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LDLメンバーインタビュー

LDL(Locally Driven Labs)とは、『まちづくり幻想』や『地元がヤバいと思ったら読む凡人のための地域再生入門』『地方創生大全』などの著者で、高校在学時からまちづくり事業に取り組み、約20年にわたって全国各地で経営とまちづくりに取り組んでいる木下斉さんが所長として立ち上げた「未来に向けて、今すぐ動く人のプロジェクトラボ」。
2年前のコロナ禍に発足し、私も設立当初から参加し、ノウハウや刺激をいただいております。
このラボの魅力は、本気で地域や社会を変えよう、挑戦しようという人たちが集まるラボで、全国各地の実践者とつながれることです。
月に1回の全体会も含めて基本はオンラインがベースなので、全国各地・職種も様々なメンバーが集まり活動をしております。

 今回、ともに学ぶLDLメンバーとバディー制を組み、それぞれのプロフィールや専門分野についてなどのインタビューを行なうことになりました。

記念すべき、1回目のバディー制のお相手は、室町時代から続く「種麹」の製造元・販売を営む、株式会社糀屋三左衛門29代目当主村井裕一郎さん。

室町時代から続く、種麹メーカーの代表取締を35歳の時に先代のお父様から引き継ぎ、経営。社内にDX化を取り入れたり、(令和4年)1月には、スペインのラグシュアリーブランドLOEWE×スタジオジブリ「千と千尋の神隠し」イベントにてあま酒が採用・提供したり、4月には[KOUJI THE KITCHEN Academy]を自ら主催するなど、600年続く麹屋の伝統的な企業に新たな風を吹き込んでいます。

村井さんとはLDL発足初期からご一緒させていただき、同じ東海地域、家業を受け継いだ同族経営という共通点から、いつも刺激をもらっています。村井さんは、LDLのオンライン定例会で、いつも、下のお子さんを抱っこしながら参加するスタイルが定番で、奥様と二人三脚で子育てに奮闘されている一面も会話見えて、共感させてもらっておりました。

そんな村井さんに、今回インタビューをさせていただきました。


1.あなたのプロフィールを教えてください!

村井裕一郎さんは1979年生まれ(ほぼ同世代)愛知県豊橋市出身。
室町時代から続く種麹屋29代目当主。

日本の調味料や発酵食品に欠かせない「種麹」。
【味噌用・醤油用・焼酎用・清酒用】と種麹は多岐に使われ、取引先は全国各地、トップブランドから家族経営の製造業者へと卸している。
八丁味噌や三河みりんなど醸造文化が息づく東三河地区には、同業者は一番のピーク時には約20軒ほどあったそうですが、今では5〜6件ほどしか残っていないのだそうです。

家業を継ぐことは、自分がこの家に生まれた=いずれか継ぐことがごく自然の流れだと理解し、抵抗等はなかったのだそう。小中高校まで地元の学校に通い、大学進学で東京へ。(高校進学時に、東京の進学校への受験も考えたが、自宅から徒歩5分のところに、地元の進学校があったので「ぎりぎりまで寝ていられる」地元の高校に通ったそうです(笑)。

慶応義塾大学に入学。経済学部に入学し統計を主に扱う計量経済学を学びながら、途中から微生物などの環境プログラムにも興味を持ち、環境情報学部にも入学。大腸菌のコンピューターシミュレーションを中心に学ぶ。
さらに、大学進学後、アメリカへ留学し、でMBA(国際経営学修士)を取得。さらにさらに、今年の3月まで京都芸術大学で芸術の修士課程を学び、MFA (美術学修士)も取得。

もともとお父様の代から、種麹の技術を売りに自社で研究室をもっていて、そうした背景もあり、経済学部では統計を主に使う計量経済学を学び、経済学部を卒業後に環境情報学部に入り直し、大腸菌のコンピューターシュミレーションを中心に学ぶ。
また、自社だけでなく、地元の伝統企業の理念を活かした企業、産業の再生など、幅広い地元の産業を再生していくにあたり、「一級ブランディングマネージャー」の資格も取得。

どうして、ここまで学ぶことをされているのかと質問すると、大学を卒業後、他を知らずに家業に入ってしまったので、外の世界を知りたかったからと話してくださいました。他を知らないからこそ、「もっと学びたい」という気持ちが常にあるのだそうです。

