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100文字で綴られた物語 (No.61-65)

微熱文学です。

100文字という制約の中で、物語のようなものを書いています。

よろしければ時間のある時に読んでみてください。

(今回は少しホラーテイストかも)




No.61「ビキニとニキビ」

彼氏が浮気した。ビキニの女性とのツーショット写真がスマホにあった。ストレスで顔にニキビが増えていく。行きつけの喫茶店でマスターに愚痴をこぼす。マスターは言った。「そんな男、ニキビと一緒に潰したらいい」




No.62「毒薬」

マッチングアプリ。今や私たちカップルにとってそれは毒薬。スマホに見つけたら最後。私たちの関係は死滅する。いつ飲むか分からないそれを恐れるくらいなら、いっそのこと私の分だけ解毒剤を用意しておこうかしら。




No.63「火のない所に煙は」

昨日から私に関する噂話が学校中に広まっていた。その内容はここでは詳しくは言えないけど。噂は人を介するほど歪曲していく。この噂も結局は、推測の域を出ることはない。だからきっと大丈夫。私は燃やしてないよ。




No.64「胃袋」

私のカレーの隠し味は愛情。ほんの少しのスパイスで彼の胃袋を鷲づかみ。私の彼への隠し事は地下アイドルだったこと。灰ロムのような関係。そろそろ解約して機種変更しようかな。地下に埋める?それとも燃やして灰?




No.65「振る」

あーあ。また、振っちゃった。ちょっとでも気に入らないことがあると、振ってしまう私。私はいったい、あと何回振れば気が済むのかな。一度冷めてしまったら、再び熱を帯びることはない。使い捨てカイロみたいな私。




ーーーーーーーーーーーー < No.1-60まで> ーーーーーーーーーーーー

No.1-50


No.51-60



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