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【日本一周】38県目/青森県

ようやく本州最北端。青森はりんごとねぶた祭りのイメージしかなかったけれど、滞在してみたら予想以上にとても思い出深い場所になった。

十和田市現代美術館

私は現代アート好き。この日本一周の旅でも、鹿児島県の「霧島アートの森」や香川県の直島に訪れている。
現代アートってなんだかよくわからないと言われることもあるけれど、それでいいと思う。私としては、なんかでかくてすごい、とか、ユニークでおもしろい、とかを感じて楽しむことができるのが現代アートのいいところだと思っているから。

一番気に入ったのは、お花で彩られた馬の巨大オブジェ「フラワー・ホース」。元気になれる色。

ふとっちょなお家「ファット・ハウス」もかなり好き。もう、むっちむちである。

行った日はちょうど、美術館周辺の商店街を散歩しながら町中にちらばるアートを紹介するツアーをやっていて、私は意気揚々と参加。これも素晴らしかった。

「見てください。この道、馬蹄が埋め込まれているんです」
通常なら見落としてしまいがちなものも解説があるとおもしろい。

昔、商店街で火災があったことから、どこの店も地下室を作っていたと説明を受ける。その一室をアート空間にしているものを見せてもらった。
地下室にハシゴで降りると、大量の桜の花びらがまぶしてある山脈に出会った。

この他にも、店のシャッターは閉まっているけど、印がついているシャッターの窓から中を覗くと昔の店の写真が見られたりと、まち歩きが楽しめるような工夫がいろいろな場所でされていた。

写真を載せきれないほどいろんな展示を見たのだけど、とにかく充分すぎるほど満足して、十和田市現代美術館を後にしたのだった。できればまた訪れたい。

バラ焼き

せっかく十和田市にいるので、ご当地グルメ・十和田バラ焼きもいただく。
赤いバラのような肉の塊がタマネギの上にどーんと乗ったビジュアル。
この肉がバラの花に見えるからバラ焼きって言うんだろうなと思っていたが、後で調べたら、牛バラ肉を使っているのがネーミングの由来だと分かった。あぁ、そっちね。

タマネギがくたっとなるまで鉄板で炒める。醤油ベースのたれが香ばしくあたりに漂う。これは絶対おいしい。
ご飯が進むソウルフードだった。

恐山

青森県の北東部に位置する下北半島。そこに霊場・恐山がある。

写真で見る限りでは、草も生えない静かでおどろおどろしい場所、というイメージがあった。幽霊も出そうだし、悲しみが立ち込めているような感じ。
けれど、実際に行ってみると、「道を間違えたかな?」と思うほど緑の生い茂る山道を車でずんずん登って行った先に、急に視界が開けて青い空がパッと広がる。そんな清々しい場所だった。

火山によってできたカルデラ湖を眺めながら白い砂利道を進む。火山性ガスのため草が生えていないので歩きやすい。遠くで鳥の鳴き声が聞こえる。
恐山はお寺でもあるので、意外に浄土ってこんな感じなのかもしれない、と思った。美しいな。

硫黄の黄色い結晶ができているのも見つけて、ひとりでテンションが上がる。教科書でしか見たことなかった針状の斜方晶ではないだろうか。こんなところでお目にかかれるとは。

やはり、百聞は一見にしかず。自分の足で歩くからこそ気づくことはたくさんあるのだと改めて感じた。

大間のマグロ

本州最北端の町・大間町。そして、大間と言えばマグロ。
マグロ丼がどうしても食べたくて、閉店間際のお寿司屋さんに駆け込んだのだった。

1日の締めくくりに、マグロがたっぷり乗ったマグロ丼とエビの頭が入ったお吸い物。なんてしあわせなんだろう。

この後、津軽海峡フェリーで青森の大間から北海道の函館まで渡る。いよいよ日本の最北・北海道へ。

(2013年7月7日)


おまけ。
北海道から帰ってきた時に見た岩木山がとても神々しかったのでここに記す。津軽富士とも呼ばれていて、日本百名山にも数えられている。
夕焼けが後光のように射していて「山が呼んでいる」という感覚を初めて感じた瞬間だった。ぜひまた見に行きたい。

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