代々、同じ物を扱っているので、どうしてもコモデティ化(市場参入時に、高付加価値を持っていた商品の市場価値が低下し、一般的な商品になること)。与えられた課題をこなす仕事が多くなるので、自ら、学べる時間をつくっているそうです。
また、会社では口下手な性格なので、SNSなどのツールを多用し、それぞれが伝わりやすい伝え方で伝えるようにしている。たとえば、直接しゃべって伝わる人、読んだ方が伝わる人。また、NOTEなどの投稿で間接的に読んでもらった方が伝わりやすい人。さまざまなツールでコミュニケーションをとっています。
※麹屋としての『発酵的アプローチ』と『組織経営』についての切り口でも村井さんご自身のnote に書かれていて面白いので、投稿を添付します。→https://note.com/ymurai_koji/n/nd55af9fd941e


趣味は、仕事柄、全国各地を営業で回っているので、気に入った場所に家族で国内を旅行することだそうです。今は、3人のお子さんの子育て真っ只中。お子さんもまだ小さいので、最近旅行に行けていないそうですが、機会があれば家族旅行に行くのが趣味だそうです。
ちなみに、一番好きな国内旅行先は「宮崎県」だそうです。理由は、牛肉・豚肉・鶏肉、どれも美味しい。海がきれい。そして、流れている時間がゆっくりなところだそうです。

2.どのような活動を行なっていますか?

地域の青年会議所・商工会の集まりにも積極的に積極的に参加。地元地域(豊橋・東三河)の集まりに積極的に参加することで、地域の課題にも問題意識を持つようになったそうです。
特に、東三河地区は農業が盛んな地域で、キャベツ・しそ・トマト・ブロッコリー・いちご・畜産・花きなど全国有数の産地。
東三河の多様な農産物と食の発信拠点(フードクリエイターの聖地)として「東三河フードバレー構想」にも参加し、東三河地区の食✖️農業のコンテンツに、「デザイン」「アート」の力を活かしたクリエイティブな視点から魅力を発信し、東三河地区が文化産業が盛んになることを考え、MFA(美術学修士)の取得、『KOUJI THE KITCHEN Academy』を自ら主催するなど、自ら学び、行動に移されています。

3.どうしてラボに入ったのですか?

青年会議所時代に木下所長に講演にきていただいたことをきっかけに考え方に共感し、木下所長の動向をおっかけするなかで、LDLを見つけ有料会員になった。

4.今の悩みはなんですか?

BtoCがまだまだ未開拓中。
「種麹」ついてもなかなか一般消費者には聞き慣れない言葉で、理解してもらうにも時間がかかります。
また、地域課題として東三河・豊橋はさまざまな農作物が全国でも有数の産地であるが、種類は豊富にあるが、突出した農作物がなく、特徴がない。
今は子育てでなかなか忙しく地域での活動yができていないですが、地域の様々イベントに参加していきたいです。

5.ラボに入っていない人に向けて

学びたい人にとっては、いい環境であると思います。けれども、入ったからといって何かが降りてくる(ノウハウが得られる)わけではない。
全国のそれぞれの地域で課題意識をもっている人達が集まっているので、面白い仲間ができます。

インタビューを終えて。
最後に村井さんに質問した「ラボに入っていない人に向けて」の質問で、「学びたい人にとっては、いい環境であると思います。けれども、入ったからといって何かが降りてくる(ノウハウが得られる)わけではない。」という答えがその通りだと頷きました。LDLのラボは有料であり、月々の「学び」のコンテンツのなかでは、安価な値段ではありません。だからといって、参加すれば、木下所長が何か自分の企画しているプロジェクトに関わってくれる、何かしてもらえるということではないのです。パートナー会員はラボの中で自分の企画を立ち上げることもできますが、基本的には、私が加入しているアソシエイト会員は、木下所長のnoteコラムマガジンの定期購読・月1回のオンライン定例会の参加・パートナー会員が主催するプロジェクトに参加して経験値を積むことが学習として得られますが、基本的には、すべては自分で考えて動くことが主となっているラボであるということ。自ら課題を設定し、課題解決策を考え、アクションしているからこそ、必要な情報や意見をLDLのコミュニティで投げかけられたり。その投げかけに、共通する価値を持って参加している仲間だからこそ、LDLのコミュニティに投げかけた時に帰ってくるフィードバックはとても心強いのです。また、全く知らなかった分野での視野も多角的に広げてくれるのも、大きな良さだと思います。
村井さんとのインタビューの最後に、同じ同族経営の現状、苦労が少し会話見えるお話もできて、地方の中小企業(同族経営)の悩みが聞けたのがよかったです。

LDL(Locally Driven Labs)について、興味がある方は、共に学ぶ仲間を募集中です。詳細はこちら→https://note.com/shoutengai/m/m3b7945d80cda

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