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欧州最大のテックイベント『Viva Technology 2024』登壇レポート

こんにちは。
Bioworks広報の山家(やまか)です。

弊社Bioworksは植物由来のポリ乳酸(PLA)を原料とする次世代合成繊維「PlaX™️ プラックス™️」を研究開発するスタートアップ企業です。

2024年5月22日~25日の4日間、フランス・パリで開催された「Viva Technology 2024」のオープニングパネルディスカッションに Bioworks  代表取締役社長 兼 TBM取締役 坂本孝治が登壇いたしました。

Viva Technology PARIS 2024


Viva Technology」 は大企業とスタートアップの連携を生み出すことを目的とし、8年前にスタートした欧州最大のテックイベントです。

本年は120の国と地域から1万社を超えるスタートアップ企業と団体が参加。日本は特別招待国「Country of the Year」に選ばれ、JETRO主催のJapanパビリオン内において60社のスタートアップ企業が参加いたしました。

60社のうちの1社として親会社でもあるTBMが出展し、環境配慮型素材「LIMEX」や、弊社開発素材「PlaX™️」が展示されました。

Bullet Train to Future|未来への新幹線


Japanパビリオンで開催されたオープニングセレモニーは「Bullet Train to Future(未来への新幹線)」と題され、岸田内閣総理大臣によるビデオメッセージと、経済産業副大臣 兼 内閣府副大臣の岩田 和親氏と東京都副都知事の宮坂 学氏によるセッションでスタートしました。

オープニングセレモニーに続き開催されたパネルディスカッションでは、一般社団スタートアップエコシステム協会 代表理事兼Plug and Play Japan株式会社 執行役員CMOの藤本 あゆみ氏と、HERALBONY COOの忍岡 真理恵氏、弊社代表の坂本が登壇いたしました。

日本のスタートアップエコシステムが直面する課題や、「Deeptech」「持続可能性」についての最新トレンドが議題にあげられ、

弊社代表からは「ファンドからの融資は最大10年間という制約があるため、弊社は事業会社からの融資をお願いしている。従来のファンドの10年という投資サイクルを取り払い、長期的なパートナーシップを結ぶことを前提とした長期投資ファンドが増えれば」などの議題があがり、スタートアップへの融資について議論が交わされました。

Japan Startup|Bioworks × INNOPHYS


また翌日23日には、スタートアップ企業のサイドイベントとして行われたExclusive Keynoteのスピーカーとして、INNOPHYSの取締役 依田 大氏と弊社代表の坂本が登壇いたしました。

会場にはスタートアップ企業や起業家、アーリーステージ向けVCの方々が100名以上集まり、両社の事業概要についてや、海外進出に向けての今後の動向について語られました。

スタートアップ企業が急増するフランスのエコシステムと、追随する日本


なぜフランスでスタートアップが急増しているのか?

その背景にある「LA FRENCH TECH|フレンチテック」という国主体のスタートアップ支援策について調べてみました。

フランスが2013年から進める支援策「LA FRENCH TECH」は、元経済産業・デジタル大臣だったマクロン氏が推進、大統領に就任した同氏より2017年のViva Techにおいて「スタートアップ支援強化策」が発表されました。

主な支援策として、イノベーション投資への優遇税制、「Bpi france」などスタートアップに積極的に融資する公的銀行の創設や、スタートアップが入居する世界最大級の拠点「STATION F」を設立するなど、官主導のネットワークを構築とエコシステム開発に注力。

スタートアップ企業への強力な支援体制が整えられました。

結果としてマクロン大統領が2019年に発表した「ユニコーン企業を2025年までに25社にする」という中期目標は、2022年に達成され、現在では次フェーズとして「2030年までにユニコーン100社」の目標が掲げられるなど急成長をみせています。

一方で「2027年までにユニコーン100社」を目標に掲げる日本は、2018年に経済産業省が推進するスタートアップ企業の育成支援プログラム「J-Startup」の創設や、「SusHi Tech Tokyo」の開催、東京都が提供するスタートアップ支援拠点として「TIB(Tokyo Innovation Base)」が2024年5月にオープンするなど、フランスの急成長に続くようさまざまな策が講じられています。

流れに棹さすように、日本の大企業のオープンイノベーションが進み、スタートアップ企業との連携によって新たなイノベーションが生まれていくことが期待されているのです。

最後に


弊社代表にVivaTech初参加の感想を聞いてみたところ、「IT・デジタル企業の出展が中心かと思っていたが、その分野は一部で、素材ESG系のソリューション企業が多く出展していたのが意外だった。」と、環境・社会課題に対してイノベーションを起こそうという流れがみてとれる展示会だったとのこと。

近年の日本は「課題先進国」ともいわれ、顕在化するそれらの社会課題対し、課題解決へと導くスタートアップが多く存在しています。

今回Exclusive Keynoteでご一緒した、マッスルスーツを研究開発するINNOPHYSさんのようなスタートアップ企業が、最新のテクノロジーを活用して、差し迫った問題に取り組んでいるのです。

知的障害のある作家さんとライセンス契約し、製品をつくったり、企業とコラボしてアートイベントを展開するHERALBONYさんも、社会課題に挑む日本のイノベーション企業です。

HERALBONYさんの社会的なバイアスを変える新しいビジネスは世界的にも注目を集め、先日LVMH Innovation Award 2024の「Employee Experience, Diversity & Inclusion」のカテゴリ賞を日本企業として初受賞されました。

今まさに社会課題を解決する日本発のイノベーションが、世界で求められているのです。


過去に新幹線、液晶画面、QRコードなどさまざまな「世界初のイノベーション」を開発してきた日本。

(これも日本発なの!?というイノベーションがたくさんあります。「日本のイノベーション100選」)

これからどのような「社会・環境課題」を解決するイノベーションが日本から生まれ、世界へと広がっていくのでしょうか。

Bioworksも「PlaX™️」が世界で「あたりまえの素材」となるよう、日本発の新素材を広めていくと同時に、社会課題に対しても貢献できる取り組みを推進していけたらと思います。


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