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東アジアの奇跡 – ヒップな台湾ガールズを探せ!その2/4

成田からおよそ4時間半をかけ台北に着いた。

空港を出ると緩やかな生温い風が頬を当てた。12月の年末にも関わらず沖縄よりも南に位置する台湾は、真冬でも暖かく過ごしやすそうな気候だ。

今回の旅の同行者は20代前半の頃からの遊学時代のロンドンで一緒になって遊び歩いた友人でその頃から夜遊びに興じてきた。ちょっと説明をさせてもらうと、夜遊びと言ってもお姉ちゃんの居るいかがわしいお店に行ったりするのではなく、大好きなダンスミュージックを聴きにクラブ頻繁に出向いていた友人だ。

日本ではクラブというと「チャラい!」と変な誤解される事が多いのだが、欧州ではダンスミュージックやクラブは立派な音楽または文化として認められ、ロンドンやイビザ島では、そのクラブ、ダンスミュージック文化を観光資源として多くの観光客を招くほどだ。それこそ大袈裟な話、英国のウィリアム王子だってクラブに出没する。

僕らは純粋にダンスミュージックが好きだった。とりわけロンドンやイビザ島から発信される最先端のテクノミュージックが大好きで、この種の音楽が新しい時代の音楽を切り開いていると信じていた。若い頃は本当にクラブからクラブへ、金曜日の夜から日曜日の朝まで、それこそ身体が果てるまでノマドの様に街を点々移動しながらとしながら毎週末を共に過ごしたものだった。

今でこそすっかりその気持ちも薄れてきているが、僕らの中には20代の頃に多くを過ごしたクラブ文化というモノが深く根付ていた。其処にはいつも最先端を求める刺激的な面白い人達、クリエイティブな人達が集まり、新しい時代を、若者の文化を作っている気がしていた。そこでは性別、年齢、職業を超えた出会いがあり、多くの刺激があった。

だからこそ僕らの中では、新しい時代の人々に、時代を先行くヒップな若者に会いたければクラブに行くというのが僕らの中では当然の流れがあった。

まずは僕らは情報を集める事にした。僕らはまず街のリサーチも兼ねて台北でトップクラスにお洒落だと言われるファッションエリア、モール、ショップをしらみつぶしに歩き、そこに置いてあるイベントのポスターやフライヤーを見てみようと思った。

しかしまず僕らは、街に出て歩みを進めれば目の当たりにする台湾のファッション文化の成熟に驚かずにはいられなかった。実は僕は12年前に台北に来たことがあて、しかしその頃は特に目を奪われる様な斬新なデザインやファッションを目にすることは皆無だった。

前回のブログでも記載したが、僕は職業柄と言うか、文化の成熟度や発展性をその土地の人のファッションやメイクに見る癖がある。12年前のその時代は街中にはビジュアル系みたいな服装な人が溢れ、日本よりトレンドがずっと遅れているなーと興味もさほど示さず、横目で見ながら街を散策していたのものだ。

それが今の台北の街は至る所に新進気鋭なデザインの建物やショップが溢れて、東京に比べて新しい建物が多い分だけ街が東京以上に若々しくフレッシュに見える。それに近代化された中華と日本、そして欧米の文化のミックス感覚はとても面白い。12年前と同じ街に来ている感覚は皆無だった。それは街の見た目のフレッシュさも然り、以前よりずっと街の人々がフレッシュに、言うならば元気はつらつとしている。それもそのはず、台湾は近年とても景気がいいのだ。

たまに海外から東京に帰ると長く続く震災と不景気の影響があってか、街の雰囲気がどんより暗いのを感じる。しかしその反面、台北の街はエレクトニクス産業の発展を筆頭に国全体としても景気が良い。何処へ行っても物凄い活力を、活気を感じてしまうのだ。街を行き交う人々の中にとても笑顔が多いし、何だか皆んなとても気分がアッパーなのだ。そんな笑顔な人が多い街を歩いているのはとても楽しい。

「景気が良いって楽しいー!」

僕らはそんな事を叫びながら台北の街を端から端へと徘徊していった。

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下記がとりわけ新しさを感じたセレクトショップやモールである。

備忘録も兼ねて記載しておく。

HOTEL V

https://www.facebook.com/HOTELV.TAIPEI

ホテルという名が付いているがこちらはセレクトショップ。建物の中は平面的に何部屋も連なっていて部屋ごとにセレクトするアイテムのテーマを変え非常に面白い見せ方をしていた。取り扱っている物も非常に個性的でユニークだが一貫して品が素晴らしく良い。今回一番気に入ったお店だった。

CLUB DESINGER

http://www.clubdesigner.com.tw

台北市内6店舗構える老舗セレクトショップ。東京でいうとDOVER STREET MARKETと昔のRESTIRを足して2で割ったようなお店。本店は5フロアから成るビルで、フロア単位でセキュリティや店員が目を光らせており少し緊張するが一見の価値はあるお店。台北の富裕層のファッションコンシャス人々の感覚が良く分かる。


