その美しさに唸る毎朝。
 まだ未発表の長編小説「新説・流星ツアー」では、「世界でもっとも偉大な海」、「俺たちの太平洋」と表現しています。それはそれは、再生を願って、必死に生きる人たちが、力を合わせて、高知県の海へやってくる物語だからなんです。

 昨年、好評いただいた、このショートショートでは、その一部分を書いておきました。
 まだ途中になっている物語もあるし、これから書きたい物語の着想だってある。「超獣ギガ()」だって、まだまだこれから。
 そのために、チャージしてきます。しばらくnoteから離れますけど、どなたさまも悪しからず。それでは、また。ビリーでした。

 いまのうちに読んでおいてくださいな。


こんなのも始めようかなと思っております。

photograph and words by billy.


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ビリー
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