WOW OUTLET

東区にあるデザイナーズブランドのアウトレットのお店。アウトレットのくせいにやたらお洒落で日本ではみかけない形態。台北で複数店舗展開する有名セレクトショップ TUAN TUAN BOUTIQUEのアウトレット。アウトレットの為、ウェブサイトは持っておらず。自力でお探してください。


TUAN TUAN BUTIQUE

http://www.msyaming.com/%E5%9C%98%E5%9C%98

台湾国内のMARTINA MARGELA、CAMPERなどの店舗経営などを行う大きなファッションの会社が展開するセレクトショップ。このTUAN TUANは台湾で2店舗、中国に上海と成都に2店舗展開する。超高級ショッピングモールBELLAVITAの中にある店舗が美術館のよう美しい。


BELLAVITA

http://www.bellavita.com.tw/cht

TUAN TUAN BOUTIQUEを含め、世界の一流ファッションブランドが入る超高級ショッピングモール。人がまばらで本当に経営大丈夫か?と思ってしまうが、一人当たりの消費単価が恐ろしく高いのだろう。東京のMIDTOWNよりもハイソな雰囲気。立ち並ぶ高級ブティックや建物を豪華絢爛な造りをみているだけでも面白い。Joël Robuchonなどの高級レストランも入っている。

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僕らは目に入る最新のデザインや思考を凝らした演出のショップやモールをウィンドーショッピングしながらある事にある重大な事実に気がつき、突如歩みを止めた。

「街に可愛い子が少ない、、、、!! ? 」

確かにお洒落なお店に行くとそこにはいる店員さん達は皆お洒落で可愛いのだが、街の全体の総数を考えれば東京の街の方が圧倒的におしゃお洒落で可愛い子が多い。台北は若い女性が比較的多い街だと思うが、髪を二つに結び眼鏡をかけた子が非常に多く、秋葉男子が好むようなウブな眼鏡っ娘には微塵も興味もない僕らは期待を裏切られた気分でいた。

僕がパリやミラノで見たヒップな台湾の女性たちは幻想だったのか、はたまた妖精だったのか。現実を突きつけられた僕らはがっくり肩を落としゆっくりと沈みゆく太陽を眺めていた。

大義名分を背負った僕らは今の悲惨な現状を突破する為に、より深い確実な情報を手繰り寄せようと発起した。その方法はとてもシンプルで、お洒落なショップな店員さん達とお喋りしてナイスな情報を聞き出すのだ。台湾の人達は比較的英語か、ないし日本語が通じる人が多いのでコミュニケーションが取りやすい。僕らはひょっこり買い物をするふりをして話かけらるように仕掛け、そしてお喋りにつぐお喋りで目的の情報を聞き出すのだ。

「君らみたいなお洒落でヒップ人達が夜な夜な集まるような場所は何処?普段は何処で飲むの?今流行ってるクラブ知っている?」

僕らは尋ねまくった。店から店へと移動しながらまるで会話をコピー&ペーストするかのように。僕らは情報収集ロボットと化した。

何処の旅先でもそうだけど、ガイドブックを調べるよりネットで検索するより、ずっとこの方が確実だ。ネットの情報量はリアルな街にある情報の1割にも満たない情報量だ。ネットには全て答えがあるような幻想に囚われてしまうが、決してネットに真実はない。真実はいつも現場にあるのだ。

それに単純にイケてるな!って思う街の人達に単純に聞けばいいんだからこんな簡単な方法はない。恥ずかしいとか、怖いとか言葉が通じないかも!?とかそんなものは横に置いておいて、聞いてみたらきっと楽しいものなのだ。

下手したら遊びに連れってくれるし、そうじゃなくても必ず面白い情報が手に入る。それに基本8割の人は親切だ。これはもはや旅の魔法のようなもので、使うと使わないとでは旅の楽しさに大きく影響する。今回もその努力の甲斐もあって貴重な情報を得る事ができたのだった。


人それぞれ地域ごとに多種多様な意見はあったが、どうやら比較的ファッション、クリエイター系の人達は仕事帰りに忠孝敦化駅裏の東区と呼ばれるエリアで軽く飲んだり食べたりし、その後は台北101付近のクラブ夜な夜な繰り出すらしい。とりわけクラブはその辺りに密集していてクラブに行くならそのエリアだと言うのは間違いなかった。それに台北のEDM(エレクロトダンスミュージック)熱は相当熱いみたいだ。

「 平日でも混んで並ぶ事になるから覚悟してね!」

そんな声も聞いて僕らは胸を高鳴らせた。

気がつくと満足な情報を得た頃にはすっかり日は落ちて街には色鮮やかなイルミネーションが灯されていた。しかし僕らはもうフラフラだった。台北の街を端から端へと横断するような長時間に渡るリサーチで多大な体力と気力を消耗してしまい、今にもベッドに倒れこみたい気分になった。

「 やばい。このままでは台北の夜に殺される、、、。」

瀕死になった僕らは失った体力を取り戻す為に、新鮮な台湾海鮮をお腹に詰め込み、台湾のレッドブルこと – 蛇の生き血のショットを胃に注いで弱った身体を無理やり叩き起こし、再び夜の街に繰り出した。


台北の長い夜が始まる。


つづく、、、、

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